1955年のデビュー以来、半世紀以上トヨタの最上級モデルとして君臨しているクラウンが昨年末にマイナーアップデートされました。見た目にはあまり変化はありませんが、見えない部分の進化によって安心や安全を大幅に向上しています。このように日々アップデートされているクラウンをその歴史とともに紐解いてみましょう。
たゆまぬ進化を続けるトヨタのハイエンドモデル
側面から見るとトランク部分が短くなり、従来のセダンボディからよりクーペ的なシルエットになっているのが判ります。
おそらくクルマ好きに限らず、「クラウン」という車名を知らない人はいないでしょう。日本では高級セダンの代名詞として知られているほどその知名度の高いクラウンは、1955年にデビューを飾り、現行モデルでなんと15代目という超ロングセラーです。その時代ごとのニーズに応えて変化をしつつも、フラッグシップモデルという地位は揺るぎなく、多くの人に愛され続けています。
インテリアでは中央のモニターが12.3インチのタッチディスプレイに大型化。またレザーシートを採用するグレードも拡大されました。
2018年にデビューした15代目モデルは、これまでの雰囲気はそのままに、TNGAに基づいてプラットフォームを一新し、低重心化や軽量化、そして前後重量の配分適正化などを行い、ボディも6ライトウィンドーのファストバック風のシルエットとなりました。また見えない部分にも、最先端の安全装備を惜しみ無く投入し、名実ともに最上級車種に相応しい内容となっています。
ハイエンドモデルとして走り続けたクラウン66年の歴史
1955年にデビューした初代モデル。後席ドアが後ヒンジで前後ドアが観音開きとなることから、「観音クラウン」の愛称で親しまれました。
クラウンは、戦後間もない1952年から開発に着手し、各自動車メーカーが国外の自動車メーカーと技術提携を行う中、純国産設計の本格的な高級乗用車として1955年にデビューしました。初代モデルの外装は当時のアメリカ車の影響を大きく受けた丸みのあるデザインで、法人需要はもちろん、公用車やタクシーなどにも多数採用され活躍しました。
1967年に登場した3代目モデル。これまで社用車のイメージが強いクラウンに、個人ユーザーに向けて白いボディカラーや2ドアハードトップがラインナップしました。
その後も順調にモデルチェンジを続け、トヨタを代表する高級乗用車となったクラウンですが、3代目モデルでは主に法人需要がメインだったクラウンのイメージを一新し、ホワイトのボディカラーに豪華装備を搭載したオーナーデラックスを追加。「白いクラウン」のキャッチフレーズとともに個人ユーザー層にもマーケットを広げた販売戦略を開始。また2ドアハードトップをラインナップに追加し、若者にも人気を博しました。
1995年に登場した10代目モデルは、3代目モデルから採用されていた伝統のペリメーターフレーム構造に代わって、フルモノコック構造を採用しました
堅牢で故障が少ないという理由から、3代目モデルより採用が続いていた伝統のペリメーターフレーム構造は、10代目モデルからモノコックボディが採用され、4ドアのセダンという基本形状は変わらないまま大きく変革を遂げます。またこのモデルより歴代で初めて四輪駆動車が追加された代わりに、需要が徐々に減りつつあったマニュアルトランスミッション仕様が1999年に消滅しています。
CMでも話題となったピンクのクラウンは期間限定で注文を受け付け、若草色、空色とともに実際に発売されました。
2012年、「CROWN Re BORN」のキャッチコピーとともに登場した14代目モデルは、発表会にピンク色のボディカラーの個体が登場し、話題となりました。このピンク色のボディはのちに実際に発売されたほか、若草色や空色といったボディカラーも期間限定で発売されました。グレードのよって異なるフロントグリルが採用され、アスリートには上の写真のような稲妻型の特徴的なラジエターグリルが採用されました。
こうやってみると、クラウンは時代のニーズに答えつつも、66年間もの間、トヨタの最上級乗用車として正常進化を続けてきたことがわかりますね。
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