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プロになるという高い目標を実現してなお、スポーツとは分野の異なる、超難関とされる国家資格に挑むアスリートたちがいます。その先駆けともいえるのが、現役バスケットボールプレイヤー兼公認会計士の岡田優介さん。在宅時間が増えた今、「空いた時間」を使って資格の勉強を始め、見事合格した岡田さんのように新しい「学び」に挑戦してみませんか。

Profile
岡田優介/
YUSUKE OKADA
<Bリーグプレイヤー>

1984年東京都新宿区生まれ。2007年に青山学院大学卒業後、トヨタ自動車アルバルクに加入。2009年に日本代表初選出。2010年に公認会計士試験に合格。複数のクラブを経て2020年からアースフレンズ東京Zに所属。また、2013年に一般社団法人日本バスケットボール選手会を設立、初代代表理事に就任。現在はEY新日本有限責任監査法人にて非常勤勤務、3人制プロバスケチームTOKYO DIMEの運営など多方面で活躍。

日本のバスケ界をより良くする力をつけようと
空いた時間で始めた公認会計士の勉強

新型コロナウイルス感染拡大の影響が続き、おうち時間が増えたと感じている方も多いのでは。いつ何が起こるかわからない未来のためにも、資格やスキルを身につけるのもお薦めです。

そこで、何かを始めようと考えている人にご紹介するのが、日本プロバスケットボールリーグ(Bリーグ)の選手でバスケットボール日本代表経験もある岡田優介さん。選手として現役でプレイしながら、公認会計士としての実務もこなし、さらにその知識や人脈を強みに3人制バスケットボールチームの運営もするという超インテリ派のアスリートです。

岡田さんが、公認会計士の勉強を始めたのはバスケのプロ選手を目指していた大学3年生の後半。大学卒業に必要な単位を2年半で取り終えてしまい、“予定外の空き時間”ができたことがきっかけでした。

「せっかく大学に通っているのに勉強しないのももったいない」。何気なく目を通した通信講座のパンフレットで興味を持ったのが、難関資格と言われる公認会計士でした。

「公認会計士の資格を取ったのは、セカンドキャリアのことを考えてとか、引退後の安心や保証がほしいということではなくて、日本のバスケ界を変えられるような力をつけたかったからです」。

というのも、当時の日本バスケ界はプロのリーグもない状態。せっかく楽しいスポーツなのになかなかバスケが注目されず、大学生ながらも悔しさを感じていたと岡田さん。

「中途半端なことでは何かを変えるなんてできません。やるなら誰もやったことのないような大それたことでないと意味がないと思ったんです」。

考えたのは、プロのバスケ選手になり、現役選手として難関試験に合格することでした。

「ただ資格を取るということではなく、注目を集めるために “プロのバスケ選手が取る”ということにこだわりました。やるからにはその道でナンバーワンにならないと意味がないので、難関資格ということも重要でした。通信教育ならプロになってからも勉強との両立がしやすいですし、大学で経済学を学んでいたので数字に抵抗もない。プロ選手で公認会計士という人は当時私の知る限りではまだいなかったので、希少価値も高くなります。それに、公認会計士の資格を取れば、自分の会社を経営するなど、できることの幅が広がるだろうと考えたんです」。

プロバスケットボール選手と勉強の両立。
苦労したのは、周りの理解が得られなかったこと。

大学卒業後、プロの道へ進んだ岡田さん。2009年には日本代表に選出されるなど第一線で活躍しながらも、多いときには1日12時間以上、少ないときでも必ず5~6時間は勉強していたそう。

「会計士の試験は、優秀な人でも3000~4000時間の勉強が必要だといわれているので、とにかく限られた時間の中でいかに効率よく勉強するかということは心掛けていましたね」。
気になるのは、スポーツと勉強の両立について。

「まだ若く体力もあったので両立することはまったくきつくありませんでしたが、周囲からは『片手間でやるな』『会計士をなめるな』など、どちらの業界からも批判的な意見はありました。当時はマルチキャリアというものが今ほど浸透していなかったので、何か一筋ではなく2足のわらじを履くということ自体があまり受け入れられなかったんです。予想はしていましたが、そこを理解してもらうことに一番苦労しましたね」。

それでも、好きなバスケを広めていきたい、バスケという競技の魅力を伝えていきたいという想い。そして、自分を育ててくれたバスケ業界をより良くしていきたいという想いがモチベーションになっていたと岡田さん。

「疲れることももちろんあるし、それは当たり前のことだと思います。それでも、将来成し遂げたいこと、試験に受かったらやりたいことなどを考えている時間が楽しいので苦にはなりませんでした。集中したいときや気分を変えたいときは、環境を整えるということを大切にしています。それにはまず、自分を客観視して、集中できる環境を知ることが大事。僕の場合は、同じ場所に留まっているのがあまり好きではないので、カフェや図書館などいろんな場所で勉強すると集中力が上がりますし、環境を変えることが気分転換にもなりましたね」。

信用や人脈、思いもよらない収穫も。
公認会計士試験に合格して拓けた新しい道。

2010年、岡田さんはプロバスケ選手として活躍しながら、公認会計士試験に合格するという目標を達成。資格取得後はバスケはもちろん、非常勤で公認会計士としても実務を行い、2012年には「バスケ好きな仲間が集まれる場を作りたい」と『Dining Bar DIME』をオープン。その翌年には一般社団法人日本バスケットボール選手会を立ち上げて初代会長も務め、2014年には3人制のプロバスケットボールチーム「TOKYO DIME」のオーナーとしてチーム運営にも取り組むなど、飛躍的に活躍の幅を拡げました。

岡田さん曰く、資格を取って得たものは思っていた以上。

「公認会計士という社会的信用の高い資格を持つことで、信用という大きな後ろ盾ができた気がします。例えば選手会などを立ち上げるときも、法律や財務に関してベースとなる専門的な知識があったことが、信頼につながりました。実務を通して思いもしなかった出合いやチャンス、信頼関係といった人とのつながりができたり、論理的に考える力や物事を言語化し具現化して、汎用性を高めていく転用力をつけることもできました。これは人生を歩んでいくうえで大きな力になりますよね」。

そして、もう一つ岡田さんが気付いたのは、バスケも勉強も根本は一緒だということ。

「失敗したら原因を追究し、次にフィードバックして、もう一度トライしてみるというプロセスは、バスケットも勉強も共通なんだと改めて認識しました。でもそれは、どちらか一つだけではなく、両方の成功体験があるからこそ浮かび上がってきたことなんですよね。そういう発見ができたことも資格を取って得た思いがけない副産物だと思っています」。

一歩を踏み出すのは難しいけれど、
新しいことを取り入れることを習慣に。

スポーツの道でプロになり、さらに難関と言われる国家資格を取得するという2つの目標を実現し、躍進を続ける岡田さん。3人制バスケチーム結成以来掲げてきた「オリンピック選手輩出」という7年越しの目標もいよいよ今年実現しそうとのこと。現在は、ベテラン選手としての役割を見つけること、そして事業者としてチームをスケールアップすることが目下の課題だそうです。

「プロになって13年。10代、20代の頃に掲げた目標をほぼ達成して、今はやりたいことを自由に楽しめています。これはあくまでも僕の経験ですが、どんなに小さなことでも新しいことにチャレンジしたときにまったく思ってもみなかったような発見や展開が必ず待っていました。もし今の自分の状況を打開したい、現状にあまり満足していないと思っているのであれば、小さくても一歩踏み出して新しいことを始めるということが大事だと思います。その一歩を踏み出すのは結構難しいかもしれません。だから、少しずつでも新しいことを取り入れる、それ自体を習慣にしていけば常に新しい発見があると思います。そこから楽しみを見つければ、またひとつ面白い人生になると思うので、ぜひ新しいことにチャレンジしてほしいです」。

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Harmony Digital Magazine Vol.02 / 2021.02 特集「New Challenge」

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