2018年、2021年。2つのヴィンテージとともに「オーパス・ワン」の魅力を解き明かす2人の偉大なワイン醸造家が手がけた作品番号1番、「オーパス・ワン」とは

フランス・ボルドーで、メドック格付け第1級の「シャトー・ムートン・ロートシルト」を所有するフィリップ・ド・ロートシルト男爵と、カリフォルニアワイン界の重鎮、ロバート・モンダヴィ。ワイン造りの革命児2人の出会いから生まれた夢のワイン「オーパス・ワン」の、類稀なる魅力の秘密に迫ります。
Text:Kiyoshi Shimizu(lefthands)
2人の偉大なワイン醸造家が手がけた作品番号1番、「オーパス・ワン」

新旧大陸の名人がハワイで語り合った、ワイン造りへの夢と情熱
フィリップ・ド・ロートシルト男爵(1902〜1988年)とロバート・モンダヴィ(1913〜2008年)は、1970年にハワイで開催されたカリフォルニアワインの展示会で出会いました。当時、新興勢力であるカリフォルニアワインへの評価はさほど高いものではありませんでしたが、フィリップ男爵は早くからモンダヴィの醸造家としての才能に注目し、カリフォルニアワインの将来性も認めていました。彼はハワイで自らモンダヴィにコンタクトを取り、会うことに。2人はワイン醸造の夢を語り合い、意気投合します。この出会いをきっかけに、数年後、大西洋を越えた強力タッグによる夢のワイン「オーパス・ワン」が誕生するのです。
「絹のパジャマを着た農民」フィリップ・ド・ロートシルト男爵
フィリップ・ド・ロートシルト男爵は、フランスの5大シャトーの中でもひときわ豪勢で華やかなワイン造りに定評がある「シャトー・ムートン・ロートシルト」のオーナーであり、ワイン業界では伝説として語り継がれる人物です。20歳の若さでシャトーの運営に携わるようになったフィリップ男爵は、当時決して順風満帆ではなかったワイナリー経営を改善するために、多くの改革を断行しました。まず、品質の向上や作業の効率化を図るために技術委員会を設立し、従業員たちと積極的に意見交換する場を設けました。また、ワインを樽ごと酒商(ネゴシアン)に預けて、熟成から瓶詰めまでを任せるという従来の慣行をやめ、自ら瓶詰めを行うことで品質管理を徹底させました。今では一般的になったこのシャトー元詰めは、彼が先駆者だったのです。毎年、現代アーティストの作品でラベルを飾り、ワインと芸術を結びつけたのも彼のアイデアでした。
「絹のパジャマを着た農民」と自らを評した彼の半世紀におよぶ努力により、「シャトー・ムートン・ロートシルト」は1973年にボルドーワインの格付けで第2級から第1級に格上げされました。これは、1855年に始まった格付け制度で唯一の例外です。この時、フィリップ男爵は「われ1級になりぬ、かつて2級なりき、されどムートンは昔も今も変わらず」という名言を残しています。
カリフォルニアワイン飛躍の功労者、ロバート・モンダヴィ
ロバート・モンダヴィは、イタリア移民の長男としてアメリカに生まれました。彼の父親は、イタリアでブドウ栽培家兼ワイン醸造家として働いてきた経歴を持ち、新天地カリフォルニアでもワイナリーを経営していました。ロバートは父親のワイナリーを手伝ったあと、1966年にナパヴァレーで自らのワイナリーを立ち上げます。彼はボルドー産やブルゴーニュ産のワインを徹底的に研究し、新しい生産方法を積極的に取り入れます。ブドウ畑を航空写真で撮影してブドウの成熟度を見極めたのも、モンダヴィが始めたことです。彼の努力により、カリフォルニアワインはヨーロッパのワイン生産者にとって侮りがたい競争相手とみなされるまでに成長しました。ロバート・モンダヴィは、カリフォルニアワインの地位を向上させた最大の立役者なのです。
両巨匠の思いを込めた「作品番号1番」
フィリップ・ド・ロートシルト男爵とロバート・モンダヴィが、ハワイでワインへの情熱を語り合ってから数年後に、「妥協を許さず品質を追求した、ほかに類を見ない1本のワイン」を求めての共同プロジェクトがスタートします。1978年にワイナリーが創設され、1984年に初めての作品である「オーパス・ワン」がリリースされると、国際市場で高く評価され、多くの愛好家からの賞賛を得ました。
ワインボトルには、東を向いたモンダヴィと西を向いたフィリップ男爵の横顔、そしてサインがあしらわれました。その下の稲妻のような形は、アイデアを表徴しているといわれています。オーパス・ワンは音楽用語で「作品番号1番」という意味を持ち、「1本のワインは交響曲、1杯のグラスはメロディのようなもの」という思いが込められています。またその名は、英語圏でもフランス語圏でも読めるようにと、ラテン語にされました。
2人の巨匠がこの世を去ったあとも、「オーパス・ワン」は独立した経営体制を貫き、彼らが掲げた「新世界と伝統的産地が誇るワイン造りのアイデアを組み合わせることで、最高品質かつ唯一無二のワインを造る」という目的を追求しつづけています。そして品質に妥協しないがために、限られた本数しか生産しない希少性と、著名なワイン評論家であるロバート・パーカー氏の高評価(パーカーポイント)も影響し、カリフォルニアのトップワインとして、世界中で絶大な人気を集めています。
「オーパス・ワン」はワインとして何が優れているのか

「オーパス・ワン」はカリフォルニアワインの力強さと複雑さ、ボルドーワインのエレガントさという、新世界と伝統的産地の優れた特徴を兼ね備えたワインです。
オーパス・ワン・ワイナリーは、カリフォルニア随一の銘醸地、ナパヴァレーの中央部に位置するオークヴィルにあります。夜から明け方にかけて濃霧が現れ、夏は最高気温が30度を超えます。昼夜の気温差が大きいこともあり、ブドウの栽培条件として素晴らしいポテンシャルを持っている場所です。「オーパス・ワン」はこの地で収穫される高品質のカベルネ・ソーヴィニヨンを中心に、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドを厳選し、その年の気候やブドウの品質によって最適な割合でブレンドされています。
時代の変化に合わせて柔軟に対応し、ブドウ栽培および醸造に新しい風を吹き込んでいるのも「オーパス・ワン」の魅力です。近年では、地球温暖化の変化に対応するため新しい栽培法にチャレンジし、サステナブルで地球環境を尊重したワイン造りに力を入れています。

フル・ボディだからこそ楽しめる肉料理とのマリアージュ
「オーパス・ワン」はフルボディのしっかりとした味わいのワインのため、ワインと同様にしっかりとした味わいの肉料理などと合わせて楽しむのに適しています。ステーキやハンバーグ、濃厚なソースを使った料理、牛肉の煮込み料理などがおすすめです。
パーカーポイントで98点を獲得した「オーパス・ワン2018年」
2018年は安定した天候と穏やかな気温に恵まれ、ブドウにとって素晴らしい成育条件が整いました。年初は水不足に見舞われましたが、萌芽直前に絶好のタイミングで降った雨で栽培環境が整い、例年を上回る収量となりました。この年の成育期は遅いスタートでしたが、平年のわずか7日遅れでヴェレゾン(色づき)が始まり、ブドウの完全な成熟に必要な時間は十分にありました。
「オーパス・ワン2018」は、ブラックベリー、カシス、ブラックチェリーの豊かな香りから、上品なスミレ、白胡椒、そしてバラの花びらへと続き、とても魅力的な芳香を放ちます。新鮮でみずみずしい黒果実の味わいがしなやかに幾層にも重なり、オレンジの皮、甘草、ダークチョコレートのニュアンスがアクセントとして感じられます。美しくバランスのとれたなめらかで柔らかなタンニンは、フレッシュな酸味と相まってソフトでクリーミーな感触をもたらし、その味わいは引きつづき長い余韻となって広がります。
新ヴィンテージの「オーパス・ワン2021年」
2021年は、オーパス・ワン史上2番目に少ない降水量となりました。そのため、栽培チームは下草と水分を奪い合うのを避け、限られた水を最大限に活かせるよう、例年より早めに土壌を耕しました。降水量が少なかったため、ブドウの収穫量は例年より少なくなりましたが、収穫時の果実は高い凝縮度と風味を得ることができました。
「オーパス・ワン2021」は、新鮮なカシス、ブラックベリー、ブラックチェリーの魅惑的な黒果実のアロマに、スミレ、バニラ、ベーキングスパイス類の微かな香りがバランスよく調和しています。口に含むと明るくフレッシュで、アロマに見られるような印象の凝縮された味わいとともに、きめ細やかなタンニンがクリーミーでビロードのような感触をもたらします。紅茶、リコリス(甘草)、ダークチョコレートの魅力的な風味が長い余韻に感じられます。
さらに、「オーパス・ワン」はどのヴィンテージでも熟成による味わいの変化を楽しめるので、同じヴィンテージを複数本購入し、直後に1本を楽しみ、10年以上経った頃に同一ヴィンテージを飲むというのも乙な楽しみ方です。また同じボトルでも、開けたてと数時間後では印象が異なるので、ゆっくりと時間をかけて楽しんでみてはいかがでしょうか。


オーパス・ワン2018
ブレンド比率:カベルネ・ソーヴィニヨン84%、プティ・ヴェルド6%、メルロー5%、 カベルネ・フラン4%、マルベック1%
マセレーション:18日間
樽熟成:フランス産オークの新樽で17カ月
価格:66,000円(税込み)
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オーパス・ワン2021
ブレンド比率:カベルネ・ソーヴィニヨン93%、カベルネ・フラン4%、プティ・ヴェルド2%、メルロー0.5%、マルベック0.5%
マセレーション:19日間
樽熟成:フランス産オークの新樽で19カ月半
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