The World of TAG HEUERタグ・ホイヤー 2026年最新ウォッチコレクション
1860年創業のタグ・ホイヤーは、クロノグラフの分野でスイスを代表する時計ブランドです。1887年には、今日の機械式クロノグラフにも受け継がれる基本機構「スイングピニオン」を開発し、1960年代以降はF1やインディ500などのモータースポーツと深い関係を築いてきました。レーシングドライバーやチームのサポート、レースの公式計時を通じて培ったスポーティなイメージに加え、革新的な技術とひと目でタグ・ホイヤーとわかるデザインを追求してきたことが、このブランドの大きな特長です。
では、5つのメインコレクションの魅力と、その最新モデルを紹介しましょう。
Text:Yasuhito Shibuya
Edit:Akio Takashiro(pad inc.)
1.
TAG HEUER CARRERA/タグ・ホイヤー カレラ
ラウンド型スポーツ&スタンダードウォッチの定番
タグ・ホイヤー カレラは1963年、創業家の4代目で社長だったジャック・ホイヤー氏がメキシコの公道レース「カレラ・パンアメリカーナ」に着想を得て発表したラウンド(丸型)ケースのウォッチコレクション。ジャック・ホイヤー氏がレース界と親密な関係を築いていたこともあり、当時からトップクラスのレーシングドライバーたちに愛用されたという歴史があります。
誕生当初からクロノグラフだけでなくビジネススーツにもぴったりのスタンダードな3針モデルも展開していて、最近では自社製ムーブメント(TH20-00など)を搭載したクロノグラフが充実。6月にはカレラ初となるスプリットセコンド機構を搭載した42mmモデルも登場しました。時計の世界では“定番”の丸型ケースに「モータースポーツの歴史的ヘリテージ」を反映したアクセントを加えることで、スポーティであると同時に「フォーマルからカジュアルまで対応するオーセンティックなデザイン」がタグ・ホイヤー カレラの魅力です。
自動巻き(パワーリザーブ約80時間の自社製キャリバーTH20-00搭載)、ケース径39mm、SSケース&ブレスレット、100m防水。
2.
TAG HEUER MONACO/タグ・ホイヤー モナコ
スクエア型ケースに最新メカニズムを搭載
「タグ・ホイヤー モナコ」は1969年、世界初の自動巻きクロノグラフムーブメント「キャリバー11(クロノマティック)」を搭載したモデルとして誕生し、腕時計史上初の防水角型ケースを採用したことでも知られるスクエア型のクロノグラフがメインのコレクションです。初代モデルは、俳優スティーブ・マックイーンが映画『栄光のル・マン』で着用したことで一躍、タグ・ホイヤーのアイコンとして定着しています。
大胆なスクエアケースと、クロノマティックの構造からケース右側にクロノグラフボタン、左側にリューズだけを配置した独特のデザインが象徴だったこのクロノグラフは、現在はこの「ケース左にリューズ、右にクロノグラフボタン」のスタイルに加えて、「ケース右にリューズとクロノグラフボタン」というオーセンティックなスタイルも展開。しかもここ数年、劇的な進化を続けています。2024年には「アヴァンギャルド オルロジュリー(革新的な高級時計)」というシリーズで、タグ・ホイヤー初のスプリットセコンドモデルが登場。さらに今年2026年には見た目はほぼそのままに、人間工学に基づいて再設計された軽量なチタンケースに自社製の新型ムーブメントを搭載して定番モデルも新世代に。さらに同シリーズで「コンプライアント・クロノグラフ機構」という、これまでのクロノグラフ機構とはまったく異なる構造と操作感を実現した革命的な新作「タグ・ホイヤー モナコ エバーグラフ」、“アワーピストン”と名付けられた回転式時刻表示を備えた「タグ・ホイヤー モナコ スピード12」も登場しました。
自動巻き(パワーリザーブ約80時間の自社製キャリバーTH20-11搭載)、ケース径39×39mm、グレード5チタンケース、パンチング加工レザーストラップ、100m防水。
3.
TAG HEUER AQUARACER/タグ・ホイヤー アクアレーサー
多彩なモデル展開が魅力の定番ダイバーズ
タグ・ホイヤーの防水時計のルーツは1895年の懐中時計の時代に遡りますが、現代ダイバーズウォッチの定番「タグ・ホイヤー アクアレーサー」の直接のルーツは1982年に登場した「シリーズ 2000」というダイバーズウォッチ。逆回転防止ベゼル、ねじ込み式リューズによる高い防水性能など、本格ダイビングウォッチとしての実用性を備えていました。そして「アクアレーサー」という名前が付けられたのは2004年。2005年から「タグ・ホイヤー アクアレーサー」というコレクション名で展開されてきました。
デザイン上の最大の特徴が、12角形の逆回転防止機能付きベゼル。しかも比較的薄型で、日常でも使いやすいのも魅力です。さらにモデルバリエーションの充実もタグ・ホイヤー アクアレーサーの特徴。ケース径も27mmから43mmまで、防水性も100m防水から1,000m防水まで、ムーブメントも機械式からクォーツ式、「ソーラーグラフ」という名前の電池交換不要なソーラークォーツ式まで。さらに文字盤のインデックスにダイヤモンド、ベゼルにゴールド素材を使ったプレミアムモデルも展開し、ダイバーズウォッチとしてはもちろんのこと、スポーティなドレスウォッチとしても、女性から男性まで幅広い層に支持されています。
ソーラーグラフ(光発電クォーツ式ムーブメントTH50-00搭載)、ケース径40mm、グレード2チタンケース&ブレスレット、200m防水。
4.
TAG HEUER FORMULA 1/タグ・ホイヤー フォーミュラ1
カラフルでカジュアルなスポーツウォッチ
「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」は、クロノグラフの名門として名声を誇ったものの、経済的に苦境に陥った「ホイヤー社」が、1985年に航空・モータースポーツ分野の大企業である「TAG(テクノロジー・ダヴァンギャルド)」グループに買収され、現在の「タグ・ホイヤー」になって、その翌年の1986年に登場した同社で最初のウォッチコレクションです。
初代の「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」は、それまでのスイス高級時計の常識を覆すアヴァンギャルドな時計でした。カラフルな樹脂(グラスファイバー)素材のケースとストラップにクォーツ式のムーブメントを搭載し、レッド、ブルー、ピンク、イエローなどのポップな色使い。しかも手頃な価格で“頑丈で最高にファッショナブルなスイス時計”として世界中で大ヒット。日本でもF1の世界で当時最強を誇った「マクラーレン・ホンダ」をスポンサードしていたこともあり、そのドライバーだったアイルトン・セナ氏とともに圧倒的な人気を獲得。そして2000年にいったん製品ラインアップから姿を消し、2004年にステンレス、チタン、セラミックなど高級素材を使ったスポーツウォッチコレクションとして復活します。
そして2025年、タグ・ホイヤーが22年ぶりにF1の公式タイムキーパーに復帰した記念すべき年に、初代のアイデンティティだった「ポップでカラフルな樹脂ケース」によるカジュアルな魅力を、タグ・ホイヤー独自の樹脂素材「TH-ポリライト」とラバーストラップソーラークォーツ式ムーブメント「ソーラーグラフ」で再現・進化させた「タグ・ホイヤー フォーミュラ1 ソーラーグラフ」が登場。今年2026年5月には、パステルグリーンやラベンダーブルーなどのパステルカラーケース&ダイヤモンドインデックスの新作が追加され、タグ・ホイヤーでもっともカジュアルで身近なコレクションとして見逃せない存在です。
ソーラーグラフ(光発電クォーツ式ムーブメントTH50-00搭載)、ケース径38mm、SSケース&ブレスレット、TH-ポリライトベゼル、100m防水。
5.
TAG HEUER CONNECTED/タグ・ホイヤー コネクテッド
Google Wear OS搭載のプレミアムなスマートウォッチ
伝統的な時計技術に加えて、最先端のデジタル技術での製品づくりにも取り組む。先進技術への挑戦を忘れない「タグ・ホイヤー」らしい、2015年にスタートしたGoogle Wear OSベース「タグ・ホイヤー OS」のスマートウォッチ・コレクション。電子機器メーカーとは一線を画した、高級時計ブランドらしい上質な素材・仕上げとタグ・ホイヤーらしいデザインが魅力です。
最新の第5世代「タグ・ホイヤー コネクテッド キャリバーE5」モデルは、45mmあるいは40mmのSSケース、チタン製ケースに、クアルコム社の最新のスマートウォッチ用チップセット「Snapdragon Wear(TM) 5100+」を搭載。心拍センサー、GPSセンサー、加速度センサーによるヘルスケア・スポーツ計測機能に加え、NFC(非接触式の電子マネー)決済機能(対応予定)も搭載して、デイリーライフを全面的にサポート。スマートウォッチにとってもっとも重要なスペックのひとつ、バッテリーライフも45mmでフル稼働約2日(省電力最大3日)、40mmで約1.5日(省電力最大2日)を実現しています。
またベーシックモデルに加えて、モータースポーツやゴルフなど、特定のスポーツに関わる機能を充実させたスペシャルエディションが用意されているのもコレクションの特徴。たとえば、フォーミュラ1 アソシエーションとコラボした「フォーミュラ1 エディション」では、次のグランプリ(TM)の開催地となるサーキットに着想を得た24の特別なレーストラックのウォッチフェイスを搭載。シーズンを通して常にアップデートされ、レースウィークエンドの全ステージをビジュアルで知ることができます。またブラックのセラミック製ベゼルにはF1グランプリの全セッションが刻印されていて、6時位置にはF1(R)のロゴが赤く輝きます。
iOS 18以上/Android(TM) 13以上対応のスマートウォッチ、ケース径40mm、SSケース&ブレスレット(別売りラバーストラップにクイック交換可能)、390×390ピクセル(326dpi)の1.2インチOLEDディスプレイ搭載、50m水泳対応防水。
タグ・ホイヤー 主要コレクション
2026年7月時点の情報に基づく主要5コレクションの特徴まとめ
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| コレクション | 誕生のきっかけ、歴史 | 主な特徴 | 2026年のトピックは? |
|---|---|---|---|
| カレラ | 1963年、伝説の過酷な公道レース「カレラ・パンアメリカーナ」に着想を得た、モータースポーツ好きのためのスポーツウォッチ。 | シンプルな3針やクロノグラフ、さらにトゥールビヨン・クロノグラフまで多彩なモデルを展開。レーシングスピリットあふれるが、フォーマルにも合う上品さもある。 | 視認性を追求した「グラスボックス デザイン」モデル(パワーリザーブ約80時間の自社製の機械式ムーブメントTH20-01を搭載)。また、カレラ初のスプリットセコンド機能モデルも要注目。 |
| モナコ | 1969年、タグ・ホイヤー初の自動巻きクロノグラフのひとつとして、また史上初の防水角型ケースを採用したスポーツウォッチコレクション。 | 角型ケース×左側リューズという、ひと目でわかる斬新なデザイン。スティーブ・マックイーン主演『栄光のル・マン』で使用され、彼が個人的にも愛用したエピソードも。 | 定番のクロノグラフモデルを、人間工学に基づき再設計されたチタンケースと自社製ムーブメントでリニューアル。さらに革新的なクロノグラフ機構を搭載した「モナコ エバーグラフ」も登場。 |
| アクアレーサー | 1980年代にデビューした、ダイバーズウォッチの世界的な定番。高いコストパフォーマンスが魅力で、レディースモデルも充実。 | 逆回転防止ベゼル、ねじ込み式リューズなど、本格的なダイビング機能を搭載。1,000m防水のプロダイバーズから日常使いに最適な100〜300m防水モデルまで展開。 | 電池交換の手間がなく精度も高いソーラー駆動のクォーツモデル「ソーラーグラフ」が、女性向けのケース径27mmサイズと、男性向けの43mmサイズで登場。どちらも10分の受光で40時間、フル充電で最大10カ月動きつづける。 |
| フォーミュラ1 | 1980年代、F1をイメージして誕生。日本のF1ブームの象徴にもなった、カラフルでカジュアルなテイストのスポーツウォッチ。 | 独自の樹脂素材ケースモデルからSSケースモデルまで、モデルバリエーションが豊富。さらに「ソーラーグラフ」ムーブメント搭載でアクセスしやすい価格を実現。 | シャープな色使いの定番モデルに加えて、パステルグリーンやラベンダーブルーなどパステルカラーのモデルも登場。女性にもぴったり。 |
| コネクテッド | 2015年に登場したプレミアムなスマートウォッチ・コレクション。 | 高級時計ブランドらしい素材・仕上げと、スマートウォッチとしての機能性を両立。 | ムーブメントが心拍計やGPSセンサー、NFC決済機能(対応予定)を備えた第5世代「キャリバーE5」に進化。 |