TS CUBIC SHOPPINGりんご専業農家から届く、もぎたての逸品
Text:Fumihiro Tomonaga
Edit:Yasumasa Akashi(pad inc.)
秋が深まる季節には、店先に並ぶ真っ赤なりんごに、つい目を奪われてしまう方も多いのではないでしょうか。一口かじった瞬間に広がる甘酸っぱい香りとみずみずしさ。その味わいは季節の移り変わりを味覚で実感させてくれます。りんご専業農家・ユートリーファームでは100年以上にわたり、美しくて美味しいりんごが大切に育てられています。
美味しいだけではない、りんごの栄養
「一日一個のりんごは医者を遠ざける」。よく耳にするこのフレーズは、実はイギリス・ウェールズ地方のことわざ“An apple a day keeps the doctor away.”に由来しています。りんごは、ビタミンCやカリウムに加え食物繊維が豊富で、腹持ちがよく間食にも好適。さらに、老化防止や生活習慣病予防に効果が期待されるポリフェノールの一種が皮の部分に多く含まれることから、よく洗って皮ごと頂くのがおすすめです。
このことわざのように、栄養豊かで習慣的に食べれば健康でいられるというりんごは、世界には1万種以上、日本だけでも約2,000種があり、今も品種は増えつづけているのだとか。おかげで毎日食べても飽きないほど、香り・甘味・酸味・食感など、品種ごとにさまざまな個性が揃っています。
好みの一玉に出合うために
上質なりんごは、持つとずっしり重く、皮にハリとつやがあります。ただし、大きすぎると劣化が早まりやすいことが多いため、中玉程度を選ぶのがコツ。頭頂部の窪みが深ければ生育良好で、お尻の部分までしっかり色づいていれば、地面にシートを敷いて太陽の反射で着色を促すなど、細やかに育てられた証です。また、表面に生じた“いぼり”と呼ばれる微妙な凹凸は、水分を豊富に含んでいる目安になるとされています。
そして購入後は、冷蔵庫での保存が基本。新聞紙で包んでからビニール袋に入れ、密封しすぎないのが理想です。りんごは追熟しない作物なので、早めに頂くのが一番。こうした“トリビア”を知っておけば、とっておきの一玉を手にする機会も多くなるでしょう。
青森・浪岡の恵みが育む、ユートリーファームのりんご
ユートリーファームは、青森県青森市でりんごづくりを営む専業農家です。「あなた(You)」と「木(Tree)」を組み合わせた屋号には、りんごを手に取ってくれる方々への感謝とご縁を大切にしたい、という思いが込められています。園のある浪岡地区は寒暖差が大きく、甘みだけでなく、適度な酸を含むりんごが育つ土地。その酸味を活かす一方、甘みをじっくりと蓄えさせ、甘酸のバランスに優れたりんごづくりに定評があります。
同園がもっとも大切にしているのが、土壌づくり。独自に配合した動物性の純国産有機肥料のみを使用し、除草剤は一切使いません。適宜、堆肥を幹の周りに与え、木の水分を調節。防除も必要最低限にとどめ、病害虫からりんごを守りながら、作物にも人にも優しい栽培を貫いています。効率を追わず、自然の力を信じる。そんな地道な積み重ねが、ユートリーファームの大地を守り、作物の味を支えているのです。
もちろん、栽培にも労力を惜しみません。花が咲けば余分な花を摘む摘花に始まり、実をつけてからの摘果、日当たりを整える枝の剪定や葉摘み、反射シートの敷設、色づきを均一にする玉まわし・・・収穫を迎えるその日まで、気の抜けない日々が続きます。「食べてくれる方が笑顔になる。スタッフも笑顔でりんごづくりができる」。その思いを胸に丁寧に育てられたりんごは、青森・岩手・長野などの生産者による2019年のサンふじの品評会(この年を最後に現在は休止中)でベスト4に輝くなど、品質が高く評価されています。
「サンふじ」と「葉とらずサンふじ」の贅沢な違い
収穫時期の異なる、多様なりんごを栽培しているユートリーファーム。9月はトキ、10月はシナノスイート、11月には王林・・・そして冬、いよいよ看板品種ともいえるサンふじの収穫本番を迎えます。
「ふじ」は1962年に命名・品種登録された、今や日本を代表する晩生種。晩生種とは、種まきや植え付けから収穫(成熟)までの期間がもっとも長い品種のことで、その「ふじ」の中でも、袋をかけず、よりじっくり時間をかけて育てたものを「サンふじ」と呼びます。太陽の光を存分に浴びて育つため糖度が増し、蜜も入りやすいのが特長。シャキシャキとした歯応えと、あふれるジューシーさは、まさに“りんごの王様”と呼ぶにふさわしい品格が漂います。
さらに、より芳醇な一玉を求めるなら、ぜひ試していただきたいのが「葉とらずサンふじ」。通常は日当たりを考慮して収穫前に葉摘みを行いますが、あえて葉を残したまま栽培。収穫時期を遅らせ、葉が光合成を続けることで、栄養と甘みが果実にしっかり蓄えられるのです。実の表面に葉の影が色ムラとして残ることもありますが、それこそが“葉とらず”の証。一口かじれば、蜜をはっきりと感じる濃厚なうまみに出合えることでしょう。
同じ「ふじ」でも、育て方でこうも表情が変わるのかと、驚かれる方も多いかもしれません。すっきりとした甘さや歯応え、見た目の美しさを重んじたり、贈答用に選ぶなら「サンふじ」。より濃厚な甘みとコクを求めるなら「葉とらずサンふじ」と、気分やシーンに合わせて選ぶのもいいでしょう。
りんごは皮ごとスライスしてそのまま味わうほか、コンポートや焼きりんご、アップルパイにしても、りんご本来の甘酸っぱさが引き立ちます。あるいは細かくカットしてサラダに加えたりと、いろいろな食べ方を試しながら、自分好みの一玉の楽しみ方を見つけてください。
一滴に果実の恵みを凝縮したりんごジュースも
「いつでも、手軽にりんごの味わいを楽しみたい」という方には、ジュースも見逃せません。ユートリーファームでは、3品種をブレンドした無添加のりんごジュースを展開。手塩にかけて育てたりんごを一つひとつ丁寧に搾り、素材そのものがもつ甘みと酸味のバランスを活かした、すっきりとした後味に仕上げています。品種それぞれの個性が互いを引き立て合い、生とはまた違った奥行きのある風味を楽しめます。
そのまま冷やして飲むほかに、炭酸で割って爽やかに、あるいは温めてホットにすれば、肌寒くなるこれからの季節にもよく合います。朝食時の一杯や、来客時のおもてなしドリンクとしても重宝しますし、まとめて用意しておけば、いざというときの手軽な贈り物としてもきっと喜ばれるはずです。
土に向き合い、りんごの木と対話するように育てられたユートリーファームの果実たち。精魂込めてじっくりと育まれたその味を口にすれば、青森の澄んだ空気や実り豊かな大地の風景まで浮かんでくるようです。この秋は、産地から届く“本物”の果実を食卓に迎えてみてはいかがでしょうか。一玉に、そして一杯のジュースに込められた丹精を、ぜひご家族そろって味わってみてください。