“涼しい夏”を求めてこの夏行きたい“空へ向かう旅”ロープウェイで涼を手に入れる
真夏のドライブでは、目的地に着く前から暑さとの戦いになりがちです。そんな季節だからこそ惹かれるのが、標高の高い場所へ向かう旅。クルマで山麓まで走り、そこからロープウェイやゴンドラで一気に空へ。わずかな時間で気温も景色も変わり、地上とは別世界のような涼しさに包まれます。
今回は、クルマでアクセスしやすく、“空へ向かう体験”そのものを楽しめる3つのスポットを厳選。絶景だけではなく、その先にある過ごし方まで含めて、この夏の上質なドライブ旅を提案します。
Text:Reico Watanabe
Edit:Yasumasa Akashi (pad inc.)
群馬県・谷川岳ヨッホ by 星野リゾート
渓谷の静けさと涼を味わう、王道の避暑地
関越自動車道・水上I.C.から約25分。渓谷沿いを走る道は、都心から離れるにつれ、窓から入る風まで少しずつ涼しさを帯びていきます。2024年12月より「谷川岳ヨッホ by 星野リゾート」として新たなスタートを切ったこの場所のコンセプトは、“360度天空公園”。ロープウェイとリフトを乗り継ぎながら、標高1,500メートルの別天地へと向かいます。
最大22人乗りのゴンドラに揺られながら、眼下に広がる山並みを眺める約15分間は、まさに“空へ向かう旅”そのもの。標高1,319メートルの「天神平駅」からは、レトロな観光用リフトで天神峠展望台へ。足元には高山植物が咲き、夏にはニッコウキスゲが鮮やかに彩ります。
展望台に立てば、谷川岳をはじめとする2,000メートル級の山々が360度に広がり、思わず深呼吸したくなるような景色に包まれます。天神平エリアには、「虹さんぽロード」と名付けられた散策路も整備。スニーカーでも気軽に歩ける“天空の散歩道”には、「よりみちブランコ」や「風のハンモック」など、自然を感じながらひと休みできるスポットが点在しています。眼前に広がる絶景とともに過ごす時間は、まさに山岳リゾートならではの贅沢です。
立ち寄りスポット|一ノ倉沢サイクリング
時間に余裕があれば、日本三大岩場のひとつ「一ノ倉沢」へ。谷川岳ヨッホ内にある「ベースプラザ」から電動アシスト付きレンタサイクルを利用すれば、渓谷沿いの爽快なサイクリングを気軽に楽しめます。切り立つ岩壁を間近に望む景色は迫力満点。谷川岳エリアならではの雄大な自然を体感できます。
谷川岳ヨッホ by 星野リゾート
住所:群馬県利根郡みなかみ町湯檜曽湯吹山国有林
アクセス:関越自動車道・水上I.C.から約25分
駐車場:あり ※季節・駐車場によって料金に変動あり
営業時間:施設・季節によって変動あり
公式WEBサイト:https://tanigawadake-joch.com/
写真提供:谷川岳ヨッホ by 星野リゾート
岐阜県・新穂高ロープウェイ
標高2,000メートル超、日本屈指の山岳スケール
中部縦貫自動車道・高山I.C.から奥飛騨方面へ。山々の稜線を眺めながら進む道は、それだけで旅情を感じさせる山岳ドライブです。
新穂高ロープウェイ最大の特徴は、日本唯一の2階建てゴンドラ。第1・第2ロープウェイを乗り継ぎながら標高2,156メートルの「西穂高口駅」へ向かう約25分の間には、窓の向こうに槍ヶ岳や西穂高岳、笠ヶ岳など北アルプスの名峰が次々と姿を現します。
ロープウェイの乗換駅にも楽しみどころ満載。第1ロープウェイの終着駅「鍋平高原駅」には、全長2.3キロメートルの自然散策路も整備。森林に包まれた静かな道を歩きながら、北アルプスの自然をゆっくりと体感できます。第2ロープウェイの出発駅「しらかば平駅」には、人気の「アルプスのパン屋さん」。名物のクロワッサンをはじめ、「ゴンドラ食パン」や「朴葉みそパン」など、山旅気分を盛り上げるオリジナルパンが並びます。開放的なビューラウンジで、雄大な景色を眺めながら味わう時間もまた格別です。
山頂に降り立つと、そこは山麓の「新穂高温泉駅」より気温が6~10度ほど低い、真夏でも涼風が吹き抜ける“雲上の避暑地”。澄みきった空気、眼前にそびえる穂高連峰、足元に広がる深い谷、そしてどこまでも続く空。世界的な旅行ガイド『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』で二つ星に選ばれた景色は、思わず息をのむほどの美しさです。
2025年にリニューアルされた展望エリア「AlpScape(アルプスケープ)」から見渡すのは360度の大パノラマ。ウッドデッキやベンチが整備され、雄大な景色をより開放的に楽しめる空間へと生まれ変わりました。何をするでもなく、ただ山を眺めているだけで満たされる。そんな贅沢な時間が流れています。
ロープウェイの魅力は、絶景だけではありません。「西穂高口駅」2階の「CAFÉ GOKAN」では、“頂”の文字をかたどった米粉チュロスや、濃厚なミルクの甘みが広がる「頂ソフト」、雲海をイメージした「雲海ココア」など、思わず写真を撮りたくなるメニューも充実。絶景とともに味わうご当地グルメは、旅の記憶をより特別なものにしてくれます。
立ち寄りスポット|飛騨大鍾乳洞
下山後はクルマで約1時間の飛騨大鍾乳洞へ。年間をとおして冷涼な空気に包まれた洞窟内では、また違った“涼”を体感できます。幻想的な鍾乳石が連なる空間は、北アルプスの雄大な景色とは対照的な、静かな自然美を感じさせてくれます。
新穂高ロープウェイ
住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷新穂高温泉
アクセス:中部縦貫自動車道・高山I.C.から約70分
駐車場:あり ※駐車場によって料金に変動あり
営業時間:季節によって変動あり
公式WEBサイト:https://shinhotaka-ropeway.jp/
写真提供:新穂高ロープウェイ
滋賀県・びわ湖バレイ
琵琶湖を望むテラスで、開放と余白を味わう
名神高速道路・京都東I.C.から約40分。市街地からアクセスしやすい距離にありながら、ロープウェイで標高約1,100メートルまで上がると、そこには一気に視界が開ける別世界が待っています。
びわ湖バレイ「山麓駅」からロープウェイに揺られること約5分。窓の外に少しずつ琵琶湖が広がっていく時間は、まるで空へ浮かび上がっていくよう。山頂駅を降りると、眼前には雄大な湖を望む「びわ湖テラス」が広がります。
水盤とウッドデッキが美しい「Grand Terrace」、北湖を一望する「North Terrace」など、それぞれ異なる視点で琵琶湖を眺められる空間が広がっています。ソファやチェアに身を預け、湖を渡る風を感じながら過ごす時間は格別。絶景を“見る”というより、その景色の中に身を置く感覚に近いかもしれません。
また、併設の「Terrace Café」や「Café Stand at Grand Terrace」では、明るい光が差し込むウッディな空間でカフェタイムを。ジェラートや人気のカレーパンなど、景色とともに味わいたいメニューも充実しています。
さらに、有料エリア「Infinity Lounge」では、湖面と水盤が一体化した“青の世界”をイメージした特別な空間も。オーダーメイドのソファ席で、シャンパンを片手に絶景を眺める時間は、まさに大人のための高原リゾートです。
時間に余裕があれば、2本のリフトを乗り継ぎ、標高1,174メートルの蓬莱山山頂にある「Café 360」へ。琵琶湖だけでなく、京都や大阪の街並み、日本海側の山々まで見渡せる圧巻のパノラマが広がります。天候条件がよければ、遠く南アルプスまで望めることもあるそうです。
“どこへ行くか”だけではなく、“どう過ごすか”を楽しみたくなる。びわ湖バレイは、そんな余白のある時間を与えてくれる場所です。
立ち寄りスポット|白鬚神社
下山後は、琵琶湖畔を巡るドライブへ。湖中に鳥居が浮かぶことで知られる白鬚神社では、水辺ならではの穏やかな景色に出合えます。山の涼から湖の静けさへ。その移ろいもまた、この旅の醍醐味です。
びわ湖バレイ
住所:滋賀県大津市木戸1485-2(旧・JA給油所/ナビ設定推奨地点)
アクセス:名神高速道路・京都東I.C.から約40分
駐車場:あり|平日1,000円、土日祝・GW期間等の特定日2,000円(乗用車)
※駐車場料金の支払いは現金のみ。
公式WEBサイト:
びわ湖バレイ:https://www.biwako-valley.com/green/
びわ湖テラス:https://www.biwako-valley.com/tips/biwako_terrace/index.html
写真提供:びわ湖バレイ/びわ湖高島観光協会
クルマで走り、ロープウェイで空へ向かう。すると、気温だけでなく、時間の流れまで変わっていくように感じられます。谷川岳の静寂、新穂高のスケール感、びわ湖テラスの余白。それぞれに異なる魅力がありますが、共通しているのは、日常から少し距離を置けること。この夏は、“涼を求める旅”へでかけてみましょう。