C+pod on Release都会の暮らしに寄り添う超小型BEV「C+pod」 Text: Daisuke Katsumura

2022.04.15

昨年末に一部の企業や自治体などに向けて発売された超小型モビリティC+podが、ついに一般向けに販売を開始しました。驚くほどコンパクトなボディは、狭い道が多い街中での移動に最適な新しい移動手段として期待されています。気になる詳細を見ていきましょう。

超小型モビリティに分類される理由とは？

2020年に発表されたC+pod（シーポッド）は、軽自動車の中でも超小型モビリティというカテゴリーに属し、大人2人が移動可能な四輪BEV車です。超小型モビリティの最高速度は60km/hに制限され、高速道路や自動車専用道路を走ることはできません。むしろ最小回転半径3.9mというコンパクトで小回りの効くボディは、狭小な道路が多い街中での近距離移動に最適といえるでしょう。

全長2490mm、全幅1290mmと軽自動車よりかなり小さいボディは、車両重量670kg（Xグレード）と超軽量です。人の移動における、1人あたりのエネルギー効率を追求し、必要最低限のバッテリーと軽量なボディを組み合わせて効率の良い走行を実現しているため、BEVの中でも特に環境に優しい移動手段であることも見逃せません。一般的な100Vのコンセントを使っても16時間でバッテリーを満充電でき、航続可能は150kmを実現。1kmあたりの移動に必要な電力容量、いわゆる電費は54Wh/kmです。一般的なコンパクトBEVが120Wh/km前後、外国製の大型BEVが200Wh/kmオーバーであることを考えると、C+podがいかに高効率であることがわかると思います。

大人二人と荷物を搭載可能

軽量な車両を実現するため、豊富な装備がなんでも備わっているわけではありません。実はオーディオすら備わっていませんが、車両や歩行者、自転車運転者を検知可能なプリクラッシュセーフティや運転席＆助手席エアバッグといった安全標準はしっかりと標準で装備され、日常生活での安全な走行をサポートします。操作は一般的な自動車と変わりません。シフトボタンやエアコンの操作スイッチなどはすべてセンターコンソールに集中配置されており、操作も簡単です。

乗車定員2名という必要最低限のスペースとなる車内ですが、左右のシートはリクライニングと前後のスライドが可能で、大柄な人でも無理なく乗車できます。シートにはヒーターが装備され、エアコン吹き出し口も乗員に向けて効率よく冷風を吹き出すことで、少ない消費電力で乗員に快適な環境を提供します。

充電はコンセントに繋ぐだけ翌日には満充電に

充電はフロントエンブレムの中にある充電ポートから行います。急速充電には対応しておらず車両に付属の充電ケーブルで充電しますが、一般的な充電設備（AC200V）の場合、約5時間で満充電が可能です。またオプションのアダプターを使用することで一般家庭にあるAC100での充電にも対応しており、その場合でも約16時間で満充電が可能。つまり出先に充電設備がなくても、100Vコンセントがあれば、一晩である程度の充電ができてしまうのです。

一方で助手席足元にはアクセサリーコンセント（AC100V/1500W）を設け、バッテリーに蓄えた電力を「走る」以外に使用が可能です。またオプションのヴィークルパワーコネクターを使用することで、フロントにある充電ポートから外部に電源を取り出すことができます。これによって万が一の停電や災害時に合計1500Wまでの電気製品を使用することができます。

いよいよ個人向けの販売もスタート

そんなC+pod、2020年12月の発表当初は、一部の法人や自治体向けのみの販売となっており、個人でこのクルマを入手することは不可能でした。ところが2021年12月よりすべての法人や自治体、さらに個人ユーザーへの販売も開始しました。ただし全車リースによる契約となります。これは車両を確実に回収し搭載電池のリサイクルを推進することで、カーボンニュートラルなモビリティ社会の実現を目指しているためです。

個人への販売が開始されたことで、一部のトヨタ販売店や、トヨタレンタリース店での取り扱いを開始。月々の支払料金はお住まいの自治体やグレードによっても異なるそうなので、お近くの販売店などにお問い合わせください。