気になるトヨタ車ハイエースが普段使いもイケる納得のワケ 文/佐々木 亘、写真/トヨタ自動車
究極の仕事車であるハイエースは日夜、我々の生活を支えてくれる仕事人の頼れる相棒だ。だが最近ではハイエースの広大なスペースと堅牢さから、家族用のミニバンとして使う人も増えてきている。そこで今回はハイエースを家族用で使う方法をお教えしよう。
■乗車人数が3名を超えるなら迷わずスーパーGLを選ぶべき
そもそもハイエースは「物」や「道具」をたくさん運ぶためのクルマだ。普段よく見かける職人のクルマは「ハイエースバン」という。この他にも人をたくさん乗せるためのハイエースが存在して、ハイエースワゴンとハイエースコミューターがあるのだ。
ワゴンは10名乗車、コミューターは14名乗車が基本形なので、大家族の親子3世代同居などでもない限りは、選ぶ必要は無い。
今回の話は、ハイエースバンをファミリーユースにする前提で進めていく。まず、乗車人数が3名を超える場合や、チャイルドシートの装着が必須という人は、迷わずスーパーGLを選んでほしい。標準ボディの2.0Lガソリンで十分だ。車両本体価格は315万5700円からとなる。
ファミリーカーとして、ハイエースバンを選ぶ場合、ほとんどのケースがスーパーGLに落ち着く。他のハイエースバンと違い、リアシートにヘッドレストがあり、リクライニングと前後スライドができるためだ。
他のグレードではリクライニング・スライド無し、ヘッドレストすらない直角ベンチシートに家族を乗せることになる。ほぼ確実に「私たちはモノですか?」と、怒気の混じった声で、詰められてしまうことだろう。
■価格が魅力のデラックスも捨てがたい
後席の形状にやや難があるものの、価格に大きな魅力を持っているのがデラックスグレードだ。2列シート6人乗りの5ドアで、255万円(2.0Lガソリン)となる。スーパーGLとは50万円以上の価格差があるのは見逃せない。夫婦2名で使うという場合は、デラックスでもいいだろう。
前席シートはヘッドレストが取り外せず、助手席側はスライドしないが、シートの体裁は保っている。また、リアシートに手を加えるという前提で、デラックスを選ぶのも悪くは無い。ハイエースならではの、カスタム大作戦だ。
カスタムは無数にあるが、定番なのはリアシートをそのままにして、ヘッドレスト部分を付け加えるというもの。さらにスーパーGLのリアシートを、デラックスに乗せるという方法もあることにはある。費用としては10万円程度だ。
リアシートカスタムをする場合、必ずデラックスの6人乗りを選択してほしい。3人乗りを選択すると、リアシート取り付けと同時に構造変更が必要となり、さらに10~30万円ほどの費用が掛かるからだ(構造変更するくらいなら、素直にスーパーGLを買った方が良い)。
■ハイエースライフの醍醐味を得るならスーパーGLよりもデラックスがおススメ!
買ってそのまま乗りたいというなら、スーパーGLで快適なハイエースライフを送ってほしい。しかし、あえてハイエースを選ぶのならば、デラックスを選択して、コツコツ自分好みにカスタムしていくのも悪くないと思うのだ。
シートの問題を解決するだけなら、スーパーGLよりもデラックス+シートカスタムの方が安く仕上がる。余ったお金で、さらに快適装備を増やすのもいいだろう。
スーパーGLは全て揃っているが、少し割高。ハイエースの醍醐味も少し薄れているような。エネルギッシュにクルマへ時間をかけられる人なら、ベストバイはハイエースのバンDXだ。
無限の可能性があるハイエースを、自分と家族好みの1台に作り上げてほしい。