ACADEMIE DU VINワイン選びに使える!ワインの当たり年・グレートヴィンテージ(Great Vintage)とは
ワインの当たり年とは何なのか。なんとなくは分かっていてもきちんと理解していない方もいらっしゃるかもしれません。そこで、ここではワインの当たり年について以下の目次で説明していきます。
【目次】
- ワインの当たり年「グレートヴィンテージ(Great Vintage)」とは
- オフヴィンテージ(Off Vintage)のワインはおいしくないわけではない
- 記念の年がオフヴィンテージ(Off Vintage)なら異なる産地のワインを見る
これを参考にして、ワインに関する知識を増やしていきましょう。
ワインの当たり年「グレートヴィンテージ(Great Vintage)」とは
ヴィンテージと聞くと、古いとか、年代物といったイメージが強いかもしれませんが、ワイン業界では、ワインの原料になるブドウが収穫された年のことを指します。
ブドウの良し悪しは毎年異なりますから、いわゆる当たり年となったり、そうでない年となったりします。
ワインの当たり年「グレートヴィンテージ(Great Vintage)」とは、完熟したブドウが収穫できた素晴らしい年のことです。
反対にブドウが完熟しなかった年のことを「オフヴィンテージ(Off Vintage)」と呼んでいます。
ワインの当たり年「グレートヴィンテージ」の概要を以下の項目に沿って解説します。
では、順に解説します。
ブドウは完熟していたほうがいい?グレートヴィンテージ(Great Vintage)の特徴
完熟したブドウにはタンニン(渋味成分)が多く含まれます。
タンニンには酸化による劣化を防ぐ効果がありますので、ワインの寿命を長く保ち、長期熟成を可能にするのです。
タンニンの多い、つまり渋味成分の多いワインは熟成によって、その渋さがまろやかで深い味わいに変化していきます。
グレートヴィンテージのワインにはこうした魅力がある一方で、熟成までに時間がかかるという特徴があります。
熟成を待たずに飲むと渋味成分を強く感じるでしょう。
また、価格については同じ銘柄であってもグレートヴィンテージのワインはそれ以外の年のものと比べると高価になります。
グレートヴィンテージ(Great Vintage)となるのに必要な2つのこと
グレートヴィンテージになるためには、以下の2つが大切な条件となるのです。
<グレートヴィンテージ(Great Vintage)の成立条件>
①日照時間が長いこと
②ブドウの成熟期~収穫期に雨が少なく晴れた日が多いこと
日照時間が長ければ、その分光合成の時間が長くなり、ブドウが熟しやすくなります。
また、ブドウの成熟期から収穫期に雨が多く降ってしまうとブドウが完熟しにくくなります。
この2つを満たした年は、グレートヴィンテージになる可能性が高くなるというわけです。
ワインの当たり年「グレートヴィンテージ」っていつ?
地域によって気候が変わりますし、ブドウの品種によって適切な気候は異なりますので、この年のワインはどれでも品質がよいとは言えません。
しかし、どの年のどのワインがグレートヴィンテージなのか知りたい方も多くいます。
そこで、ワインが造られた国と地域別に、年度ごとのワインの良し悪しを評価したヴィンテージチャートというものがあります。
下の図がヴィンテージチャートの例です。
このチャートはメーカーなどが独自に作成したものですので、それぞれのチャートには少しの違いはあります。
ちなみに、フランスのボルドー地方は1989年/1990年/1998年/2000年/2005年/2009年/2010年/2015年がグレートヴィンテージだと言われています。
特に1990年と2010年は、ほかの年に比べてフランス全土で長期熟成向きのワイン造りに適したブドウが収穫できたようです。
オフヴィンテージ(Off Vintage)のワインはおいしくないわけではない
グレートヴィンテージのワインは長期熟成に向いたものであって、おいしいワインというわけではありません。
もちろん長期熟成した後は、重厚で味わい深いワインになるものも多くありますが、すべてがそうなるわけでもありません。
その一方で、オフヴィンテージのワインは長期熟成に向いていないだけで、おいしくないわけではないのです。
記念の年がオフヴィンテージ(Off Vintage)なら異なる産地のワインを見る
お子さんが生まれた年や結婚した年など、記念の年のワインを保管しておきたくなりませんか?
そう思ってワインを見ていると、ブドウが不作のことも……。
「オフヴィンテージは長期熟成に向いていないから保管は諦めるか」と感じた方、まだ諦めるのは早いです。
そんなときには、ほかの国のワインを見てください。
フランスのボルドー地方のブドウが不作でも、ブルゴーニュ地方やローヌ地方のワインは長期熟成に向いているワインができることもあります。
また、フランス以外にもイタリアやスペインを見るといったように国を変えてワインを探すのもよいでしょう。
そのほかにも、貴腐ワインを選ぶという方法もあります。
貴腐ワインというのはカビの力を借りて糖度を高くした甘口ワインのことです。
強い甘味はワインの寿命を長くする効果があり、数十年経って熟成してようやく飲み頃になるものもあります。
記念の年のワインとして保管しておきたいのなら貴腐ワインにするのもおすすめです。
まとめ
ここではワインの当たり年となるグレートヴィンテージについて説明してきました。
ワインの当たり年には、長期熟成に向いているワインが造れるということが分かりましたね。
長期保管をしたい、長期保管で熟成されたワインを飲みたいという方は、ワインに使われるブドウが収穫された年や地域にも注目してワイン選びをしてみてはいかがでしょうか。
ワインスクール『アカデミー・デュ・ヴァン』では、TS CUBIC CARD、レクサスカード会員さま限定で、厳選した良質なワインを特別価格で提供しています。ワインの基礎知識をテキストと動画で学べるセットもあるので、ぜひチェックしてみてください。