旅先でのフットワークを向上小径自転車「ミニベロ」が、ドライブ旅の可能性と楽しみを広げてくれる

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巷で人気の小径自転車「ミニベロ」。自転車が趣味の人もそうでない人も、ドライブ旅の際はクルマに積んでおくと、とても便利。行動範囲がぐんと広がると同時に、移動そのものも運動やアクティビティとなります。今回はその魅力に加えて、目的・予算に合わせた機種選びを、乗り物ジャーナリストの安室淳一さんが指南してくれます。今度の休みは「ミニベロ」を積んで、でかけてみませんか。

Text:Junichi Yasumuro
Edit:Shigekazu Ohno(lefthands)

扱いやすさと軽やかな走り
デザイン性の高さもミニベロの魅力

ミニベロは小型で軽量なことから、女性やシニアでも取り回しがしやすい。

昨今、自転車の世界で老若男女幅広い層に支持されているのが「ミニベロ」です。ちなみにミニベロとは小さなホイールを備えた自転車のことで、一般的には20インチ以下のものを指します。

人気の理由はさまざまですが、ひとつは“コンパクトで軽量なボディ”による扱いやすさにあります。収納スペースをとらないことも利点となっており、マンション住まいでも部屋置きという選択肢が加わります。

さらに“小さなホイール”は、走り出しの素早さと軽快な加速、そして優れた小回り性能につながり、体力に自信のない人でも乗りやすいというメリットを生み出しています。ストップ&ゴーの多い街乗りには、うってつけといえるでしょう。

デザインも、スポーティというよりおしゃれなイメージがあるので、カジュアルからきれいめなスタイルまで多様なファッションに対応します。豊富なデザインやカラーラインアップによって、自分ならではの個性を表現することも可能となっています。

おしゃれなカフェに乗りつけても様になる、スタイリッシュさも嬉しい。

軽快な走りと高い機動力を備えたミニベロは、街乗りのみならず旅行においても、そのポテンシャルをいかんなく発揮してくれます。コンパクトで軽量なボディはクルマに積むのもラクで、折り畳み式であれば、複数台を積み込むことも可能。旅先で乗れば、クルマを運転しているときよりも、街並みや自然をより間近に感じることができるはず。寄り道も気軽に楽しめるようになり、きっとこれまでよりも感性と好奇心を満たしてくれる旅になることでしょう。ちなみに折り畳み式ではないモデルをクルマに積む際は、ステムを固定しているボルトを六角レンチで緩め、ハンドルを折り曲げると、ぐっと積みやすくなります。

快適かつ効率的に移動することができ、旅をより充実させてくれる

トヨタ ヴィッツのトランクに積んだミニベロ。折り畳み式なら、リヤシートを倒すことなく積み込める。

ミニベロをクルマに積んででかけることで得られるメリットは、まだまだあります。例えば旅の目的地を観光地とした場合、往々にしてあるのが渋滞や駐車場探しの問題です。これは、はるばるでかけてきた観光地での楽しい時間の過ごし方とはいえません。けれどもミニベロがあれば、その日泊まる宿など、拠点となる駐車場を見つけさえすれば、そこからは行きたい場所を自分のペースで巡ることができるように。徒歩とは段違いの機動力の高さも、観光の味方となることでしょう。自転車を漕いで、程よくからだを動かすことによって、食事もより美味しく感じられるはずです。

日常使いはもちろん、クルマに積んでいけば旅先での小回りの利く足としても活躍してくれる。

日常では、駅や通勤先までの移動手段として、また旅先においてはお目当てのスポットを手軽に巡ることのできる便利な足としても役に立つミニベロ。手の届きやすい価格のものも多く、今ますます注目を集めるパーソナルモビリティとなっています。

ミニベロの選び方

ひと口に「ミニベロ」といっても、デザインやサイズのバリエーションは言うに及ばず、さらにさまざまな機能をあわせ持った種類があります。

例えば、普段使いでは街乗りがメインでフラットな道を走ることが多いという人は、変速段数を抑えたスタンダードなモデルで十分でしょう。旅先で、パートナーや家族と一緒にサイクリングを楽しんでみたいという人には、複数台を積むのに便利な折り畳み式がおすすめです。体力にあまり自信がないという人には、電動アシスト式という選択肢も。

イタリア・ベネリ社の電動アシスト付き折り畳み式ミニベロ。折り畳むと、驚くほどのコンパクトサイズになる。

またミニベロは、デザイン性に優れたものも数多くラインアップしているので、快適な移動を行う手段としてはもちろん、日常使いする“便利なファッションアイテム”として考え、自分らしい1台を選ぶというのもいいでしょう。購入の際には空気入れ、ライト、鍵、工具、メンテナンスグッズなども揃えておくと、その後の自転車ライフをよりスムーズに楽しむことができます。


落ち着いたデザインと
安定感のある走りで
カジュアルに使える1台

LOUIS GARNEAU
EASEL7.0-Q

日本でも知名度の高いルイガノのミニベロ「EASEL7.0-Q」。シックなピートカラー(写真)は、乗る人をおしゃれに演出してくれる。

ルイガノはカナダ生まれのスポーツ用品ブランド。自転車はキッズバイクからロードバイクまで幅広いラインアップを誇り、日本国内でも人気です。そんなルイガノブランドのミニベロシリーズが「イーゼル」で、3種類のモデルを展開しています。中でもスタンダードかつ20年以上のロングセラー商品となっているのが「EASEL7.0-Q」です。

特徴は、エレガントなフレームデザインと安定感のある走りを実現する20インチホイール、そして前後のホイールベースを長めに設定することで、小さいタイヤでも普通サイズのクロスバイクに匹敵する直進安定性と走りを実現しているところ。さらにヘッドチューブに直接キャリアやバスケットを装着すると、小径自転車にありがちなふらつきを抑えることができます。

落ち着いたデザインとしっかりとした走行性能、そして価格もリーズナブルであることで、カジュアルに自転車ライフを楽しむことができるモデルとなっています。

【スペック】

サイズ/適応身長(cm):370mm(145~160)、410mm(155~170)、450mm(165~185)
重量:12.5kg(410mm)
メインコンポーネント:SHIMANO TOURNEY(7 SPEED)
フレーム:6061 ALUMINUM
フロントフォーク:STEEL
ホイール:SHIMANO CS-HG200-7 12-28T 7SPD
タイヤ:KENDA K193 20"X1.5" E/V
カラー:LG PEARL WHITE、MATTE LG BLACK、PEAT、MATTE PLASTER BLUE
※MATTE LG BLACK、PEAT、MATTE PLASTER BLUEは370mmと410mmのみ。
価格:53,900円(税込み)
URL:https://www.louisgarneausports.com/easel7.0q.html?slide=2


シャープなルックスと
爽快な走りが魅力の
スポーティな折り畳みモデル

DAHON
Deftar

ダホンの折り畳み式ミニベロ「Deftar」。車両重量が10kgを切るという軽さもあって、クルマにもラクに積むことができる。

ダホンは米国カリフォルニア発の折り畳み自転車のブランドで、自転車好きの間では“世界でもっとも愛されている折り畳み自転車”として知られています。多彩なタイヤサイズとフレームデザイン、そして走りの異なる豊富なラインアップを揃えるブランドの中で、軽さとコストパフォーマンスのバランスに優れているのが「Defter」です。

シャープなデザインのフレームに、20インチでは最軽量クラスのホイールと軽量化されたクランク、そして軽量シートポストを備え、車両重量が10kgを切るボディを実現しています。その軽さがワンランク上の走りを叶え、街乗りや旅先、そしてツーリングにおいて、爽快なライドを楽しむことができます。

ノーマルで乗っても十分楽しめますが、カスタムへの拡張性が高く、自分好みの1台に仕上げる面白さもある車両です。

【スペック】

折り畳みサイズ(cm):W78×H65×D35
適応身長(cm):142~193
変速:8 Speed
フレーム:Dalloy Sonus Aluminum, Vice Grip technology
フロントフォーク:Alloy Straight Fork
ホイール:20inch(ETRTO 406)
タイヤ:Kenda K-1082, 20x1.35, F/V
車両重量:9.9kg
カラー:ブラック、ディープレッド、アッシュブルー
価格:124,300円(シマノパーツ仕様)、119,900円(マイクロシフトパーツ仕様)
※いずれも税込み価格
URL:https://shifta.jp/dahon/product/deftar


クラシカルな雰囲気と
パワフル&快適な走りで
スマートに使えるeバイク

BENELLI
mini Fold 16 Classic

本革シートを採用したクラシックかつ上質なデザインの、ベネリ「mini Fold 16 Classic」。電動アシスト式で折り畳み式という卓越した機能性を持つ。

ベネリはイタリア発のブランドで、元々は自動車やオートバイのスペアパーツを製造していましたが、その後オートバイ製造に着手。創立100周年を迎えた2011年に、電動アシスト自転車の発売を始めました。

モダンなデザインのモデルが多い中、本革のシートやレトロデザインのグリップを採用することでクラシックな雰囲気を演出し、スタイリッシュに仕上げられたのが「mini Fold 16 Classic」です。ホイールはコンパクトながらも走りのバランスも備えた16インチ。フロントにハブモーターを備え、eバイクらしいトルク感のある乗り味を楽しむことができます。

また、わずか3秒で折り畳むことを可能としたクイックトランスフォーメーション機構を搭載しているのもポイント。小径自転車が苦手とする坂道や高速巡行もモーターの力でサポートし、旅先も含めてさまざまなシーンで快適に使える1台となっています。

【スペック】

サイズ 全長×全幅(mm):1360×595
折りたたみサイズ 全長×全幅×全高(mm):930×520×610
適応身長(cm):155~
変速:単速
車両重量(バッテリーを含む):16.8kg
充電走行距離:最長80km(アシストレベルlow)、最長45km(アシストレベルhigh)
モーター出力:250W
バッテリー容量:5.2Ah
充電時間:約4~6時間
フレーム:ALUMINUM 6061
フロントフォーク:BENELLI ALUMINUM リジッドフォーク
タイヤ:KENDA K841 16×2.25
カラー:ロッソ・ビーノ、ビアンコ・ラッテ
価格:212,300円(税込み) ※バッテリー、充電器含む
URL:https://www.benellibike.jp/e-bikes_minifoldc.php


安室淳一/乗り物ジャーナリスト

モーターサイクルからクルマ、自転車、最新のEモビリティまで、さまざまな車両を年間100台以上試乗する乗り物ジャーナリスト。「BICYCLE NAVI」「NAVI CARS」(現在休刊)「Moto NAVI」「モノ・マガジン」「MonoMax」「Motorcyclist」などの雑誌を中心に幅広く活躍中。

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