Harmony 2015年9/10月号
日本ドライブ紀行 姫路〜有馬

姫路発 兵庫温泉ドライブ

文・内田和浩 写真・坂本道浩

平成の大修理を経て、約5年ぶりに壮麗な姿を見せる姫路城。歴史に思いを馳せたら、神戸では話題のシティホテルで優雅な滞在を。 きらめく夜景に心を奪われ、仕上げは山間の名湯で心から癒される、初秋の兵庫贅沢旅──。


アクセス
神戸空港から姫路市街まではクルマで約70分。JR「姫路駅」から姫路城までは約1km/約10分。姫路市街から神戸市街までは約60km/約60分。神戸市街から六甲ガーデンテラスまでは約17km/約35分。そこから有馬温泉までは約12km/約25分。
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平成の大修理を経て、約5年ぶりに壮麗な姿を見せる姫路城。歴史に思いを馳せたら、神戸では話題のシティホテルで優雅な滞在を。
きらめく夜景に心を奪われ、仕上げは山間の名湯で心から癒される、初秋の兵庫贅沢旅──。

Harmony 2015年9/10月号より

姫路城

生まれ変わった白亜の大天守へ

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まさに天空に飛び立たんとする白鷺のような美しさ。約50年ぶりの修理を終えた、姫路城大天守の輝くばかりの白壁が青空に映える。兵庫を旅するならば、姫路城を訪ねなくてはもったいない。なぜなら、真っ白に甦った壁や瓦は時間の経過とともにくすんでゆくからだ。いまがもっとも美しい姫路城を旅のスタートに選びたい。

広々とした三の丸から正面に聳える大天守を眺める。姫路城は、「西国将軍」と呼ばれた池田輝政が1609(慶長14)年に築いた城だ。当時、大坂城には豊臣秀吉の遺児秀頼がおり、徳川家康との決戦は避けられない情勢だった。家康の娘婿である池田輝政は、西国の大名たちが大坂城を救援するために東上してきた場合、これをくいとめるための鉄壁の城を築く必要があった。複雑に折れ曲がった城内の道、壁面に口を開けている鉄砲狭間(ざま)、弧を描く高い石垣など、いたるところに城を守る工夫が施されている。敵兵のつもりで城内を歩いてゆくと、あちこちから鉄砲を撃ちかけられ、生きて天守にたどり着けないだろうと実感できる。

天守内部は、400年前の空間がそのままに伝えられている。今度は城を守る側の気持ちになって、窓から鉄砲を撃つしぐさをしたりしてみた。最上階に登ると、四方を遥かに見渡せて爽快だ。

幸いにも姫路城は戦いにまきこまれることはなかった。もっとも強く、もっとも美しい城が奇跡的にわれわれの前に聳えている。時間をかけてじっくりとその姿を堪能した。

  • 大天守2階部分の格子窓は、左右非対称の窓を隠すためという説も。

  • 「暴れん坊将軍」など時代劇の撮影に使われ有名になった石段の坂道。

  • 西の丸長局の百間廊下と刻み番付。

姫路城

姫路城

いわずと知れた日本を代表する名城。国宝であり、奈良の法隆寺などとともに1993年に日本初のユネスコ世界文化遺産に登録。白鷺(しらさぎ・はくろ)城とも呼ばれる。天下無双の防衛力を誇る一方で、その繊細で優美なデザインも高く評価されている。ぜひ敵兵になったつもりで大天守を目指してほしい。

住所:兵庫県姫路市本町68
電話:079-285-1146
時間:9:00〜16:00(閉門17:00)夏期は17:00まで(閉門18:00)
休み:12/29〜30
駐車場:近隣の駐車場を利用

姫路

歴史をたどる城下町散策

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姫路城は広い。ここでいう広さとは、現在の建物が残っている範囲の姫路城ではない。本来の姫路城は、内堀の外側に中堀、外堀というように、三重の堀で囲まれていた。その規模を実感するには、大天守の最上階に登って、南側正面のJR姫路駅を眺めるのが一番。駅のあたりがもっとも外側の外堀があったところで、天守からの直線距離は約1キロ。おおざっぱにいえば、姫路城は半径1キロの円で城下町すべてを囲う巨大城塞都市だったのだ。

残念ながら、姫路市街は太平洋戦争の空襲で焼かれ、城下町の面影を伝えるような古い街並みはほとんど残っていない。しかし、城下町の文化は脈々と伝えられている。そのひとつが和菓子だ。藩主が茶をたしなめば、城下の茶菓子が発展する。姫路にも多くの銘菓があり、なかでも「御菓子司 伊勢屋本店」の「玉椿」は、江戸時代、姫路城主の酒井家に11代将軍徳川家斉の姫君が嫁ぐ際に考案されたもの。

「将軍家と縁を結ぶことで、酒井家は木綿の専売を認められ、逼迫していた藩財政を建て直したのです」と、伊勢屋社長の山野浩さんは語る。椿を思わせる薄紅色の求肥に包まれた黄身餡はしっとりと甘い。こんな可愛らしい菓子にも長い歴史が秘められている。

「姫路城西御屋敷跡庭園 好古園」を訪ねてみた。ここは1992年に造営された池泉回遊式の日本庭園で、江戸時代を偲ばせる築地塀(ついじべい)や屋敷門の佇まいにかつての姫路城下町を偲ぶことができる。散策のあとは姫路名物の穴子料理に舌鼓を打ち、いよいよ温泉へ向かってドライブに出発だ。

御菓子司 伊勢屋本店 西二階町店

御菓子司 伊勢屋本店 西二階町店

元禄年間創業の老舗和菓子店。第43代姫路城主酒井忠学と11代将軍徳川家斉の娘の婚礼のときに作られた「玉椿」は姫路を代表する銘菓だ。薄紅色の求肥の中には、希少な白小豆(しろしょうず)を使った黄身餡がたっぷりと入っている。

住所:兵庫県姫路市西二階町84
電話:079-288-5155
時間:9:00〜18:30 無休
駐車場:近隣の駐車場を利用

神戸

話題のシティホテルとハイカラ神戸へ

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姫路からは国道2号線のバイパス「第二神明道路」を走り、神戸市街へと入ってゆく。向かうのは海上文化都市「六甲アイランド」だ。住宅地や美術館、ショッピングモールなど、ファッショナブルな街並みのなかに、今宵の宿「神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズ」がある。

三輪谷光雄総支配人が語るホテルコンセプトは「和・シェラトン」。「世界のシェラトンブランドと日本の良き伝統である和のおもてなしを融合させたリニューアルを進めてまいりました。その集大成が昨年4月にオープンした、神戸六甲温泉『濱泉』です」。

ホテルの敷地内、地下1600メートルから湧出する温泉はナトリウム-塩化物を含んだ56.5度の高温泉で、内湯、露天風呂、打たせ湯などさまざまな湯浴みを楽しむことができる。やや赤みを帯びた湯は源泉の掛け流し。露天風呂に身を浸すと、海の手からの爽やかな風が心地よい。

翌朝はゆっくり朝食をとったあと、異国情緒あふれる北野を訪ね、異人館の数々を散策した。

神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズ

神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズ

リニューアル後、シティホテルとしてはめずらしい源泉掛け流しの温泉が話題に。六甲ライナー「アイランドセンター駅」に直結しており、アクセスの良さも抜群。テラスに面した大きな窓から光があふれる館内で、スタッフの明るい接客が気持ちのよいホテルだ。地産地消に取り組み、厳選された新鮮食材が揃う「シェラトンマルシェ」は地元客も通う。

住所:兵庫県神戸市東灘区向洋町中2-13(六甲アイランド)
電話:078-857-7010
チェックイン:15:00
チェックアウト:12:00
アクセス:阪神高速道路5号湾岸線・六甲アイランド北I.C.から約2分
駐車場:180台