Improved COROLLA Series test drive「ふつうのカローラ」が最も尊いということを実感!?
改良カローラシリーズの試乗でわかったこと
Text:ベストカーWeb編集部
Photo:西尾タクト
堅調な販売を続けているカローラシリーズが一部改良を受け(カローラクロスを除く)、10月3日から販売を開始した。今回、その改良を受けたセダンのカローラ、ワゴンのカローラツーリング、そして5ドアHBのカローラスポーツに試乗する機会を得たのでレポートしよう。
1.8Lハイブリッドは電動モジュールをすべて刷新
現行型カローラシリーズのなかで最もデビューが早かったのはカローラスポーツ。2018年6月に発表、発売されて口火を切った。その後、翌2019年9月にセダンのカローラ、ワゴンのカローラツーリングもフルモデルチェンジを受けて日本でも発売が始まっている。
2021年7月にも一部改良を受けているが、今回の改良は実はかなり大がかりなモノになっている。ハッチバックのカローラスポーツは2代目オーリスから継続設定されていた1.2Lターボが廃止され、新たに2Lの直4DOHC、NA(174ps/21.3kgm)のダイナミックフォースエンジンに切り替えられた。このエンジン、2020年5月に限定発売された「2000 Limited」と同様のものだ。
また、カローラシリーズのハイブリッドモデル(カローラクロスを除く)にはすべての電動モジュールが刷新されたハイブリッドシステムを採用。また、グレード体系もカローラとカローラツーリングは従来の「W×B」グレードは残しながら、「S」と「GX」から「G」と「X」に変更。
このほか、先進安全装備の「Toyota Safety Sense」の機能が拡大されている。具体的には、プリクラッシュセーフティに交差点右折時の対向してくる直進車、右左折時の横断歩道者を検知する機能が追加されたほか、運転状況に応じたリスク先読みを行うプロアクティブドライビングアシストの追加、ソフトウェアアップデートでより安全な機能に進化している。
また、前方ドライブレコーダーとバックガイドモニターを一部グレードで標準装着したほか、録画機能付きバックガイドモニターをオプション設定し、エクステリアではヘッドライトやフロントロアグリルなど外装デザインと一部ボディカラーを変更している。
カローラシリーズ、想定以上にすべてが「いい仕上がり」!
では、試乗インプレにいきたい。今回、試乗したのはセダンのカローラが1.5Lダイナミックフォースエンジン、ワゴンのカローラツーリングが1.8Lハイブリッド、そして最もスポーティな5ドアHBのカローラスポーツが2Lダイナミックフォースエンジンだった。
まずはセダンのカローラから。改良前は1.8Lだったガソリンエンジンの排気量は今回、1.5Lにダウンサイジングされている。しかもリアサスが従来の1.8L車のダブルウィッシュボーン式からトーションビーム式に変更されていた。これだけを聞くと、「ゲッ! コストダウンですか?」と思ってしまうのだが、さにあらず。このサイズのカローラは過不足なく、改良モデルで想定以上に走れるのが実感できた。いや、これで充分じゃないかと。
もちろん、アクセルをガバッと踏んでしまうと従来の1.8Lには及ばないのはわかるのだけど、総じて従来の1.8Lモデルに劣るのかというと、まったくそうではないことが実感できた。あくまで担当の個人的な感想で街中走行の範囲内ではあったんだけど。
続いて試乗したのは、最もスポーティなカローラスポーツの2Lダイナミックフォースエンジン搭載モデル。こちらはスペック(170ps/20.6kgm)からすると、あくまで「そこそこ」なスポーティ感だろうという先入観を持っていたのだが、いざアクセルペダルを踏み込んでいくと思っていた以上にキビキビした出足を見せてくれた。年甲斐もなく思わず、快哉を叫んでしまった。
足回りにはフロントにマクファーソンストラット、リアにダブルウィッシュボーンを奢っていて、ふつうに交差点を曲がるだけでもその楽しさが伝わってくる仕上がりになっていることに思わず笑みがこぼれてきた。その秘密はどうもカローラスポーツ専用の足回りのチューニングにあるらしい。
そして最後がシリーズ随一の売れ線モデルであるワゴンのカローラツーリング。パワーユニットは1.8Lハイブリッドだったが、フロント側モーターが変更されたことでシステム出力も向上している。
ちなみに改良カローラシリーズの価格帯はセダンのカローラが199万~299万8000円、ワゴンのカローラツーリングが207万~304万8000円、5ドアHBのカローラスポーツが220万~289万円となっている。
今回のカローラシリーズはBプラットフォーム(旧ヴィッツクラス)を採用していた先代カローラアクシオ、フィールダーとは一線を画す実力を持つモデルながら、それをリーズナブルに提供している点が現在の市場から支持を得ている最大の理由だと思う。そのことが今回の一部改良モデルの試乗から改めてわかった。
出典:ベストカー Web
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