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PanforteX’masスイーツに最適な
「パンフォルテ」とは

Lifestyle

2021年、日本のスイーツ界ではマリトッツォがムーブメントを起こしました。そして今、2022年のネクストブームといわれているのが、同じく伝統的なイタリアのパン菓子である「パンフォルテ」です。こちらは、ワインとも一緒に楽しめるスイーツで、現地ではクリスマス菓子としても人気が高いとか。そこで今回、日本を彩ったイタリアン・スイーツの歴史から紐解き、パンフォルテの魅力や楽しみ方を紹介します。

日本の食文化を彩ったイタリアン・スイーツ

戦後以降、高度成長期から日本では多種多彩なスイーツが時代を彩ってきました。その筆頭として一大ブームを巻き起こしたのがティラミスです。マスカルポーネチーズをベースとしたクリームとエスプレッソを染みこませたスポンジの層を重ね、ココアパウダーをまぶしたほろ苦い大人味のドルチェは、1990年の「イタ飯」ブームとともに一世を風靡し、今ではコンビニエンスストアでも販売される定番になっています。

そのブームの流れで1994年頃にトレンドとなったのが、パンナ・コッタ。「panna」(生クリーム)に「cotta」(火を入れた)が由来で、生クリームや牛乳、砂糖などを熱しゼラチンで固めたこちらは、西麻布のあるイタリアン・レストランが、皿盛りで少量の料理を順番通りに楽しむという本場のスタイルを始めたのをきっかけに、シンプルで作りやすいことから全国に広まったとか。

そのほか、フィレンツェ発祥のコク深いイタリアン・ジェラートも各地に専門店ができるほど、お馴染みの存在になっていますが、マリトッツォは2021年にSNSから火が付き久しぶりにイタリア菓子が全国的ブームになりました。発祥はローマで、実は現地でも食べたことのない人も少なくないと言われていますが、ブリオッシュ生地に生クリームを挟んだだけのシンプルさゆえに、季節のフルーツを挟むなど日本流ならではの多彩なアレンジがほどこされ、親しまれるように。

「マリトッツォ」は本来、パンの部分だけを指し、生クリームを挟んだものは「マリトッツォ・コン・ラ・パンナ」と呼ばれる

「伝統的なイタリア菓子は派手なものはなく、その土地や季節で手に入る素材で作る素朴なものがほとんど。だからこそ、作り手一人ひとりの異なるテイストと個性を味わえるのが魅力です。長い食文化の歴史を繋いでいるツールのひとつですね」と教えてくれたのは、鎌倉・十二所の一軒家イタリアン「cuccina italiana ACCI(アッチ)」の梶川厚士シェフ。

「ACCI」オーナー・シェフの梶川厚士さん。

イタリア現地の郷土料理を可能な限り自家製で、日本の旬を取り入れながらつくる梶川シェフの料理は、食感度の高いフーディーたちに厚く支持されています。星付きレストランをはじめイタリア4州で7年間研鑽を積んだ中で、ネクストブームと言われているパンフォルテ発祥のトスカーナ州シエナは、梶川シェフが最も長く過ごした地。現地を知るプロの目で、その魅力を教えていただきました。

現地を知るシェフに聞いたパンフォルテの魅力

パンフォルテ発祥の地、トスカーナ州シエナは首都ローマから北西へ180キロ離れた美しい都市。世界遺産に登録されている旧市街「シエーナ歴史特区」をはじめ、クラシカルな建造物が並び、ビステッカをはじめモツ料理やジビエを使った料理など素材の味が優しく引き出した郷土料理が親しまれているとか。

シエナのランドマークである大聖堂は世界中から観光客が訪れる

シエナは、中世の頃に宿場街として栄えた交易の重要拠点で、当時貴重だった香辛料が手に入りやすかったことから13世紀頃にパンフォルテが生まれたと言われています。

「パンフォルテは生地の中に、様々な種類の香辛料やナッツ、ドライフルーツ、蜂蜜などが入った郷土の焼き菓子。甘みをはじめとした様々な味の変化や多彩な食感が楽しめるのが魅力です。香辛料やナッツの種類、配合はお店や作り手によって異なり、チョコレートやココアを合わせた黒い生地のものが主流ですが、入れずにつくる白いパンフォルテもあります」

ナッツやドライフルーツがぎっしりつまった「ACCI」のパンフォルテ

「その味だけでなく、現地で昔から伝わる伝統菓子として様々なストーリーがあるのも魅力です。パンフォルテは直訳すると『強いパン』なのですが、フォルテは固いからなのか、香辛料がしっかり効いているからなのか、それとも少量で高カロリーなところなのか、由来に諸説あるのも面白いお菓子です」

その名の通り、ねっとりと強い口当たりの中に濃醇な甘みとスパイスな複雑な香り、ナッツの軽快な食感が融合した味は、日本にはないもの。現地では日常的に親しまれているとか。

「シエナの街ではレストランはもちろん、スーパー、バールなど様々なお店にあり、お土産品になっています。今では日常的に親しまれていますが、本来はクリスマスシーズンの季節菓子。とても甘いので一度で沢山食べるものではなく、少しずつ食べるのが定番です。高価なものではないので家庭で作るより、パンフォルテ専門店で購入する人も多いですね」

シエナの街並み。「現地のレストランでは、パンフォルテ専門店から仕入れていた店が多かったです」

クリスマスにワインとともに楽しむ

そう話す梶川シェフが作るパンフォルテは、“ACCIで旅するイタリア”のコンセプトの通り現地のレシピをベースに、独自のアレンジを加えています。

「その時々で作っている自家製の柑橘系ピールやラム酒で漬けたレーズンを入れることが多く、ナッツや香辛料をふんだんに入れ、時には一味を入れることも。できる限り自家製の手作りにこだわっています」

「ACCI」のパンフォルテはクリスマスシーズンに不定期で店頭販売することも。情報は公式インスタグラム(cucina.italiana.acci)などSNSやHPで告知している

さらに、パンフォルテがユニークなのは、ワインにもマッチするところ。

「同じトスカーナ産の干しぶどうからつくられる甘口のデザートワイン『ヴィン・サント』がとても合います。ヴィン・サントはリーズナブルなものから高価なものまでバリエーションが豊かで、作り手によって異なる多彩な香りを味が楽しめます。ぜひパンフォルテと合わせてみてください」

「聖なるワイン」と呼ばれるヴィン・サントはトスカーナの代表的な食後酒として名高い

日本ではまだまだ取り扱いが少ないパンフォルテ。トレンドの先取りに、クリスマスのお供に一度試してみてはいかがでしょうか。

【取材協力】

Cucina italiana ACCI(クッチーナ イタリアーナ アッチ)

イタリア中部・北部の4州で修行を重ねた梶川シェフが“ACCIで旅するイタリア”をテーマに、独自のテイストを織り交ぜた郷土料理のフルコースを提供。自家製尽くしの美味がゆったり楽しめる。
パンフォルテはクリスマスシーズンにレストランでのお茶菓子として提供。不定期で店頭販売することも。販売時はSNSなどで告知(※通販は不可)

住所:神奈川県鎌倉市十二所37-4
TEL:0467-53-8184
営業:ランチ11:30〜15:00、ディナー18:00〜21:30
※完全予約制(予約は前日まで)
定休日:不定休
http://accikamakura.com

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