ACADEMIE DU VINハウスワインに熟成ワイン……
それぞれに賞味期限はある?

ワイン好きを魅了してやまない熟成ワインや、毎日の食卓を楽しくしてくれるハウスワイン。それぞれに飲み頃があるのをご存知でしょうか。また、そもそも賞味期限はあるのでしょうか。せっかく買ったワインならば、ベストな状態で楽しみたいもの。ワインを熟成させる方法や、開封後のワインを美味しく保つ秘訣も合わせてご紹介します。節目を迎える人も多い春。ホームパーティーに、美味しいワインで花を添えてみては。
賞味期限という概念はないが
状態が悪くなる「ブショネ」が発生
ワインを飲んでいて気になるのが、いつまで飲めるのかという賞味期限。
おいしく飲める「飲み頃」は何となく知っていても、賞味期限がいつまでかわからないという方は多いのではないでしょうか。
ワインには明確な賞味期限は決まっていません。なぜなら、ワインには「腐る」という概念がなく、時間経過とともに「熟成されていく」という認識が知れわたっているからです。高級ワインのなかには、10年以上熟成させないと本来の味わいにならないというものもあります。長期熟成に向いているワインの熟成期間は、なんと10~80年にも及びます。おいしく飲める期間が幅広いため、飲み頃を決めることができないのです。
一方で、熟成には向いておらず、買ったときが飲み頃という早飲みタイプのワインもあります。ワインを美味しく飲める時期はワインの種類によって異なるものであり、賞味期限という概念はワインには適していないのです。
ただし、熟成のためにワインを保管していたら状態が悪くなってしまったという場合もあります。ワインを開けてにおいを嗅いだときに、雑巾のようなカビ臭さを感じた場合、それは状態が悪くなったという証拠。これを「ブショネ」と言い、ワインの種類が同じであっても、数パーセントの確率でブショネが発生してしまいます。開封したワインがブショネだった場合、飲むことはできるもものの、美味しい状態のワインには戻りません。
早飲みワインに熟成ワイン……
その飲み頃は?
ワインには熟成に向いているものと向いていないものがありますが、それぞれの飲み頃はいつなのでしょうか?
早飲みタイプのワインというのは、いわゆる「ハウスワイン(テーブルワイン)」のこと。2,000円未満で買えるようなハウスワインは、買い求めたときが飲み頃なので、買ったら早めに飲むようにしましょう。有名なボージョレ・ヌーボーも長期熟成に向かないワインなので、未開封の場合、解禁後1年以内に飲むことをおすすめします。
2,000円以上の少し高級なワインは、未開封で寝かせてから飲むほうが美味しくなります。
白ワインは1~2年、コクのある白ワインは3~5年、赤ワインは5~10年が目安です。

ただし、ワインを適切に保管するにはポイントがあります。まずは、日光や蛍光灯の当たらない暗い場所で保管すること。光が当たると変質してしまうので厳禁です。保管の条件は、10~15℃の涼しい場所で、湿度が70~80%に保たれていること。さらに、振動のない場所であることや、強いにおいのない場所であることも大事です。ワインの瓶は寝かせて保存しなければなりませんので、やはりワインセラーがベストです。
開封後もワインを美味しく飲むには
専用グッズが必要
それでは、開封後はどれくらいで飲み切るべきなのでしょうか。基本的には、開封したら飲み切ってしまうのがベストです。ただし、1人や2人だと飲みきれない場合もあるかもしれません。
スパークリングワイン、白ワインは1~2日以内、コクのある白ワインは2~3日以内、赤ワインは3~5日以内、高級赤ワインは1週間以内を目処に飲み切るようにしてください。
開封後のワインを保管する際は、冷蔵庫で縦置きにして、コルクなどで栓をしたり、市販の専用グッズを使用したりするのがおすすめです。ボトルの口にストッパーで栓をして、さらに瓶の内部の空気を抜くようなタイプや、窒素ガスを注ぎ口から注入するスプレーもありますので、予算に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。
ワインは空気にさらされると酸化してしまい、状態が悪くなってしまいます。飲みきれない分は小さい瓶に移し替えるのも手です。美味しいワインを上手に飲んで、ベストな味を楽しんでみてください。
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