Harmony DIGITAL

Good clubs make a good score.ゴルフクラブ・アナリスト鹿又芳典の
「ゴルフクラブのお話ししましょう!」
VOL.1「クラブ全取替え」のすすめ

Lifestyle

クラブフィッターの第一人者・鹿又芳典さんが、スコアアップやスキルアップにつながる賢いゴルフクラブ選びについて語るこのコーナー。第1回は「令和時代のトレンドとは?」。“十年一昔”といいますが、今どきのゴルフにはやはり、今どきのクラブのほうが対応しやすいのです。

ウッドの組み合わせ「1、3、5」は過去の話に…

第1回は、今のゴルフクラブのトレンドについてお話していきます。

まずドライバーに関しては、当然飛距離なんですけど、飛距離に対するアプローチとして、大きく分けて2つの開発パターンが見られます。

1)インパクト条件が悪くても、自分がナイスショットしたのと同じような飛距離が出せる。
2)スピン量を著しく減らし、インパクト条件が揃ったときに最高のパフォーマンスを発揮し、今までよりも飛ぶ。

平たく言うと、「平均飛距離か、一発の飛びか」という二択になりつつあるのですが、どこに当たってもいいパフォーマンスを出せるというのは、アマチュアゴルファーにとってはすごく効果的なテクノロジーです。その代表例を挙げるとすれば、『ローグST』シリーズ(キャロウェイゴルフ)。本当によくできていて、実際にテストをして数値を見ても驚くほどの高パフォーマンスになっています。
そういう革新的なモデルが現れると、後発モデルも『ローグST』を目指して作られるので、今後、ドライバーというのは飛距離が安定するクラブに変わりつつあるのではないかなと思っています。

どこに当たってもいいパフォーマンスを出せるキャロウェイゴルフの『ローグST』シリーズ。

フェアウェイウッドは、プロでも3番ウッドがコントロールできないくらい、スピン量が少なくなっています。そのためアマチュアの方が使うにあたっては、ロフトの選び方をちゃんと考えないと球が上がりません。3番ウッドよりも5番ウッドのほうが飛ぶ、という現象が普通に起こっています。

ゴルフ歴の長いみなさんには、ウッドは「1、3、5」という組み合わせが馴染み深いことでしょう。ただし、スピン量がドライバー並みに少ない今の3番ウッドでは打ち出し角が上がらず、難しい。正直、アマチュアには打てないクラブだと思ったほうがいいです。

なので、ロフトが16度以上あるものと、さらに4〜5度ロフトがついたものに合わせるというフェアウェイウッドの組み方が実戦的になっていくと思います。

番手はメーカーによっても変わってきますが、「1、3、5」ではなく「1、4、7」、あるいは「1、5、7」をおすすめします。

アイアンのストロングロフト化でウェッジが本数増に

アイアンについては、ストロングロフト化が定着しました。ストロングロフト化している、のではなく”定着”です。

先日、ある雑誌の企画で、発売中の約30モデルの7番アイアンのロフトの平均値をとると30度を切っていました。これは、ロフトが多い一般向けのプロユースモデルも含めての数値なので、7番アイアンはロフト28〜29度がスタンダードだととらえていただきたいです。

アイアンはストロングロフト化している、のではなく“定着”している。

また、アイアンのストロングロフト化に伴って、ウェッジの重要性が非常に大きくなってきています。クラブ14本のセッティングも、ウェッジの本数が増え、10年前と比べたら様変わりしています。

ユーティリティに関しては、「ウッド系の飛距離型のユーティリティ」と、「ロングアイアンの延長線上にあるユーティリティ」という二極化がはっきり進んでいます。
「飛距離型」は高い弾道でボールが上がり、初速も出ます。「ロングアイアンの延長線上」タイプは、アドレスしやすく、スピン量が多い傾向にあります。なので、自分がどういう球を打ちたいのかとか、ヘッドスピードなどによって選んでいくことが重要なポイント。女子プロを例にとると、「飛距離型」を2~3本入れている選手が非常に多いです。

“全取替え”を念頭に置きつつ購入しよう

以上のように、個々のクラブがすべて進化を遂げています。ということは、クラブセッティングを考えるうえで、番手構成だったり、アイアンとウッドの比率を10年前とは変えたほうが、よりコースを攻略しやすくなる。今まで打てなかったボールも、クラブによって打てるようになってきている時代なのです。

また、“全取替え”することを考えたほうがより効果的です。古い車に1個だけ新しい部品を入れても、かえって周りに悪影響を与えてしまいます。クラブでいうと14本の流れ、つながりがかえって悪くなったりします。なので、一気に”全取替え”とは言いませんが、全部を取り替えることを念頭に置きつつ、順番に、計画的に入れ替えていくことをおすすめします。深く考えずに買い足していくと、飛距離がかぶったりして、無駄なクラブも買ってしまうことになるので、そこは気をつけていただきたいですね。

鹿又芳典(かのまたよしのり)

1968年東京都生まれ。初級者からトップアマ、プロまで多くのゴルファーから信頼を集めるクラブフィッター。年間の試打クラブ数は2000本に及び、雑誌、テレビなど各ゴルフメディアでも活躍。ゴルフショップマジック(千葉県)代表

2022 Summer

アクティブな毎日、ゆとりと調和のある生活に役立つクオリティマガジン「Harmonyデジタルブック」をお届けします。