travel books旅したくなるブックガイド photo(except for book):PIXTA

世界の不思議を巡る旅、美しい建築に出合う旅、さらには100年前の世界へタイムスリップできる旅。素敵な本と出合うと、ページをめくった瞬間から地球の裏側はもちろん、時空さえ飛び超えて、心の旅がはじまります。旅情をたっぷりと味わえる、わが家で楽しみたい旅本をご紹介いたします。
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美しき祝祭の衣装をキーワードに
日本の風土、信仰を知る旅へ!ヨーロッパ各地の伝統的な儀式に登場する獣人を捉えた写真集『WILDER MANN』で注目を浴びたシャルル・フレジェ氏が、日本の祝祭に着目し、東北から沖縄まで全国58カ所の祭りや年中行事を取材した1冊。
日本各地で五穀豊穣や子孫繁栄を願う心から生まれた神や鬼たちが身にまとう、奇怪で美しい仮面や衣装に目を奪われます。
新潟県の「牝獅子」、長野県の「志津目」、沖縄県の「パーントゥ」など、衣装をまとった人びとを祭りや行事の現場からあえて切り離し、田畑や雪原などの自然の景色の中でポートレートとして撮影しているのが新鮮です。※写真はイメージです -
地域巡りに心が旅立つ!
名建築を美しい写真で解説表紙はもちろん、ページをめくるたびに美しい写真に心が満たされる1冊。壮大なネオバロックの宮殿から辰野式の赤レンガの銀行、近代和風の駅舎、フランク・ロイド・ライトのホテル、戦後モダニズムの美術館まで、珠玉の近代建築をオールカラーで紹介。
専門出版社ならではのマニアックな解説も読み応えがあり、そのすべてが日本で見られる建築であることへの驚きとともに、魅惑の旅へと誘ってくれます。
地図も掲載されているので、この本をガイドブックに名建築に会いに出掛けるのもおすすめです。※写真はイメージです -
日本各地の豊かな風土が浮かび上がる
昭和30年代の日本がわかる1冊民俗学者の折口信夫と宮本常一を師に持ち、これまでに日本国内と世界101カ国を旅してきた民俗写真家・芳賀日出男氏。
本書では、網走に住むオロッコ族の祭典、深山のロクロ師の生活、四国の最果ての石垣の村など、北海道から沖縄まで著者が最盛期の昭和30年はじめから10年間かけて旅した2,000日を記録。それぞれの土地で出会った人の暮らしや風土、祝祭や信仰の様子が約150点の写真とともに記録されています。
戦後の日本の風土と人びとの暮らしを伝える貴重な資料である一方、その土地の民俗行事が今なお変わらず受け継がれていることに驚かされるなど、知られざる日本を発掘できる1冊です。 -
ドイツ青年の目線で
日本と世界をタイムトリップ!今から100年以上前の1905年、世界を知るために旅に出たドイツ人青年の旅の記録。アメリカ、日本、朝鮮、中国、インドネシア、インド、スリランカなどを1年半かけて周遊し、それぞれの国と地域で撮影した117点の写真と記事が収録されています。
なかでも、日露戦争(1904〜1905年)直後に滞在した日本では、それまで触れたことのなかった日本文化に魅了されるドイツ人青年の様子が興味深く描かれています。第一次世界大戦前の世界を知るうえでも貴重な1冊。
読み進めていくうちに、本書を携えて、ドイツ人青年が100年以上前に訪ねた地へと、その時代の面影を見つけに出掛けたくなる気持ちになるかもしれません。 -
美しい写真で民藝を知り
民藝を学び、手仕事に会いに!大正時代末期に思想家の柳宗悦を中心に唱えられた民藝運動。本書は民衆が使う日用の雑器や道具に〝用の美〟という新たな価値を見出した柳宗悦が、日本全国を訪ねて手仕事を調査し、独自に蒐集した日本各地の工芸品を紹介した名著『手仕事の日本』に収録された作品約160点を撮り下ろした写真集です。
旧柳宗悦邸や日本民藝館で撮影された美しい工芸品と詳細な解説付で、民藝とは何かを学べる1冊に。本書で気になる手仕事を見つけたら、日本各地に点在する民藝館を巡る旅へ!
人間国宝・濱田庄司を祖父に持つ濱田琢司氏、料理研究家・土井善晴氏による論稿も掲載され、さらに民藝運動略年譜なども収録しています。※写真はイメージです -
世界の摩訶不思議を
写真とイラスト、解説で紹介世界各地の“奇妙なもの”を撮り続ける写真家・作家の佐藤健寿氏による、大人の好奇心を刺激するワールド・ガイド。
半魚人の石像が発掘された遺跡や地獄の入り口と呼ばれた湖、青い炎の山など、世界各地に実際に「存在」する絶景・祭り・イベントを紹介するページは驚きと感心が織り交ざりじっくりと読み込んでしまう面白さ。
阿部結氏の緻密さとゆるさが融合したイラストも見ているだけで楽しく、ふと気づくと「本当にこんな場所が実在するの!? 次のバカンスにはこの国へ確かめに行こう」と旅の計画を立ててしまいたくなる1冊です。