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NIPPON地域のとりくみ【宮崎編:1】行きたくなる、住みたくなる、宮崎・日南のまちづくり
宮崎県宮崎市・日南市
text:Haruko Hamahori, 
photos:Hiroshi Mizusaki

Travel

南国のリゾート地を思わせる自然が広がる宮崎市と日南市。 武家屋敷のリノベーションやシャッター商店街の復興など、まちの歴史に“今”を掛け合わせて勢いづくスポットを、 この地で地方創生に尽力する黒田泰裕さんが訪ねました。

巡る人
株式会社油津応援団
黒田泰裕さん

宮崎県生まれ。日南商工会議所で2012年より事務局長を務める。2014年に退職して日南市の「油津応援団」設立に加わり、2年後、代表取締役に就任。油津商店街を再生に導いた立役者のひとり。中小企業診断士としても活躍している。

まちの魅力を発信し、地域コミュニティを育む
リノベーション武家屋敷

宮崎空港からクルマで約15分、宮崎県の広域観光ルート「ひむか神話街道」を南下すると、宮崎市のパワースポットとして知られる青島がある。近年、宮崎市は観光だけでなく移住先としても人気であり、また市の南に隣接する風光明媚な日南市も移住希望者の注目を集めている。

縁結びで有名な青島神社を有する、宮崎市の青島。青島は「鬼の洗濯板」とも呼ばれる珍しい波状岩に取り囲まれている。
日南市では、「飫肥積み」と呼ばれる石垣と石段の意匠が印象的な、武家屋敷の格式の高さを感じさせる佇まいに出合える。
「同じ日南市内とは思えないね」 と言ってレセプションスペー スから中庭を望む黒田さん。

日南市で地方創生の活動をする黒田泰裕さんが最初に訪れたのは、日南市の重要伝統的建造物群保存地区である城下町、飫肥(おび)地区だ。飫肥藩の城下町として栄え、今でも武家屋敷の情緒ある街並みが残されている。この地で築140年以上の武家屋敷として佇む小鹿倉邸が、2020年3月、「飫肥城下町温泉」として生まれ変わった。飫肥のシンボルカラーの紫や飫肥杉、柑橘や茶木、苔など、飫肥らしさをモチーフに、各室に異なる演出が施されている。

レセプションスペースは上質な設え。
全室に温泉露天風呂を完備。市内の美人の湯で知られる北郷温泉の湯を使用。
離れの客室「苔」は既存の井戸を意匠にした露天風呂が庭の四季に調和。
茶木がテーマの客室「CHABOKU」の寝室。茶箱のラベルの壁面演出が粋。

“おせっかい革命”を広げて
人の流れを新しく創る

この施設の代表取締役の大門真悟さんは、「温泉宿ですがあえて夕食を用意せず、お客さまが地域の飲食店を利用することで二度三度来たくなる、会いたくなる交流が生まれたらと考えました。おもてなしからさらに深い交流を“おせっかい革命”と位置付けて、地域の観光活性化に貢献したいのです」と熱く語る。

黒田さんも「古い建築の維持管理は市の課題でした。この利活用は地域の雇用、観光客の滞留時間の増加につながります。まちに開かれたコンセプトに共感します」と期待を寄せた。

【施設情報】
Nazuna 飫肥城下町温泉

住所:宮崎県日南市飫肥8-1-62
TEL:0987-27-3171
https://www.nazuna.co/ja/property/nazuna-obi-onsen-resort

2021 Autumn

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