NEW OPEN HOTEL 20222022年10月開業予定。クルマ好きにはたまらないハイアット系列「富士スピードウェイホテル」の全容とは?
Text : Kazuhiro Nanyo
Edit : Misa Yamaji(B.EAT)
かねてより話題のホテルが、いよいよその全容をあらわにしました。現在、富士スピードウェイの最終コーナー近くで建設が進む「富士スピードウェイホテル」が、今秋10月7日より開業することを正式発表。同ホテルはトヨタ・グループが進める、モータースポーツを通じて大人が遊ぶ社交の場を提供するという「富士モータースポーツフォレスト」コンセプトにおける、最重要ピースのひとつです。その全容をいち早くお届けしましょう。
モータースポーツとラグジュアリーな滞在の融合を楽しむ
富士スピードウェイホテルは「アンバウンド コレクションby Hyatt」という、ハイアットのコレクションブランドとして日本初上陸のホテルです。
「アンバウンド コレクションby Hyatt」は、ホテル自体が“唯一無二の個性”を備えつつ、“その先にある価値あるストーリー”を提供することを掲げています。富士スピードウェイホテルでは「モータースポーツとホスピタリティの融合」を目指し、国際規模のハイレベルなレースの行われるサーキットと、日本のランドマークたる富士山を一望する独自の立地を活かして、ユニークな体験を創出するとのことです。
富士スピードウェイホテルの客室は全120室。うち115室が9階建てのホテル棟の客室、ほかに平屋建ての5室のヴィラ、そして2階建てのウエルネス棟で構成されます。
まず1室あたり約143㎡~の面積をもつヴィラは、室内からクルマが鑑賞できるショーガレージがあることが特徴。さらに専用ダイニングスペースやリビングルーム、屋外テラス、ベッドルームに加えて2つのバスルームを備え、友人同士でも気兼ねなく泊まれるのはもちろん、嬉しいことに愛犬とのステイもできます。ドッグテラスや犬用シャワーをも備え、1室あたり中・大型犬なら2頭、小型犬は3頭まで受け入れ可能とのことです。
メイン棟の客室は4階から8階に配されます。約86㎡~のスイートと、約55㎡~のデラックス、約43㎡のゲストルームなどのカテゴリーがあり、いずれも雄大な風景と静寂を味わえる「富士山ビュー」、あるいはレース車両を間近に感じるエキサイティングな「サーキットビュー」が用意されます。
富士山の麓だからこそ叶う、食とウエルネス体験
3階はレストラン&バーのフロアとなっています。ロビーラウンジを兼ね、開放的なスペースでアフタヌーンティーや軽食も楽しめるイタリアン・レストラン「トロフェオ」、メカニックとドライバーのようにシェフとカウンターを挟んで会話が楽しめるスタイリッシュな炉端ダイニングの「Robata OYAMA」、さらに富士スピードウェイのコース全長4563mにちなみ、隠れ家のような雰囲気がコージーな「BAR 4563」が、揃います。いずれもオープンキッチンを備え、地元静岡県の食材の豊かな恵みをシンプルに引き出しつつ、フードロスや地域貢献についてもサステナブルに取り組み配慮するとのこと。
2階は渡り廊下によってウエルネス棟につながっており、地下1500mから汲み上げた水を用いて、ホテルの建つ地名から名づけられた「富士大御神(おおみか)温泉」をはじめ20mの屋内プールや富士山を望むスパ、24時間オープンのフィットネスジムを完備しています。また1階にはボールルームやミーティングルームも設けられ、中庭のパティオに面した絶好のロケーションで会議やパーティに対応できるそうです。
もうひとつ、富士スピードウェイホテルが特別な場所となる理由は、1階から2階の空間に「富士モータースポーツミュージアム」が常設されるがゆえ。130年にわたるモータースポーツの歴史と量産市販車のつながりをダイレクトに、モノづくりの熱量を伝えるため、約3500㎡ものスペースには約40台のヒストリックカーが常時展示されます。19世紀の都市間レースからル・マン24時間耐久レースを通じて、今日の自動車に思いを馳せる内容となります。
とはいえ富士スピードウェイホテルが周辺で提供するアクティヴィティは、サーキットでのスポーツ走行やカート体験などに限られません。周辺にはゴルフ場や温泉、アウトレットなど、さまざまなアクティヴィティが楽しめる環境があり、周辺地域とのつながりやコンテンツが今後、作られていくとのこと。元より富士山麓は自然豊かな食材の宝庫でもあり、これまで点と点だったエクスペリエンスが多様で明確な線になっていく、富士スピードウェイホテルはそのハブとなるのです。