Latest information on overseas travel「海外旅行は、行きたいと思ったときが行くべきとき」
ベテラン添乗員が語る海外旅行の最新情報とおすすめ旅行先

2024年、訪日観光客数は過去最高を記録。一方、未だ残るコロナウイルスに対する危惧や為替、物価高の影響もあって、日本人の出国者数はあまり増えていないという報道があります。しかし、かねてから人気を博していたヨーロッパを中心に、海外各地への旅行を楽しむ人が増えているという事実もあります。旅行好きの方たちは、すでに海外での楽しい時間、美しい風景、ラグジュアリーな体験を堪能しているのです。
添乗だけでなく企画、販売もしてきた海外旅行マスター
今回、今再注目される海外旅行について語っていただくのは、海外100カ国以上の豊富な添乗経験を持ち、さまざまなツアーを企画運営してきたトヨタファイナンス旅行ビジネス企画グループのスタッフたち。海外旅行の最新事情と魅力について聞いてみました。

トヨタファイナンス株式会社
旅行ビジネス推進室 旅行ビジネス企画グループ 参事
関根新吾さん(写真右)
大手旅行会社の海外旅行専属添乗員として、企業や官公庁などの視察旅行や社員旅行、パッケージなどにも添乗し、約20年間で110か国を訪れる。また、企画から販売、添乗までを一貫して行う旅行会社の企画販売部長として海外旅行の最前線で陣頭指揮を行ってきた。
トヨタファイナンス株式会社
旅行ビジネス推進室 旅行ビジネス企画グループ グループマネージャー
柏木康宏さん(写真左)
海外旅行専属添乗員として、修学旅行や語学研修、パッケージツアーなど、あらゆる形態の添乗を経験。その後、海外旅行の企画や販売、受注型企画旅行の手配なども行い、トヨタファイナンス入社前は、大手旅行会社の富裕層向け部門で支配人として旅行の販売に携わってきた。
——おふたりは、前職時代にどのような旅行商品を取り扱っていたのか、具体的に教えてください。
関根:前職では一般的なパッケージツアーとは異なる、よりお客さまの希望に沿った高品質かつ少人数で催行するツアーです。いわば、このTS CUBIC CARD ゴールドカード会員さま、Harmonyの読者さまが求めるような、海外での時間をゆったりと過ごしたいという方に向けた、ラグジュアリーな旅行を提案してきました。
柏木:私も関根さんと同じ会社で、通常のパッケージツアーのように最大公約数を狙うようなプランではなく、参加されるお客さまの希望を出発前にお伺いをして、可能な限りそれを実現して、満足してもらえる旅を企画してきました。もちろん、私も添乗員として自ら企画したツアーに同行して、お客さまといろいろな会話をしながら、お客さまが楽しみにされていること、改善した方がいいことなどを吸収し、次のツアーに活かしていました。また、添乗中にお客さまとの人間関係を築いて、リピートしてくださるようにしました。きめ細かな添乗は少人数でしかできないため、旅行代金は少し高額になりますが、「また一緒に旅がしたい!」とおっしゃってくださるリピーターさまが多くいらっしゃいました。
——添乗だけでなく、旅の企画もされていたんですね。
関根:そのとおりです。ツアーの企画や販売、そして添乗までを行っていました。さらに、ご一緒した旅行で気が付いたことを改善し、ご要望を踏まえて、ご希望に沿った旅行をご提案。お客さまの次の旅行でも、より満足度、納得度の高い旅をご提供してきました。
柏木:ただ旅行先をご案内する添乗ではなく、少人数の団体旅行でありながら個人旅行に近い旅を経験してもらうために、お客さまのご要望に真摯に耳を傾けてきました。
——おふたりのような海外旅行マスターといえるスタッフが、希望に応じたオーダーメイドのような旅を提案してくれると、海外旅行の不安が解消されるだけでなく、楽しみが一層増しますね。
コロナ禍の以前と以後、旅のスタイルは変化した
——さて、約3年間、コロナ禍の影響で旅行ができない時期がありました。それ以前に海外旅行をされていたお客さまは、再び旅行にでかけているのでしょうか?

柏木:2024年の時点で、海外に行かれる方が徐々に増えてきています。私も2024年に、数回の添乗をしましたが、ちょっとした変化というか、問題も出てきています。
前職でご利用されていたお客さまは60代以上の方が多いのですが、約3年にわたって、海外はもちろん、普段の生活でも外出を控えてきたこともあって、ご自身が思っている以上に足腰が弱ってしまっているようなんです。例えば、ヨーロッパへ旅行に行ったときに、街によくある石畳でつまずいてしまう、浴槽で転んで怪我をしてしまう、ということが起きています。
関根:コロナ禍以前、毎年のように海外旅行にでかけていたときには、そのような方はほとんどいませんでした。旅行を楽しむために、普段から散歩をしたり、からだを動かして体力づくりをしていたりしたからですね。ところが、それをやめてしまったことで体力や筋力が低下し、旅を楽しむうえでのちょっとしたハードルになってしまっているようです。
——海外旅行に関する変化は、他にもありますか?

関根:一番は世界情勢の変化です。先日、「もっと早くにロシアに旅行しておくべきだった・・・」とおっしゃっているお客さまがいました。一度は訪れたいと言われていたロシアのエルミタージュ美術館は、18世紀当時のロマノフ王朝の冬の宮殿がそのまま使われていて、同様に人気のフランス・ルーヴル美術館よりも建物や装飾が豪華絢爛です。それが現在は、戦争の影響により渡航も難しい状況なのです。
柏木:ご存知のとおり、現在は円安と航空運賃の値上がりによって、旅行代金が以前の1.5倍くらいになっています。そのため、来年なら少しは料金が下がるんじゃないか・・・と先送りされる方がいますが、さらに世界情勢が不安定になったり、先ほど話したように体力などが落ちて旅行を楽しめなくなったりしてしまう方もいらっしゃいます。ですから、多少高額であっても「行けるときに行っておこう」という決断は大きな意味を持ちますし、旅をすればほぼ必ず「やっぱり行ってよかった!」と笑顔になります。
関根:物価高を懸念されている方もいらっしゃいます。確かにアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの物価の値上がりは顕著です。ヨーロッパはというと、観光客が多く集まるエリアの物価は、実は以前から高かったのです。しかし、地元の方が行くようなレストランやカフェは、現在でもそれほど値上がりしていません。観光客向けのお店よりも、地元で人気のお店に行かれた場合、地元ならではの雰囲気と美味しさがあれば、為替レートの値上がり分くらいは気にならないと思います。ヨーロッパ旅行を何度も経験されている方ほど、レストランに関して特に値上がったという感覚は持っていないと思います。
——ヨーロッパで人気の美術館や博物館では、かなり並ばないと入場できないと聞きました。実際はどうなのでしょうか?

柏木:以前であれば、個人旅行の観光客は、団体客とは別の入口から美術館や博物館に入場できました。ところが、コロナ禍以後は基本的にはチケットを事前予約しなければならなくなりました。当日券もありますが、購入するためには早朝から数時間も、長蛇の列に並ぶことになります。
そこでおすすめなのが、パッケージツアーです。旅行会社が予約手配を済ませていますので、時間をロスすることがありません。もし個人旅行で当日券が必要となった場合でも、日本語に対応したチケット販売サイトなどから購入できますが、ある程度の知見が必要な場合もあり、不安な方はパッケージツアーで旅行したほうが、安心かつ効率的です。「時間はお金を出して買う」というのが、滞在日程が限られている海外旅行では賢い選択といえます。
関根:観光都市はどこもオーバーツーリズムが課題となっていて、その影響で美術館や博物館までのアクセスにも変化が起きました。例えば、ローマでは市内中心部への観光バス乗り入れが規制されています。そのため、郊外の駐車場に観光バスを停めてからは公共交通機関や徒歩での移動となりますが、石畳を長距離歩くのは大変です。
そこで、小型の乗用車に分乗して、美術館や博物館前まで案内するサービスを行うツアーも出てきました。規制は、ローマ以外のヨーロッパ各地でも実施されているので、もし有名な観光都市を訪れるツアーに参加される場合は、料金とともに、具体的な移動手段まで確認しておくのがおすすめですね。
これから行くなら、どんな国や旅がおすすめ?

——では、これから海外旅行へ行くなら、具体的にどんな国、旅がおすすめでしょうか?
関根:コロナ禍以前であれば、パッケージツアーでは10日間4カ国周遊というプランも当たり前にありました。でも、前述のとおり予約が必須になっていたり、オーバーツーリズム対策などで、これまでよりも観光に時間が掛かったりするため、どうしても急ぎ足の旅となってしまいます。
そこで今おすすめなのは、ゆったりと1カ国周遊する海外旅行です。高齢のお客さまで密になることを心配される場合は、少人数ツアーを選ぶとなおよいと思います。

柏木:ツアーであっても、自由時間を多く設定しているプランであれば、セットされている団体客向けのレストランではなく、地元で人気のレストランでの食事をその時の気分によって自由に楽しめます。旅行は食事の良し悪しで満足度が変わってくるので、ツアー中にどんな食事が食べられるのか、ご自身で自由にレストランに行くことができるか、なども確認した方がよいですね。添乗員や宿泊するホテルのスタッフにレストランの情報を聞けば、評判店を教えてくれるので間違いありません。
関根:おすすめの国は、冬から春にかけてはヨーロッパ以外の、エジプト、モロッコ、チュニジア、南アフリカなどはベストシーズンですね。これらの国は治安を心配される方もいらっしゃいますが、例えばエジプトは、空港やあらゆる観光施設にツーリストポリスと呼ばれる警察が配置されていて、厳重に警備されています。観光スポットの入場時には手荷物検査も行っているので、安全面の心配はないでしょう。また食事もかなり美味しくなっていて、皆さんが気にされている物価も、コロナ禍以前とほぼ変わりません。
ナイル川クルーズやピラミッド観光など、見どころの多いエジプトもおすすめです。ご案内したお客さまからも「想像以上に安心で、食事も美味しく楽しい旅ができた」と好評です。
柏木:あまり知られていませんが、南アフリカも食事の美味しい国です。長い歴史を持つワインは以前から知られていますが、海に囲まれた国でもあり海産物が美味しいんです。特に魚介類がたくさんのったシーフードプラッターはとても美味しいです。治安についても、ツアーでバス移動をしている限りでは、問題ないと思います。

あまり馴染みのない国であっても、だからこそいろいろな発見や出会いがあり、訪れるべき価値があると思います。固定観念を一度リセットしてみると、これまで以上にワクワクする体験が待っているでしょう。
——ロシアの戦争の影響もあって、ヨーロッパへの航路が変更となっていると聞きます。その影響はないのでしょうか?
柏木:日本~ヨーロッパの直行便は、気象条件などにもよりますが、往路はアラスカやグリーンランドの上空を通る北回りルート、復路は中東から中央アジアを通る南回りルートになっています。そのため以前よりも2時間ほどフライト時間が長く、直行便でも13時間くらいはかかってしまいます。
そこでおすすめしているのが、中東経由でのフライトです。所要時間は少し長くなりますが、フライト時間はほぼ同じ。むしろ経由地で一度飛行機から降りられるので、体力的にラクだと感じる方も多いです。
そして、すべての施設が立派なのもポイントです。中東の経済発展は目覚ましく、カタールのドーハ、UAEのドバイ、トルコのイスタンブールを経由地として、その空港内を観光してみてください。特にエミレーツ航空のビジネスクラスを利用してドバイを経由した際は、有名なモエ・エ・シャンドンの4つの最高級シャンパンがビジネスクラスラウンジに用意されていたり、本格的なバリスタのサービスもあったりします。さらには、ビジネスラウンジから飛行機に直接搭乗することもできたりと、ラグジュアリーな体験が魅力です。

関根:直行便は、所要時間が短いことから依然として人気です。でも、ヨーロッパ直行便のフライト時間が長くなっていて、運賃も高い現状を踏まえると、少し考え方を変えて、経由便という新たな旅の仕方を楽しんでみるのもよいと思います。
——ドーハ・ハマド国際空港は、近年「ワールド・ベスト・エアポート」総合1位を度々獲得。広大な敷地内には、高級ブランド店やレストラン、エンターテイメント施設などが充実していて、まるでひとつの街のようだとありました。旅の目的地だけでなく、その道中にある空港を楽しむのも新たな旅の魅力となりそうです。
海外旅行を計画、相談するときのポイントは?
——では最後に、おふたりの経験から、トヨタファイナンス トラベルデスクに旅の計画を相談する際、どんなことに気を付けたらよりよい旅ができると思いますか?
関根:具体的なイメージはないけど旅行したい、という方もいらっしゃると思いますが、まずは「旅行をしたい時期」を決めておくといいでしょう。漠然と「いい感じの場所に行きたい」という相談では、こちらからもよい提案をすることが難しいんです。あとは、旅行の目的ですね。自然を見たいのか、美術館や博物館でアートを鑑賞したいのか、オペラを観劇したいのか、遺跡巡りをしたいのか、美味しい食事を楽しみたいのか・・・など、わかる限りでいいので、希望を明確にしておいてもらえると、より魅力的な提案が可能になります。旅先が同じヨーロッパであっても、目的によって旅する場所はそれぞれ異なるはずですから。
柏木:時期というかタイミングの話になりますが、中南米やアフリカなど、直行便がなく経由便でしか行けない旅行先は、できるだけ早く、からだが自由に動くうちに行くのがおすすめです。例えば、人気の世界遺産のひとつでもあるペルーのマチュピチュ。フライト時間が長いうえに、約3,000m級の山脈を越えて向かうので、かなりハードです。よく「遠いところはあとまわし」と思っている方がいらっしゃいますが、遠いところほど先に訪れるほうがいいと思います。
関根:コロナ禍の約3年間で、旅に出ることが億劫になってしまった方もいらっしゃいます。でも、「海外旅行に行く」という予定や目標は、日常生活も変えてくれます。普段とは異なる環境となる旅先での時間は、人生に刺激を与えてくれるんです。本当に、旅は素晴らしいものです。希望する内容を遠慮せずに相談いただき、出会ったことのない感動体験を実現してください。
柏木:海外旅行では、飛行機のキャンセル、遅延、トラブル、事故など、お客さまだけではどうにもならない部分が多くあります。パッケージツアーは、そんな予期せぬことにも旅行会社でバックアップする体制がとられているので心強いと思います。もしいま少しでも海外旅行に行きたい気持ちがあるならば、そのときがまさに行くべきときなんです。
私自身も3年ぶりの海外旅行に添乗した際、旅は楽しい、人を幸せにしてくれると、改めて実感しました。人生にプラスになる時間を、ぜひ共有しましょう。
——自由に旅することができない経験をしたからこそ、行きたいと思ったときに行くべきなんですね。日本の街にあふれるインバウンドの旅行者を見れば、それ故なのだとわかります。私たちも改めて、海外旅行を楽しんでみたいと思います。

トヨタファイナンス トラベルデスクでは、さまざまな海外旅行パッケージツアーをご案内しています。また、旅行専任コンシェルジュがお客さまのご要望に合った旅行プランをエスコートしておりますので、下記のWEBフォームまたはお電話よりぜひお気軽にお問い合わせください。