NEW ALPHARD/VELLFIRE新型アルファード/ヴェルファイア デビュー
ラグジュアリ―のさらなる高みへ
Text:渡辺陽一郎
Photo:池之平昌信、トヨタ自動車

Car

Lクラス高級ミニバンで人気を博してきたアルファード/ヴェルファイア。この人気車が8年ぶりにフルモデルチェンジを果たした。2002年の初登場から数えると今度のモデルはアルファードとしては4代目、ヴェルファイアとしては3代目にあたる。

先代モデルでもその上質さや快適さには定評があったが、新型ではそのレベルがまたひとつ上がり、世界に通用する高級車の風格を手に入れた。はたしてそのディテールはどんなものなのか。新型発表会に参加したモータージャーナリスト、渡辺陽一郎氏が分析する。

今や日本を代表する高級車に

新型アルファード/ヴェルファイアのプレゼンテーションを行ったトヨタ自動車執行役員 デザイン領域領域長のサイモン・ハンフリーズ氏

Lサイズミニバンの人気車種、トヨタアルファードとヴェルファイアが、2023年6月にフルモデルチェンジを実施した。渾身の力作だから、東京都内で報道発表会を開催した。

発表会では、執行役員・デザイン領域領域長・チーフブランディングオフィサーのサイモン・ハンフリーズ氏が最初のスピーチを担当した。その内容を要約すると以下の通りだ。

「ミニバンのアルファードと(姉妹車の)ヴェルファイアは、互いにライバルとして競争しながら価値を高めてきた。しかしそのストーリーは、まだ序章に過ぎない。アルファードとヴェルファイアは、以前はセダンしか認めなかったショーファーカー(職業ドライバーが運転する高級車)の常識を一変させたからだ。今では多くの政治家、ビジネスパーソン、映画スターたちが、セダンからアルファードやヴェルファイアに乗り替えている。そしてアルファードとヴェルファイアに込められた、おもてなしの心は、海外でも共感を得ている。世界のどこにもない独特の魅力により、新しいアルファードとヴェルファイアは、今の2倍近くの国で販売される」

セダンが常識だったショーファーカーの世界に、アルファード/ヴェルファイアはミニバンとして挑む

日本で輸入車を購入する場合、その理由は、日本車とは違うデザインや運転感覚にあるだろう。輸入車は、日本車では得られない、その国で育てられた独特の価値や商品力に魅力を感じて購入される。

これを海外のユーザーから見ると、今は上級ミニバンのアルファードとヴェルファイアが、日本車特有の価値を備えたクルマになっている。つまりアルファードとヴェルファイアは、今では日本を代表する高級車なのだ。そこでアルファードとヴェルファイアの日本を代表する魅力を、具体的に見ていきたい。

Lサイズミニバンの人気車種、トヨタアルファードとヴェルファイアが、2023年6月にフルモデルチェンジを実施した。渾身の力作だから、東京都内で報道発表会を開催した。

日本で輸入車を購入する場合、その理由は、日本車とは違うデザインや運転感覚にあるだろう。輸入車は、日本車では得られない、その国で育てられた独特の価値や商品力に魅力を感じて購入される。

これを海外のユーザーから見ると、今は上級ミニバンのアルファードとヴェルファイアが、日本車特有の価値を備えたクルマになっている。つまりアルファードとヴェルファイアは、今では日本を代表する高級車なのだ。そこでアルファードとヴェルファイアの日本を代表する魅力を、具体的に見ていきたい。

アルファードとヴェルファイアの個性の違いがより明確に

新型アルファード。2.5Lガソリンモデルと、2.5ガソリン+モーターのハイブリッドモデルをラインナップする

まずはボディサイズと外観だ。ボディサイズは、全長が4995mm、全幅は1850mm、全高はアルファードが1935mm、ヴェルファイアは1945mmになる。日本車では大きな部類に入るが、今は全幅が1900mmを超えるSUVも多く、輸入車まで含めるとさほど大柄ではない。混雑した街中でも、運転しにくく感じることはない。

新型アルファード。テールランプは鳥が翼を広げたような造形に

それなのに外観の存在感はとても強い。全高が1900mmを上まわり、フロントマスクも堂々とした立派なデザインに仕上げたからだ。そして新型では、アルファードとヴェルファイアの個性を従来以上に強めた。アルファードのフロントマスクは、輝くメッキを散りばめたようなデザインで、豪華な雰囲気を強調する。ヴェルファイアのフロントグリルは、ブラックの水平基調で精悍な印象だ。

内装も先代型以上に上質で、インパネから両側のドアパネルに掛けて立体的に仕上げた。前席を囲むような形状だ。インパネの中央には14インチのディスプレイオーディオが装着され、視認性も優れている。

グレードは、アルファードが直列4気筒2.5LエンジンのZとハイブリッドのZ、ハイブリッドのエグゼクティブラウンジを用意する。ヴェルファイアは2.4LターボのZプレミアとハイブリッドのZプレミア、ハイブリッドエグゼクティブラウンジだ。

まずはボディサイズと外観だ。ボディサイズは、全長が4995mm、全幅は1850mm、全高はアルファードが1935mm、ヴェルファイアは1945mmになる。日本車では大きな部類に入るが、今は全幅が1900mmを超えるSUVも多く、輸入車まで含めるとさほど大柄ではない。混雑した街中でも、運転しにくく感じることはない。

内装も先代型以上に上質で、インパネから両側のドアパネルに掛けて立体的に仕上げた。前席を囲むような形状だ。インパネの中央には14インチのディスプレイオーディオが装着され、視認性も優れている。

グレードは、アルファードが直列4気筒2.5LエンジンのZとハイブリッドのZ、ハイブリッドのエグゼクティブラウンジを用意する。ヴェルファイアは2.4LターボのZプレミアとハイブリッドのZプレミア、ハイブリッドエグゼクティブラウンジだ。

システム出力を大幅に高めたハイブリッドモデル

こちらは新型ヴェルファイア。2.4Lターボモデルと、アルファードと共通のハイブリッドモデルをラインナップ

これらの内、アルファードZとヴェルファイアZプレミアは、2列目にエグゼクティブパワーシートを装着した。両側に固定式アームレストが備わり、リクライニングや足を支えるオットマンは電動式だ。シートの温度を常に快適に保つベンチレーション機能も内蔵している。

最上級のアルファードとヴェルファイアのエグゼクティブラウンジは、2列目にエグゼクティブラウンジシートを装着した。エグゼクティブパワーシートよりもさらに豪華で、スライド機能を含めて各部の調節が電動式になり、背中から大腿部を押すリフレッシュ機能も備わる。回転式テーブルなども採用され、リラックスして快適に移動できる。以上のようにアルファードとヴェルファイアは、Lサイズミニバンの中でも、内外装が特に上質だ。

新型ヴェルファイア。ボディ補強や足回りのチューニングにより、運転する楽しさも手に入れた

3列目のシートは、左右に跳ね上げて格納できるから、大きな荷物も積みやすい。リヤゲートは全グレードに電動開閉機能が備わり、好みの角度で止められるから、狭い場所で荷物を出し入れする時も便利だ。

パワーユニットや足まわりは、車両の性格に応じて区分される。前述の通りハイブリッドは両車に搭載されるが、価格の割安な2.5リッターエンジンはアルファード専用だ。動力性能の高い2.4Lターボは、スポーティな性格のヴェルファイアのみになる。前輪駆動の2WDと4WDは、すべてのグレードで選択できる。

注目されるのはハイブリッドで、新型ではメカニズムを刷新したから、システム最高出力が250馬力に達した。先代型の197馬力に比べると1.3倍だ。その一方でWLTCモード燃費は、ZやZプレミアが17.7km/L(2WD)だから、14.8km/Lだった先代型から新型に乗り替えると、燃料代を16%節約できる。新型のハイブリッドは効率がとても優れている。

パワーユニットや足まわりは、車両の性格に応じて区分される。前述の通りハイブリッドは両車に搭載されるが、価格の割安な2.5リッターエンジンはアルファード専用だ。動力性能の高い2.4Lターボは、スポーティな性格のヴェルファイアのみになる。前輪駆動の2WDと4WDは、すべてのグレードで選択できる。

くつろぎのアルファード、スポーティなヴェルファイア

新型アルファードのインストゥルメントパネル。中央のディスプレイのサイズは14インチ

プラットフォームはGA-Kと呼ばれるタイプに改められ、ボディ剛性を高めて走行安定性や乗り心地を向上させた。その上でヴェルファイアには、フロントパフォーマンスブレースが装着され、ボディ前側の剛性をさらに高めた。ステアリングを操作した時に、車両の進行方向がいっそう正確に変わり、車両との一体感も得やすい。

新型アルファードExecutive Loungeの室内。内装色はニュートラルベージュ

ヴェルファイアはショックアブソーバーも異なり、減衰力を高めに設定して、全グレードを周波数感応型とした(アルファードもエグゼクティブラウンジは周波数感応型)。標準装着されるタイヤは全グレードが19インチで、背の高いミニバンながらもスポーティな運転感覚を大切にしている。

その点でアルファードは、外観と同様に豪華指向を強め、サスペンションなどは乗り心地を重視する。標準装着されるタイヤサイズも、アルファードZは18インチ、エグゼクティブラウンジは17インチだ。アルファードとヴェルファイアでは、基本部分は共通でも、クルマの性格は大きく異なる。

こちらは新型ヴェルファイアの室内。内装色はブラックのほかにサンセットブラウンが選べる

従ってニーズに応じた選び方が行える。価格を割安に抑えたいなら、アルファードZの2.5Lノーマルエンジン車(540万円/2WD)だ。スポーツ性を重視するなら、ヴェルファイアに2.4Lターボを搭載するZプレミア(655万円/2WD)になる。

選択に迷うのは、2.5Lハイブリッドを搭載するアルファードZ(620万円/2WD)と、ヴェルファイアZプレミア(690万円/2WD)だろう。同じハイブリッドシステムを搭載しながら、価格はヴェルファイアZプレミアが70万円高い。

グレード選びに「迷う楽しさ」がある

新型アルファード/ヴェルファイアの天井部分。ガラスルーフの中央をスーパーロングオーバーヘッドコンソールが貫く

その代わり、ヴェルファイアZプレミアには、アドバンストパーク+パーキングサポートブレーキ、左右独立ムーンルーフ、カラーヘッドアップディスプレイなどが標準装着され、前述のフロントパフォーマンスブレースや19インチタイヤも加わる。シート生地は、アルファードZは合成皮革だが、ヴェルファイアZプレミアはプレミアムナッパ本革だ。これらを価格に換算すると合計70万円に相当するから、機能や装備の違いを考えると両車の買い得度は互角だ。

これらのヴェルファイアZプレミアに標準装着される装備の内、アルファードZもオプションで選べる内容がある。アドバンストパーク+パーキングサポートブレーキ(アルファードハイブリッドのオプション価格は13万9700円)、左右独立ムーンルーフ(13万2000円)、カラーヘッドアップディスプレイ(5万5000円)という具合だ。

新型アルファード。好みや用途に応じたグレード選びができる

しかしプレミアムナッパ本革シート生地は、アルファードではエグゼクティブラウンジでないと装着されない。600~700万円のグレードでこいつが欲しい時には、ヴェルファイアZプレミアを選ぶ。またアルファードZの内装色はブラックだが、ヴェルファイアZプレミアなら、ブラックに加えてサンセットブラウンも選べる。外装色はヴェルファイアはブラックとホワイトだが、アルファードはブロンドも加えている。

以上のようにアルファードとヴェルファイアは、ユーザーが好みや用途に応じて選びやすいグレード構成を採用している。両車では運転感覚や乗り心地も異なるため、販売店の試乗車を乗り比べて判断すると良いだろう。グレードを選ぶ時から、アルファードとヴェルファイアを大いに楽しんでいただきたい。

その点でアルファードは、外観と同様に豪華指向を強め、サスペンションなどは乗り心地を重視する。標準装着されるタイヤサイズも、アルファードZは18インチ、エグゼクティブラウンジは17インチだ。アルファードとヴェルファイアでは、基本部分は共通でも、クルマの性格は大きく異なる。

新型アルファードExecutive Loungeの室内。内装色はニュートラルベージュ

従ってニーズに応じた選び方が行える。価格を割安に抑えたいなら、アルファードZの2.5Lノーマルエンジン車(540万円/2WD)だ。スポーツ性を重視するなら、ヴェルファイアに2.4Lターボを搭載するZプレミア(655万円/2WD)になる。

選択に迷うのは、2.5Lハイブリッドを搭載するアルファードZ(620万円/2WD)と、ヴェルファイアZプレミア(690万円/2WD)だろう。同じハイブリッドシステムを搭載しながら、価格はヴェルファイアZプレミアが70万円高い。

以上のようにアルファードとヴェルファイアは、ユーザーが好みや用途に応じて選びやすいグレード構成を採用している。両車では運転感覚や乗り心地も異なるため、販売店の試乗車を乗り比べて判断すると良いだろう。グレードを選ぶ時から、アルファードとヴェルファイアを大いに楽しんでいただきたい。



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