EDITOR'S VOICE <函館篇>02北海道の妖精? アイヌの男らしさ?
まるでタイムトラベルな館内散策
函館市北方民族資料館

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わが家で楽しく過ごす方法はいろいろあります。その中のひとつが読書。気軽に読める漫画なんて、ときにはいいかもしれません。
そのなかで北海道に関連する人気漫画といえば、アイヌ文化が随所に紹介される漫画『ゴールデンカムイ』。この漫画を読んだらきっと訪れたくなる、アイヌにまつわるスポットをご紹介しましょう。

ヒロインがアイヌ民族である漫画『ゴールデンカムイ』。その影響もあって、函館で注目を集めはじめているのが、「函館市北方民族資料館」です。

館内では、まずフキの葉の下で肩を寄せ合う3人組がお出迎え。この3人組は、北海道の伝説の妖精で、アイヌ語で<フキの下の人>を意味する「コロポックル」と呼ばれています。とても小さく、とてもシャイで、人前に姿を現すことはない――、道内では今もそう言い伝えられ、「実在した先住民かもしれない」と研究されたこともあるといいます。

建物は、かつて日本銀行函館支店だったという歴史ある建築物。その館内にある、アイヌ民族の生活文化にまつわる展示物の多様さに驚かされます。

木戸 忍館長におすすめを聞くと「いずれもおすすめですが、私はマキリが好きなんです」と教えてくれました。「マキリ」とは、腰などに携える小刀のことだそうです。2階のマキリの展示コーナーには、持ち手や鞘(さや)に手彫りのアイヌ文様が入った品々がずらりと並んでいました。

マキリの製作は男性の仕事であり、アイヌ民族の、特に男性にとっては必需品で、かつてのアイヌ社会では<カッコいい彫刻のマキリを持っている=器用で狩りが上手=生活力がありハイクラスな男>の象徴だったといいます。だから女性はマキリを見比べて結婚相手を選んだり、一方、男性は女性にマキリを贈って自己アピールし、時にはプロポーズしたりする者もいたというほど。

アイヌ民族の男女の機微に通じるエピソードを知ると、アイヌ民族がどこか身近な存在として感じられます。

時を超え現代の資料館に受け継がれている、かつて使われていた生活道具の数々。アイヌ文化が随所に紹介される漫画を読み、資料館で解説を聞いていると、気持ちがタイムトラベルすること間違いなし。美しい展示品をじっくり見ていると、当時の様子が頭の中に広がるような不思議な心持ちになります。訪れた際はぜひ解説を聞きながらゆっくりと館内を回ってみてください。

函館市北方民族資料館

住所
北海道函館市末広町21-7
TEL
0138-22-4128
開園時間
4~10月9:00~19:00、11~3月9:00~17:00
休園日
12月31日~1月3日、臨時休館あり

www.zaidan-hakodate.com/hoppominzoku/

※4〜10月の9:00〜15:00はボランティア説明員が常駐

※2020年5月31日まで臨時休館

2020 Spring

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