Gero onsen travel飛騨川河畔の隠れ宿
下呂温泉「川上屋花水亭」で過ごす癒しのひととき

2023.10.25

飛騨川流域に湧く下呂温泉。川辺の天然温泉「噴泉池」がシンボルで、古くから親しまれています。泉質もよく、兵庫県の有馬温泉、群馬県の草津温泉と並ぶ、天下の三名泉のひとつです。今回ご紹介する「川上屋花水亭」は、下呂の温泉街から少し離れた静かな場所にたたずむ飛騨川河畔の隠れ家といった趣の宿。数寄屋造りの純和風の建物からは季節の移ろいを堪能できます。本記事では、高山市・白川郷の魅力も合わせて紹介します。

風情ある街並みに心惹かれる高山市から
天下の三名泉のひとつ・下呂温泉へ

古い街並みが残る高山市から、世界遺産に登録された白川郷まで足をのばす

自然豊かな岐阜県。世界遺産である白川郷の合掌造り集落はもちろんのこと、懐かしく美しい街並みが大切に受け継がれており、散策が楽しい場所です。街歩きを楽しんだあとは温泉で疲れを癒し、地酒や飛騨牛に舌鼓を打つ・・・というのも岐阜の醍醐味。美濃焼や美濃和紙など、匠の技が生きる伝統工芸品も豊富で、お土産選びも楽しいものです。

東京都全域に匹敵する面積を誇る高山市は、「山中の都」として華やかな町人文化が栄えた町。なかでも飛騨高山の古い街並みは、その景観の美しさから今や日本を代表する観光地となりました。江戸時代に城下町として整備され、商人町として発達した上町・下町と、それぞれ三筋の通りは、江戸・明治時代に建てられた貴重な建物が現在も数多く残っています。

宮川沿い・高山陣屋前の広場で開催される朝市では、地元で採れた野菜や花、果物のほか、手作りの漬け物、餅、味噌、民芸品などが豊富に並びます。温かい響きの「高山ことば」が飛び交う朝市で、ここでしか出会えない逸品を買い求めてはいかがでしょうか。

飛騨高山から車で1時間ほど、名高い白川郷に到着します。厳しい自然環境のなかで知恵と工夫を結集して作り上げた、独特の茅葺合掌造りの家屋が立ち並びます。江戸時代末期から明治時代に建てられた150棟ほどの建物は、1995年に世界文化遺産に登録されました。集落の北側にある展望台からは、集落を一望することができます。

岐阜県中東部には、平安時代から1000年以上の歴史を有する下呂温泉があります。江戸時代の儒学者・林羅山は、兵庫県の有馬温泉、群馬県の草津温泉と並ぶ「天下の三名泉」と称しました。

飛騨川の河川敷で見られるのは、下呂温泉のシンボル「噴泉池」。下呂温泉の源泉を引き、飛騨川の川辺に湧き出でる天然温泉で、周りに隔てるものは一切なく、温泉街と飛騨川を360度見渡すことができます。

1月から3月にかけては、毎週土曜日に花火が打ち上げられます。月ごとに異なるテーマの花火が打ち上げられるので、毎回違った演出が楽しめます。
※2024年のスケジュールはまだ発表されていません

下呂の温泉街には、歴史ある老舗や昔懐かしい店から、新しくオープンしたおしゃれなお店まで混在しており、街歩きが楽しいエリアです。無料の足湯でひと休みしつつ、散策を満喫しましょう。

付かず離れずのもてなしと
きめ細かな心配りに心からくつろぐ

伝統的な日本旅館の風情と遊び心ある調度品に心が和む

温泉街中心部の喧騒から少し離れた飛騨川河畔、竹林を抜けた先にある隠れ家といった趣の宿が、今回ご紹介する「川上屋花水亭」です。昭和7年に創業した「川上屋」という老舗宿が前身で、30年近く前に温泉街中心部から現在の場所を移転したのを機に、名を改め新たなスタートとなりました。

「川上屋花水亭」の特徴は、数寄屋造り・純和風建築の温かな雰囲気です。情緒のあるロビー、クラシカルな廊下など伝統的な和風旅館のよさを存分に味わえます。格式高い品のよさがある一方で、随所に遊び心のある調度品が置かれており、温かみのある雰囲気を感じることができます。

部屋は全16室。宿泊するすべてのお客様におもてなしの気配りが行き届きます。
川のせせらぎが心地よい、飛騨川に面した碧山荘（露天風呂付きスイート）の一室は、本間8畳に次の間4.5畳という間取り。広々とした空間が魅力的です。

内風呂は総檜で、浴室を出ると大きな石をくり抜いた露天風呂があります。木立から差し込む木漏れ日が美しく、幻想的。誰にも邪魔されない自分だけの時間に浸ることができるでしょう。

碧山荘（露天風呂付きスイート）のうち数部屋は、来春にはリニューアルしてより広くなる予定です。ベッドルームの部屋も増えるので、宿泊の選択肢も広がります。

碧山荘（セミスイート）は、本間10畳、着替え室に掘りごたつが付いた部屋。2階は眺めが美しく、飛騨川を一望できます。春は桜、夏は深緑、11月上旬〜中旬は紅葉、冬は年数回の積雪と、四季折々の表情を楽しめます。

こたつの温もりに包まれ、ホッと心も温かくなることでしょう。家族と日頃話せなかったような会話もできるかもしれません。

「天下の三名泉」と称される下呂温泉の湯のよさを、開放的な雰囲気のなか堪能する

「天下の三名泉」といわれる下呂温泉は、飛騨川の河川敷一帯が主な源泉地。現在は45本の源泉井戸から最高79度の高温泉が毎分2,300リットル湧出しています。無色透明でほんのりとした香りがあり、つるつるとしたなめらかな肌ざわりが特徴。「美人の湯」といわれています。

泉質はアルカリ性単純温泉で、神経痛、疲労回復、筋肉痛、美肌効果、健康増進などが期待できます。

「花水亭」の露天風呂「河原の湯」は、専用玄関から下駄を履き、庭を抜けた先にあります。大きな建物に、露天風呂、脱衣所、洗い場が設けられています。遠くに見える山々の稜線を借景に、開放的な空間が印象的です。

露天風呂の建物の隣はウッドデッキがあります。春〜秋までは特に夕涼みが心地よい季節。冷たいドリンク片手に腰かければ、湯上りの身体を優しく冷ましてくれることでしょう。

大浴場は御影石の浴槽で、落ち着いた雰囲気です。「単純温泉に勝る名泉なし」といわれる下呂温泉の湯のよさをじっくりと味わえます。

露天風呂と大浴場は独立しており、それぞれに洗い場・脱衣所があるためにどちらか一方だけを利用することもできます。泉質は同じですが、大浴場は源泉かけ流し、露天風呂は浴槽内循環と、給排湯に違いがあります。

付かず離れずのもてなしが心地よく、旅の思い出として記憶に残る

料理は季節を感じられる月替わりの献立。名高い飛騨牛を堪能することができます。飛騨牛は筋繊維が柔らかく繊細な味わいが特徴で、後味がくどくないので肉の脂身が苦手な方におすすめです。人気の朴葉味噌ステーキを選べるプランもあります。

9月〜11月は、松茸の土瓶蒸しが楽しみな季節。芳醇な香りと独特の食感に、旬を味わう贅沢を堪能できます。また、季節の焼き魚に添えられた栗やキノコにも、秋の訪れを感じられるでしょう。

花水亭で供されるお米は、下呂市で開発された新種「銀の朏（みかづき）」。輝くようなツヤとモチモチとした食感のお米で、大粒のお米ならではの深い味わいが楽しめます。この地を訪れた記念に、ぜひ食したいものです。

朝食は、理想を形にしたような和定食。夕・朝食ともに個室の食事処でいただきます。

トヨタファイナンスでは宿泊特典として、当日のお料理に合った地酒をご用意しています（おひとりさまにつきグラス一杯。大人のみ）。銘柄はおまかせとなりますが、この日は下呂市の奥飛騨酒造による「初緑」。程よいフルーティーな香りが特徴です。

また女性のお客さまには、通常の浴衣の他に色浴衣の無料貸し出しのサービスもあります。色浴衣を着て温泉街を散策するのも風情があるもの。帯も数種類用意されており、色合わせも楽しめます。

この宿の特筆すべき点は、訪れた客が「次もまた訪れたい」と思えるような温かなもてなしです。細かな点にも目配りが行き届いており、また付かず離れずの気遣いも心地よく、とてもリラックスできます。

女将の一人・川上美保子さんは、「お客様に対しては、遠くの親戚が訪ねてきてくれたときのように、堅苦しくない親しみのあるおもてなしを心がけています。細かいところまで目が行き届くように心がけつつ、くつろぎを感じていただければと思っています。当館はリピーターの方がとても多く、そうした方とは、『よくお帰りくださいました』『ただいま戻りましたよ』と言葉を交わすような関係ですね」と話します。

千利休は、もてなしの心構えを説いた「利休七則」という言葉を遺しています。その第一は、「茶は服のよきように点て」。飲む人にとってちょうどよい加減で茶を点てろという意味ですが、これは単に客の好みに合わせるということではなく、「その時・その場所での客の気持ちを察し、よく考えて行動せよ」という意味です。

型にはまった対応ではなく、一人ひとりに合わせたおもてなしこそ、細やかな心遣いが必要となるもの。そのような繊細な心遣いは、旅の思い出としてずっと記憶に残ります。
川上屋花水亭の滞在は、宿からの優しい気配りに癒されるひとときと言えるでしょう。

＜川上屋花水亭＞
岐阜県下呂市湯之島30
名神高速道路・中央自動車道中津川ICから約1時間
料金：１泊2食付き　お一人さま様料金（2名1様）税サ込　24,200～38,500円
※入湯税、宿泊税がかかる場合、別途現地にてお支払いください。
https://www.kawakamiyakasuitei.jp/index.html

【トヨタファイナンスオリジナル宿泊プラン】
■期間
～2024年3月31日（日）

■部屋タイプ
碧山荘セミスイート和室（禁煙）

■料金
1泊2食付（税サ込）