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pedal misapplication prevention踏み間違い加速抑制システムは
いかにして事故を防ぐのか?
Text:Daisuke Katsumura

Car

現在ではこの踏み間違いによる事故を防止するため、後付けの踏み間違い防止装置がリリースされています。昨年この踏み間違い抑制システムは急アクセル時に加速を抑制する機能を追加し、さらなる進化を遂げました。既存の車種に追加することで、昨今話題となっている暴走事故を抑止するそのメカニズムを検証していきましょう。

高トルクのモーターだからこそ増える踏み間違い事故

ドライバーの平均年齢の高齢化に伴って高齢ドライバーの事故が社会問題となっています。中でも多いのが、輪留めなどを乗り越えてコンビニなどに突っ込む暴走事故でしょう。その多くの場合、アクセルとブレーキを踏み間違えたことが原因で起こっています。実は高齢者の踏み間違いは今に始まったことではなく、これまでにもコンスタントに起こっていました。それではなぜここ数年事故が大きくクローズアップされているのでしょうか? 実はこれ、モーターの特性によるところが大きいらしいということが判ってきています。

エンジンと比べてモーターはゼロ回転からいきなり最大トルクを発生します。そのため、エンジン車では困難だった輪留めを簡単に乗り越えてしまうのです。パワフルなモーターは、文字通り諸刃の刃となるのです。そこで現在ではプリウスをはじめ、多くのハイブリッドやEVに踏み間違いやアクセルの踏みすぎで起こる衝突事故の被害を軽減するインテリジェントクリアランスソナーが装備されています。今後ハイブリッドやEV車が増加していくことに合わせて装着車種は増えていくことでしょう。

インテリジェントクリアランスソナーは、前後にセンサーを装着し、周囲をセンシングすることで、駐車場などで近くに障害物がある場合、まずはハイブリッドシステムの出力を制限することで暴走を抑止。さらに障害物に接近すると、ブレーキを制御して強制的に制動をかけます。これによって事故を抑制したり、被害を軽減することができるのです。

最先端の技術を愛車に後付けできる夢のシステム

ところで、この最新の踏み間違い防止機能を自分の愛車に後付けできるのを知っていますか? すでに販売している車種に対しても、この機能を追加することができるよう、トヨタ純正部品として販売。装着することで、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故を抑止することができるのです。2018年に登場したこの装置は、まず3代目プリウスやアクア用を設定。その後も順次対象車種を増やしています。

キットは専用のセンシングソナーと制御装置、そしてドライバーに注意を促す警告表示機器で構成されます。新車から装備されているインテリジェントクリアランスソナーと後付け装置の最も大きな違いは、ハイブリッド出力とブレーキ双方に介入する前者に対して、後者はブレーキには介入せずハイブリッド出力にのみ介入するという点です。具体的には前方3m以内に壁などの障害物を検知するとブザーでドライバーに注意を促し、万が一ブレーキと間違えてアクセルを強く踏むと、出力をセーブして加速を抑制。また後退時にも障害物の有無に関わらず、時速5km/h以上でアクセルを踏み込むと加速を抑制する仕組みです。

抑制システムが作動時には、同時に車内に取り付けられた表示機にアラートが表示され、聴覚と視覚の両方でドライバーに注意を促します。これにより加速抑制システムが装備されていない古い車種にも安全を付加することができるのです。さらにこの踏み間違い加速抑制システムは、すでに現行のプリウスなどに搭載されている「急アクセル時加速抑制」を追加し、昨年から「踏み間違い加速抑制システムII」に進化しました。新システムではコネクティッドカーから得られたビッグデータを解析し、前進時に障害物がなくても、例えば右折時や一旦停止後など、加速を必要とする場面以外で急アクセルを感知すると加速を抑制することが可能となりました。

安全装備や最先端の技術がフラッグシップモデルに搭載されるのは当然の進化かもしれませんが、このシステムは、すでに発売した車種に対して後付けすることで安全装備を追加できるという点で画期的だと言えるでしょう。今後順次設定車種を拡大していくそうなので、気になる人は最新の取り付け対象車種を最寄りのディーラーで確認してみてはいかがでしょうか?

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