BEV CAR bZ4X専用プラットフォームの新型BEVいよいよ年央に発売 Text:Daisuke Katsumura
トヨタは2050年のカーボンニュートラルに向けた取り組みの一環として、プラクティカル(実用的)な形でサステナブル(持続可能)な移動手段を提供すべく、電動車のフルラインナップ化を推し進めています。その第一弾として今年春に発表されたbZ4Xの詳細が公表されました。きになる各部を見ていきましょう。
次世代BEV、bZシリーズの第一弾となるbZ4X
今年4月に発表され、話題となった新型BEV(バッテリーEV)、bZ4Xの詳細が発表されました。「beyond Zero(ゼロを超えた価値)」を目指し、BEVのために新設計された専用プラットフォームを採用。次世代のBEVとして2022年発売を予定しているTOYOTA bZシリーズの第一弾となるモデルです。
BEVに最適化された専用プラットフォームを採用
bZシリーズはBEV専用の車両として開発された車両なので、BEVに最適化された専用のプラットフォームになっています。具体的にはガソリンタンクが不要となる代わりに、バッテリーの搭載スペースが必要になります。また4WD車の場合でもエンジンのあるフロントからリアに動力を伝達するドライブシャフトが必要となるガソリン車に対して、リアに専用のモーターを搭載するBEVの4WDならドライブシャフトは不要。たったこれだけ例をあげても車体構造がかなり異なることがわかります。
BEVで最もその大きさと設置場所が問題となるのが、大きく重量もあるバッテリーです。今回新たに採用されたe-TNGAの考え方に基づくBEV専用プラットフォームは、SUBARUと共同で開発されたもので、バッテリーをフロア下に配置し低重心化とボディの高剛性化を果たしています。ちなみにバッテリーは、10年後の電池容量維持率90%を目標とした開発が進んでいます。電池のリビルト、リユース、そしてリサイクルを推進することで、製造過程におけるCO₂排出低減にも積極的に取り組んでいます。
バッテリーユニットは左右のサイドメンバーを繋ぐクロス骨格で守られており、万が一の衝突の際にも衝突エネルギーを分散させ、キャビンやバッテリーユニットを保護する仕組みになっています。
BEVならではの新たな試み
bZ4Xにはルーフにソーラーパネルを装着したグレードを設定。充電スタンドがない場所でも日中であれば太陽光による充電が可能となります。これにより1年間で走行距離に換算して1800kmに相当する電力を発電。すぐれた航続距離に貢献するとともに、災害時にも発電することでバッテリーに充電が可能となります。
快適な移動を支えるインテリア
インテリアに目を移していきましょう。BEV専用のプラットフォームを採用することで、シート配置を最適化し、タンデムディスタンス(前後シート間距離)はなんと1000mmを確保。これはひと回り大きなセダンに相当する値です。レッグスペースも広く、前後どのシートに座っても広く快適です。
運転席もさまざまな新しい試みが詰め込まれています。メーターはステアリングの上を通して見えるように視線移動の少ない配置にしています。また一部車種にはステアバイワイヤシステムを採用。ステアリングとホイールを物理的な結合せずに電気的に制御しています。これによってステアリングの回転角度を持ち替え不要な左右それぞれ150°に設定。異形ステアリングと組み合わせることで、足元の空間も広くなり、乗降性も向上しています。
bX4Xは2022年半ばから日本をはじめ北米、中国、欧州など世界中の各地域に導入する予定になっています。本格的な電動化社会を感じさせる次世代のBEV、発売が待ち遠しいですね。
bZ4X<4WD> SPECIFICATIONS
- サイズ
- 全長4,690mm×全幅1,860mm×全高1,650mm
ホイールベース2,850mm - 車両定員
- 5名
- モーター
- 種類:交流同期電動機
最高出力(フロント):80kW
最高出力(リア):80kW
最高出力(システム合計):160kW - バッテリー
- 種類:リチウムイオン電池
総電圧:355V
総電力:71.4kWh - 性能
- 一充電走行距離(WLTCモード):460km前後
加速性能(0-100km/h):7.7秒
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