TOKYO MOTORCYCLE SHOW 20223年ぶりに開催された
東京モーターサイクルショー
Photo&Text: Daisuke Katsumura
新型コロナウイルス蔓延によって中止が続いた東京モーターサイクルショーが、お台場の東京国際展示場で3年ぶりに開催されました。国内有力メーカーの新作はもちろん、自動車とともに期待が高まる電動化の波など、二輪業界の“今”をリポートします。
国内4メーカーの中では
最も電動化に積極的なYAMAHA
日本国内最大規模のモーターサイクルのビッグイベント「東京モーターサイクルショーが3月25日から27日の3日間で開催されました。国内ビッグ4と呼ばれる大手4社に加えて、国外メーカーや用品を含めた150を超える出展があり、会場は多くのギャラリーで埋め尽くされました。
会場となった東京ビッグサイトに入ると、まず目に入ってくるのが、トヨタ自動車との協業もあり馴染みのあるYAMAHAのブースです。そこでまずはYAMAHAブースから訪れてみましょう。
YAMAHAブースではYZシリーズやMTシリーズはもちろんですが、実証実験を通じて二輪車の電動化の可能性を探る原付二種クラスの電動スクーターE01や、実際にトライアル選手権で活躍している電動のトライアル競技車両TY-E2.0など、電動化技術をアピールする車両が展示され注目を集めていました。またスポーツヘリテイジシリーズのXSR700は、2022年モデルに追加されたRZ350を彷彿させる白地にブルーラインのニューカラーを展示。当時を知る50代が熱心に写真を撮影していました。
トレンドは最新テクノロジーと
懐古デザインをまとった車両たち
SUZUKIのブースでは、2022年シーズンのMotoGPに参戦するGSX-RRレース仕様や2021年シーズンの世界耐久選手権で実際に活躍したGSX-R1000Rレース車両が展示され、多くの注目を集めていました。そのほか人気のGSXシリーズ、HAYABUSAなどを展示。また2019年にその名が復活し話題となったKATANAの2022年モデルも展示され、多くの注目を集めていました。
HONDAブースではロードレースやモトクロスなど各ジャンルで活躍する実際のレース車両を展示していたほか、東京モーターサイクルショーに先行して行われた大阪モーターサイクルショー2022で公開され、ロケットカウルにセパレートハンドルというどこか懐かしいスタイルが話題となったHAWK11を筆頭に、クラシカルなスタイルのGB350SやDAX125など、懐かしいデザインの車両が目立ちました。
Kawasakiはワークスカラーでもあるライムグリーンを多用したブースが印象的でした。車両もライムグリーンのボディカラーをまとったNinjaシリーズなどが数多く展示されていましたが、多くの注目を集めていたのは、往年の名車Z1を彷彿させるZ900RSの弟分として新登場したZ650RSや、かつて合併したブランドを復刻させたメグロK3など、こちらもHONDA同様懐かしいデザインをオマージュしたモデルが人気を集めていました。
ニューモデルが
続々登場した海外ブランド
海外メーカー勢も多数展示がありました。ハーレーダビッドソンは昨年国内デビューした初のアドベンチャーモデルPan Americaなどを展示。トライアンフは、TIGER1200やスピードトリプルなどの最新モデルに混ざって伝統のスタイルを踏襲したボンネビルT120が注目を集めていました。BMWはツアラーのKシリーズやオフロード系のGSシリーズなどの新型モデルのほか、新しい電動スクーターCE04を展示。そしてMoto Eレースに参戦しているイタリアの電動バイクブランドENERGICAからは、最新の公道用電動スポーツバイクEGO+が展示され、多くの人が注目していました。
こうやってみてみると、電動バイクなどの環境に配慮したモデルが紹介されている一方で、国内外問わずレトロデザイン懐古とでもいうべき往年の車両をオマージュしたモデルが数多く登場していることが判ります。こうした大きく二つに別れた流れは二輪業界独自のトレンドと言えるかもしれません。