キャンプ料理レシピ簡単だけど本格派、
アウトドアクッキングのススメ
photo:Getty Images

キャンプでの醍醐味といえば、大自然の中で過ごすひとときですが、もうひとつの楽しみといえば、キャンプ場で作って味わう食事ではないでしょうか。山ではもとより、家庭で作っても気分があがるキャンプ料理を始めたい人のために、カンタンながらもとびきり美味しいレシピをアウトドアコーディネーターとして活躍する小雀陣二さんに教わりました。
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MENU01ショウガ入り鮭雑炊
定番の鮭おにぎりをほぐして雑炊へ
日本人なら誰もが知っている「おにぎり」は、古くから登山の携行食として親しまれてきた食べ物です。今やスーパーマーケットやコンビニエンスストアなど、どこでも気軽に買うことができるこの定番フードを使って、キャンプ料理を作ってみましょう。今回は鮭おにぎりをチョイスしましたが、その他の具材を使ったおにぎりでも応用できます。
小雀VOICE
「おにぎり雑炊は、山グルメの定番メニュー。寒い時や食欲がない場合など、おにぎりをそのまま食べるよりも胃に優しく、ショウガを入れることでからだを温める効果もあります。その他、葛粉や唐辛子、梅干し、実山椒なども雑炊にひと味加える食材として相性抜群なので、ぜひ試してみてください」
材料(1人分)
- 鮭のおにぎり......1個
- ショウガ......3g
- シメジ......1/2株
- 青ネギ......1本
- 顆粒だし......5g
- 白ゴマ油......大さじ1
- 塩......適量
- 水......適量
作り方
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ショウガを刻み、シメジの石突きを落として小分けにします。青ネギの根元側半分を3cm幅にカットし、フライパンに入れます。残りの青い部分は刻んでおきましょう。
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フライパンに白ゴマ油を加え、中火で少し焦げ目がつくまで炒めます。
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水、鮭のおにぎりを入れてほぐし、顆粒だしを足して3分くらい煮込む。塩で味を調え、刻んでおいた青ネギを散らします。
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MENU02ソーセージうまみパスタ
煮ても焼いても美味しい、万能食材ソーセージ
炭火を使って網のうえで生肉を豪快に焼くのもキャンプ料理の醍醐味ですが、夏季の場合、要冷蔵の生肉は持ち運びや保存に手を焼いてしまうもの。そんな時、ソーセージは保存も調理も楽で、なおかつ煮ても焼いても美味しいものです。食感も楽しめるうえ、だしを作るためのベース食材としても頼れる存在です。
小雀VOICE
「ソーセージって、ずるい! だってなんでも美味しくしてしまう。特に煮込んだソーセージは、パスタやブロッコリーにうまみを移してくれます。程よく塩味も抜けて、他の具材との味のバランスが保たれますよ」
材料(1人分)
- ソーセージ......2本
- ペンネ......100g
- ブロッコリー......2片
- ニンニク......ひと片
- ミックスハーブ......小さじ1
- 塩......適量
- ブラックペッパー......適量
作り方
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ブロッコリーの茎を切り、ソーセージを斜めにスライスします。ニンニクは皮をむいて潰します。
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フライパンにブロッコリーの茎と他の食材、ペンネ、塩少々、ミックスハーブ、水を入れ、かき混ぜながら中火で煮込みます。
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5分程経ったら、残ったブロッコリーを手で裂いて加えます。パスタが好みの硬さになったら、塩で味を調え、ブラックペッパーを振ります。
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MENU03フレンチトースト&ベーコン
キャンプ料理に最適なバゲットメニュー
サンドイッチやスープのお供としてはもちろん、そのまま食べても美味しいバゲット。バックパックや限られた荷室の隙間に差し込めるので、持ち運びにも苦労することはありません。さらに、腹持ちもよく、傷みにくいこと、雪山でも凍りづらいため、キャンパーのみならず、多くのアウトドアパーソンたちからも重宝されています。そんなバゲットを使った絶品レシピをご紹介します。
小雀VOICE
「保存が利かない牛乳の代わりに、粉末コーヒーミルクを使えば、フレンチトーストは山でも気軽に楽しめます。バターで焼かれたトーストは、香ばしく食欲をそそります。ベーコンとともに、甘さとしょっぱさのハーモニーを味わってみてください!」
材料(1人分)
- バゲット......5枚
- ベーコン......1パック
- 卵......1個
- 粉末コーヒーミルク..... 9g
- シナモン......少々
- グラニュー糖......大さじ1
- バター......10g
- ハチミツ......15g
作り方
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フライパンに卵、グラニュー糖、粉末コーヒーミルク、水を入れ、よくかき混ぜます。
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バゲットを①の卵液に浸します。
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フライパンの中心にバターを入れ、周囲にベーコンを並べます。焦げ目が付くよう、バゲットの両面とベーコンを中火で焼きます。仕上げにシナモンを振り、ハチミツをかけます。
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MENU04ベーコンパンオムレツ
意外性のある、絶品オムレツ
卵はおかずからスイーツまで幅広く活用できるポピュラーな食材ですが、割れやすさや消味期限の短さを考えると、生卵のまま使うのは危険です。目玉焼きなどのポピュラーなメニューに使うのもありですが、ここは変わり種に挑戦してみてはいかがでしょうか。“手抜き”に思われない絶品オムレツをご紹介します。
小雀VOICE
「おかずとパンを一緒にしたレシピ。手抜きだけど美味しい! ベーコンの脂をパンによく吸い込ませると、最高に美味しく仕上がります。コーヒーにもよく合うので、朝食かブランチにおすすめです」
材料(1人分)
- 卵......2個
- ベーコン......1パック
- ミニトマト......3個
- インゲン......1本
- オリーブオイル......大さじ1
- お好きなパン......30g
作り方
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ひと口大にカットしたベーコンと、6等分にカットしたインゲン、オリーブオイルをフライパンに入れ、全体に焦げ目が付くまで中火で炒めます。しばらくしたら、半分にカットしたミニトマトとちぎったパンも加えます。
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溶いた卵をかけ、弱火でじっくりと焼きます。箸などで具材を動かしながら、全体に火が入るようにフライパンも動かします。
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最後にひっくり返して皿に盛れば完成です。
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MENU05ココナッツトマトカレー
ココナッツパウダーで達人感演出!?
キャンプ料理の王道として知られるカレー。具材を炒めて煮込むという調理工程なので、初心者でも作りやすいメニューです。だからこそ、個性的な味を表現したいもの。そこで活躍するのがココナッツパウダーです。なじみの薄い食材かもしれませんが、定番のイギリスカレーよりもこだわりを演出でき、何よりも味に個性を加えられるマジックパウダーです。
小雀VOICE
「ココナッツといえば僕の中ではカレーです。まろやかさとコクを引き出し、フレッシュトマトの酸味が辛さをマイルドに包み込んでくれます。食べやすいにもかかわらず、大人の味に仕上がる一品をぜひ」
材料(1人分)
- ココナッツパウダー......30g
- ミニトマト......5個
- 鶏ササミ缶......1缶
- トマトペースト......大さじ1
- カレー粉......大さじ1
- 鶏ガラスープの素...... 小さじ1
- 塩......お好みで
- ブラックペッパー......少々
- ご飯......1人分
作り方
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鍋に鶏ササミ缶を開け、半分にカットしたミニトマトも手で潰して汁ごと加えます。
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水を加え、強火にかけて沸騰したら中火に。トマトペースト、鶏ガラスープの素、ココナッツパウダーを加えてよく混ぜます。
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カレー粉を加えて、仕上げに塩で味を調えます。仕上げにブラックペッパーを振ります。
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MENU06アップルブラウンベティ
リンゴ半個でできるお手軽スイーツ
フルーツのなかでも栄養成分をふんだんに含んだリンゴ。皮の近くには食物繊維やポリフェノールが豊富に含まれているため、まるごと食べれば食事代わりにもなります。甘みはもちろん、酸味も利いているのでスイーツとしても大活躍。ここでは、バターが利いたサクサクの衣(パン粉)と一緒にいただくメニューをご紹介します。
小雀VOICE
「料理名が難しそうに思えますが、調理方法は至ってカンタン。リンゴを甘く炒めたものに、パン粉をバターで香ばしく炒めてかけるだけ。そのままのリンゴも美味しいけれど、ひと手間かければ、絶品スイーツになりますよ」
材料(1人分)
- リンゴ...... 1/2個
- パン粉......3つまみ
- シナモン......少々
- バター......20g
- グラニュー糖......20g
作り方
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リンゴを1~リンゴを1~2cmの大きさにカットします。フライパンを中火で熱し、バター10gを溶かします。その後、カットしたリンゴ、グラニュー糖10g入れます。
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焦げ過ぎないように炒めて器に盛ります。
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残りのバターとグラニュー糖、パン粉を加え、少し焦げ目が付くようにカラカラになるまで炒め、リンゴにかけます。仕上げにシナモンを振ります。
アウトドアコーディネーター
小雀陣二(こすずめ・じゅんじ)
1969年、東京生まれ。名前が「こすずめ」なので、愛称は「チュンチュン」。アウトドアメーカー、シーカヤックショップを経てフリーランスに。雑誌を中心に広告、テレビ、ラジオでアウトドア関連の撮影や取材をサポートしている。また、キャンプを快適にするためのアウトドアギア開発にも携わる。

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