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Outdoor Brand History歴史変遷から学ぶ
アメリカのアウトドア

Lifestyle

アウトドアを始めようとしている人にとって、ファッションや道具選びは、カンタンなことではありません。しかし、必要なものを少しずつ買い揃えるのは趣味の始まりの楽しみのひとつ。ここでは、知っておくべきアウトドアブランドの基礎知識と歴史をご紹介します。

世界中を見回しても、レジャーとしてのアウトドアの歴史は意外と古く、今でも多くの人々の余暇のひとつとして定着しています。時代を追うごとに、アウトドアで使う衣類や道具は洗練され、機能的で、より使い勝手がよいものに進化を遂げてきました。そういった時代背景とともに、アウトドアに特化した衣類や道具を手掛けるブランドは、数え切れないほど存在します。なかでもアウトドア大国として知られるアメリカには、時代を超え愛され続けてきた銘品を輩出した、創業100年を超えるブランドがあります。ここではアメリカにおけるブランド誕生の歴史をおさらいするとともに、その銘品の一部をご紹介します。

創業年の時系列でみるアウトドアブランド

SINCE 1830
WOOLRICH

ウェアメーカーの代表として人気のチェック柄を輩出

1930年、イギリス移民としてアメリカに渡ったジョン・リッチによって創業したブランド。アメリカ最古参のアウトドアメーカーとして知られ、自社の毛織工場でブランケットを始めとするウール製品を手掛け、行商したことがブランドの始まりと言われています。アウトドアウェアのアイコニックな柄として世界的に愛される「バッファローチェック」を生み出したことでも有名です。これは、チェックのパターン柄のことで、今でもネルシャツなどの衣類に使用されていることでもお馴染みです。二度にわたる世界大戦において軍にブランケットや衣類を支給し、厳しい環境下に身を置くさまざまな労働者、探検隊たちの身を守ってきた実績は、アウトドア界に輝かしい功績を残してきました。

1972年に登場したアークティックパーカは、ウーレンミルズとして始まったWOOLRICHをアウトドアウェア界に大きく名を轟かせることとなった銘品です

SINCE 1880
Byer of Maine

屋外用の家具を手掛けてきた人気ブランド

1880年、ブランド名の一部が示す通り、大自然に恵まれたアメリカ・メイン州で創業しました。転機が訪れたのは第二次世界大戦の時。ベビーベッドを軍用として供給したことをきっかけに、木製の折り畳みベビーベッドや、コンパクトにして持ち運びできる屋外用の家具を手掛けるようになったことから。以来、木の無垢材を骨組みに使用し、キャンバスを組み合わせたシンプルなチェアやテーブルを作り続け、それが多くのアウトドアファンの心をつかみ、1990年代には同社を代表するアイテムとして知られるようになりました。その後、ハンモックの生産にも着手し、多くの愛好家たちから愛されています。

Byer of Maineを代表するパンジーン レンジリーチェア。美しい木目の無垢材を骨組みに使用し、伝統的で品質の高い丁寧なモノ作りに定評があります

SINCE 1896
LODGE

愛好家はもちろんキッチンでも愛され続ける

1896年、自然豊かなアメリカ南部のテネシー州サウスピッツバーグの小さな町で創業しました。ストーブや鍋などを生産する鋳造所が歴史の始まりでした。当時のアメリカは西部開拓時代。日々の生活や旅の万能調理器具として使われてきたのが、鉄製の鋳物であるダッヂオーブンです。一生ものと言われる鉄製調理器具は、今も昔ながらの製法を継承し、一貫してアメリカで作られ続け、調理器具の代名詞的存在として多くのキャンパーたちから親しまれています。魅力は鋳鉄製の重厚な作り。さらに使用するたびに料理に馴染み、使いやすくなっていくのも愛され続けている大きな魅力のひとつです。

煮る、焼く、蒸すの何役もかってくれるダッヂオーブンはLODGEの代表的商品。熱をじっくりと伝え、素材への火当たりが柔らかく、ムラなく加熱できることで知られています

SINCE 1897
FILSON

労働者たちの身を守ったウエアやバッグが起源

1897年、アメリカ・ワシントン州シアトルで創業したFILSON。過酷な環境で金塊を採掘するゴールドラッシュ時代から始まり、雪深い奥地で働く林業者たちなど、多くの労働者の装備品として、丈夫な素材、高い強度にこだわった衣類やバッグを手掛けていました。その品質の高さは業界でも評判がよく、とくにバッグは今でも一貫してアメリカ国内での生産を守り続けています。また1914年に発売された衣類、マッキノークルーザーは、長年にわたり同ブランドを代表する商品として愛されています。

マッキノーウールと呼ばれる厳選されたヴァージンウールのみを使用した肉厚なジャケット

SINCE 1901
Coleman

ギアメーカーとして群を抜く知名度でお馴染み

1901年、アメリカ・カンザス州で創業したコールマン。国を代表するアウトドアギアメーカーとして、今も世界的なシェアを誇っています。代名詞的アイテムとして広く知られるのが、屋外に灯をともすランタンでしょう。メンテナンスの器具も充実していることから、ヴィンテージファンが多いことでも知られ、希少なモデルになると高値で取引されることもしばしば。その他ストーブやバーナー(コンロ)、クーラーボックスなど、業界に先駆けてレジャー用のアウトドアギアをリリースしてきた銘品も多く、コストパフォーマンスの高さも相まって世界中で愛されるアウトドアギアブランドへと成長してきました。

Colemanのアイコンでもあり、銘品として名高いランタン。深みのある赤いのボディに「真夜中の太陽」と称されたこのモデルは、限定モデルとしてファンも多いことで知られています

SINCE 1911
L.L.Bean

ハンティングブーツでお馴染みの国民的ブランド

1911年、アメリカ東北部にあるメイン州で創業したブランド。カタログ販売を主として始まりました。創業者はレオン・レオンウッド・ビーン。その最初の商品となったのは、現在でも“ビーンブーツ”の愛称で知られるハンティングブーツです。その他、大きな収納ポケットを装備したハンティングジャケットやシンプルかつ堅牢な作りのキャンバス製トートバッグなど、ブランドを代表するアイテムは、いまでも手にすることができるのはファンにとっては嬉しいことですよね。

1912年から作り続けられているブーツ。雨や雪を弾く高品質なレザー製アッパーにゴム製アウトソールを装備することで、足元からの浸水を防ぐ構造は当時は画期的でした

ここで、アメリカにおけるアウトドアブランド史を見てみましょう
アメリカだけでも200を優に超えるアウトドアメーカーが存在し、また創業したものの志半ばで消滅してしまった名ブランドも多いアウトドア業界。ここでは業界にエポックメイキングな功績を残してきたブランドを駆け足で紹介します。

1830年 WOOLRICH

アウトドアウエアに浸透したバッファローチェックの生みの親。
銘品:バッファローチェック、アークティックパーカ

1897年 FILSON

ゴールドラッシュ時に使う堅牢なウエアやバッグを製造。
銘品:チンクロス、ダブルマッキノークルーザー

1911年 L.L.Bean

ゴムソールとレザーアッパーを組み合わせた銘品ビーンブーツ誕生
銘品:ビーンブーツ、ボートアンドトート、ハンティングジャケット

1920年 EDDIE BAUERS

スポーツショップをオープンし、のちにダウンジャケットを発明。
銘品:スカイライナー、カラコラムパーカ

1932年 Danner

ワークブーツの製造から始まり、のちに業界初となるビブラムソール、ゴアテックスを搭載。
銘品:ダナーライト、マウンテンライト

1938年 COLUMBIA

ハットメーカーとして誕生。
銘品:フィッシングベスト、リアルツリーカモフラージュ

1965年 SIERRA DESIGNS

防水素材としてコットンとナイロンの混紡生地を開発
銘品:60/40クロス、マウンテンパーカ

1966年 THE NORTH FACE

スキー用品を扱うショップとしてオープン
銘品:ヌプシジャケット、デナリジャケット

1973年 Patagonia

パタゴニアの前身であるシュイナード・エクイップメント社の創業は1966年。
銘品:パイルジャケット(フリースの誕生)

1977年 GREGORY

登山用のフレームバッグを発表。
銘品:デイパック

1981年 WILD THINGS

「軽くてタフ」をコンセプトにプリマロフトを使用し、ミリタリースペックに特化。
銘品:デナリジャケット

1982年 GRAMICCI

ロッククライミングウエア専業メーカーとして誕生。
銘品:クライミングパンツ 

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