かつて220ヤードしか飛ばなかったが、1年間で100ヤード飛距離を伸ばしたことで一躍有名になり、ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤーを受賞したレッスン界のカリスマコーチ・武市悦宏プロ。身長166センチと体格のハンディを背負いながら、どうしたら飛距離が伸ばせるのか日々スウィング研究に明け暮れた末、誰でも効率よく簡単に飛距離アップできる方法を編み出した。「力のない女性やシニアでも筋トレしなくても少しの練習で飛距離は伸ばせる!」をコンセプトに、簡単に飛距離を大幅アップのアイデアや練習法をお伝えします。週末のラウンド、飛距離で仲間を驚かせたいゴルファー必見です!
みなさん、はじめまして武市悦宏です!
今回からボクが編み出した飛距離アップのメソッドをみなさんへ簡単にわかりやすくご説明させていただきます。ひょっとして、みなさんがいままで習ってきたレッスンとは視点や考え方が違う面があるかもしれません。ですので、はじめは懐疑的になることもあるかもしれませんが、これから紹介することは実際ボクが自分の体を持って成功した飛距離アップの真実です。みなさん、ボクのことを信じてぜひ試してみてください!
ボクがもっとも大切にしているのは「リストターン」
さっそくですが、一番初めにボクがもっとも大切にしていることをお伝えいたします。それは『リストターン』です。これを言うと「フェースは返しちゃダメなんじゃないの?」「手首をコネるとボールが曲がるでしょ」「プロはフェースローテーションを抑えて打つとか言ってるじゃん!」という、ネガティブな意見をたくさん言われちゃいます(笑)。でも、ボクがこれを言う理由は、“ギア”と“スウィング”の2つの側面から考えた時、飛距離アップにはリストターンは必要な動きだからです
まずギアの側面から言うと、ドライバーはフェースの後ろ側が大きく膨らみがありますよね。フェースより後ろ側に重量があるのがあるのはわかるかと思います。ですので、重心の位置はクラブヘッドの構造上、フェース面より後ろ側にきます。何が言いたいかというと、なにもしなかったらフェースは勝手に“開きたがる”動きが入ります。じゃあ、このフェースが開きたがるクラブを何もせずに振ったらどうなると思いますか? 当然、インパクトでフェースが開いて当たりボールにパワーを伝えることはできるはずもありません。いわゆる、インパクトで当たり負けするということです。だから、ボクは意図的にフェースを閉じる動きを入れる必要があるとお伝えしています。
ドライバーは後ろ側が膨らんでいて重量が後方にあるので、フェースが開きがちになるんです。
次にスウィングの側面です。飛ばしたいと思うと、ほとんどのゴルファーが起こる現象があります。それは“振り遅れ”です。これは、棒(クラブ)の先に重たいモノ(ヘッド)が付いてるので、速く振ろうとすると体の回転ばかり意識してしまい、ヘッドが戻ってこずに体の正面から大きく外れてインパクトすることです。こうなると、インパクトでフェース面が開いてこれまたボールにパワーが伝わらず、大スライスになる原因のひとつです。この振り遅れを防ぐためにも、リストターンを使ってなるべく体の正面でインパクトを迎えるようにすることが、飛距離アップの第一歩になります。
球のラインと方向に注目して欲しい、リストターンをしなかった場合(左)とリストターンをした場合(右)
ドリル1
“ひざ立ちショット”でフェースを返す感覚をつかむ
飛距離アップに絶対に必要なこのリストターン、身に付ける方法としてボクは昔からやっていることがあります。それが“ひざ立ちショット”です。これは、一見すると簡単そうに見えますが、初めてやる人のほとんどがボールのかなり手前を叩くはずです(写真ドリル×)。なぜなら、フェースを真っすぐ目標方向へ出す動きをしているため、いわゆる振り遅れによる原因によって大ダフリしてしまうのです。自分が思った以上に早い時点からフェースを返す意識を持たないと、ひざ立ちの状態でクリーンヒットはできません。フェースの返し方ウンヌンではなく、まずは遊び感覚でひざ立ちショットをやってもらい、フェースを返す感覚を身に付けてください。ちなみに、いままでフェースを返さないと教わってきたかもしれませんが、プロゴルファーでこれをやってダフる人は99パーセントいないと確信を持って言えますので、ぜひ試してみてください。
初めてひざ立ちショットをするとほとんどの人が手前を叩いてしまう
ひざ立ショットドリル