ドラコンチャンプが飛ばしのコツを伝授！
南出仁寛の『飛距離アップレッスン』
VOL.1　練習前には、まずストレッチ

432ヤードの日本記録を持つ南出仁寛プロ。だが2022年7月に腰を手術し、体重も11キロ減量。また45歳を迎えたこともあり、120％で振るスイングからチェンジした。体力も年齢も一般アマチュアに近づいたということは、我々にも真似できるポイントがあるはず。現在は「ゴルフにつながるドラコン」を目指すJPDA（日本プロドラコン協会）で活動する南出プロに、飛ばしの秘技を教えてもらった。

ボールを打つ前ににやるべきことがある

2020年までは6球中1発の飛距離を競うドラコン競技に出場していました。21年からJPDAの競技に出場していますが、こちらの形式は「6球打ってグリッド（測定対象となる横幅）を捉えた3球の平均を合計する」というもの。つまり、飛ばすだけではなく、方向性も備えていないと記録が出ません。これが「ゴルフにつながるドラコン」の意味で、僕がこれからお話ししていくレッスンも、皆さんの飛距離アップ・方向性アップにお役に立てると思います。

でも、第1回からいきなりレッスンというわけではありません。僕も45歳になり、朝起きたらもう毎日体が痛いです。若い時は、シニアの選手がみんな「体痛い、体痛い」って言っているのが意味わからなかったですが、今ではめっちゃわかります。
このページを読まれている中にはシニアの方も少なからずいらっしゃると思うので、ボールを打つ前にはまずストレッチを行って、可動域を広げましょう。

1番やってほしいのは、ドライバーの両端を持って頭の上にあげ、背中に回すストレッチです。スイングで大事な肩甲骨周りは、年を重ねるにしたがって硬くなり、クラブをいきなり振ると肩を痛めてしまう危険があります。
両手でこの動きができない人は、無理にやろうとして逆にケガしてもいけないので、片方ずつでも大丈夫です。ただしこの時、肘を曲げずに伸ばしたまま行うのがポイントです。

もっとシンプルに、肩を上げ下げするだけでもいいです。これでも肩甲骨周りはけっこう動きますし、クラブがなくてもできます。
ドライバーを使ったストレッチはハードだという人は、先に肩の上げ下げである程度ほぐしてから、という順番でもいいですよ。

クラブ2本でゆっくり素振り

続いてもクラブを使ったストレッチです。用意するのは6番と7番、2本のアイアン。クラブヘッドを反対に向けて2本握って素振りを行うのですが、フォローの位置からスタートします。フォローからトップの位置に戻し、そこからフィニッシュへ。再びトップに戻り……を繰り返します。注意点は、ゆっくり振ること。そして、自分の力で振るのではなく「クラブに振られる」、「クラブの重さで体が伸ばされること」を意識して下さい。

年をとったら「筋力よりも可動域」

体は年々硬くなっていくので、飛ばすには「筋力よりも可動域」が大事です。
下半身ではハム、太ももの裏を伸ばしておきたいですね。足をクロスさせて立ち、力を抜いたまま、上半身を前にビヨンビヨンと揺らします。息や上半身を止めずに、動きながらストレッチします。

あとは、左手と右足を一緒に伸ばしたり。これでお腹も全部伸びます。左手と右足のパターンでも行いましょう。

これらのような簡単なストレッチでも、やらないよりは絶対にいいです。別に左右何回ずつとか回数も決めなくていいので、ボールを打つ前のルーティンに取り入れるようにして下さい。