Local efforts in Yufuin 01暮らす土地を愛することが
「由布院ならでは」を体験できる場につながる
【PART1】
Text:PONCHO
Photo:Takehisa Goto
日本有数の温泉地、由布院。コロナ禍の影響で賑わいは少ないですが、この土地に移住して暮らす人達は変わることなく、愛する由布院ならではの体験を提供し続けています。生粋の大分っ子デザイナー・三好幸代さんが、その特別な時間を体験しました。
巡る人
グラフィックデザイナー
三好幸代さん
1979年大分県臼杵市生まれ。ずっと大分県内で暮らし、看板製作会社のデザイナーを経て2年前に独立。自由な発想で、大分のよさを表現できればと、フリーのグラフィックデザイナーに。大分県デザイン協会会員。
由布院で育った樹木から
つくられる手作りの箸
由布院で育ち、間伐などで切られた木。それらをご主人の西原慎一郎さんが手を掛け、箸へと再生させている『箸屋一膳』 。木の種類は、約30種類。約4年を掛けて乾燥し、箸作りに適した大きさに切り、削って形作り、丁寧な手仕事で仕あげます。
「箸作りのために伐採するのではなく、そのままなら廃棄されてしまう木を譲り受けています。それができるのも、由布院のコミュニティのおかげです」
移住者と地域が連携
新たな試みをサポート
西原さんが由布院で暮らしはじめたのは18年前。由布院温泉観光協会が募集していた木工職人に応募したのがきっかけです。5年の修行を経て、奥さまの郁子さんの出身地でもあった由布院でお店を開くことに。
「それまでいろいろなところに住んできたけれど、由布院は水が合いました。人との距離感がいいんです。大人になってから、友だちができることって多くないと思いますが、ここではたくさんの友だちができました」
郁子さんは、由布院の土地柄をこう教えてくれました。
「由布院が現在の賑わいになったのは、外から来た人たち、つまり移住者と地域の人が上手く連携したからと言われています。新しいヒト、モノ、コトを受け入れる土台があるんです」
開店を決めた時から、西原さんが企画していたのが「お箸作り体験」です 。 観光とは別の、 土地に触れる時間。体験した三好さんは、「自分だけの箸って特別。帰ってから届くのも楽しみです。由布院の豊かな自然とつながれたような、ゆっくりとした時間に癒やされました」 。
箸屋一膳
住所:大分県由布市湯布院町川上2093-2
https://848ichizen.com/