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Harmony 2020年3/4月号
バラエティ自動車ジャーナリスト 小沢コージの

「トヨタ博物館」
ここがポイント!

いやはやマジでシビれたわ。トヨタ博物館、いや布垣流トヨタ博物館と言っちゃいましょうか。
なによりメインのクルマ館の展示が超分かりやすい。

シビれた〜! 150年分の自動車バトル総絵巻!

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いやはやマジでシビれたわ。トヨタ博物館、いや布垣流トヨタ博物館と言っちゃいましょうか。なによりメインのクルマ館の展示が超分かりやすい。世界にクルマ博物館は数あれど、大抵は自社ブランドの長々とした歴史で、特にメルセデス・ベンツは分かりやすく「我々が自動車を作った!」の歴史から始まって、まるでクルマの歴史はメルセデスの歴史!みたいな見方を押しつける。若干偉そうに(笑)。

かたやBMWやポルシェ、特にポルシェはレースカーの歴史が充実していてかなりマニアック。そしてトヨタ博物館はと言うと、“トヨタ”の名を冠しながら自社ブランド車がこんなに少ない博物館は珍しく、さながら“世界の大衆車博物館”。まさしく「目で見る自動車歴史絵巻」だ。このポリシーは布垣流になってさらに一段も二段も研ぎ澄まされた。

秘めたるテーマは100年に一度の大変革。実は世界で一番最初のクルマがベンツじゃなくて、蒸気自動車だったなんてある意味痛快で、クルマ好きなら絶対行くべき。そうでなくとも1900年代の動力源の戦いは超オモシロい。蒸気VS電気VSガソリンエンジンの戦い。さらに言うと2000GT VS ジャガーEタイプ、AA型 VS デ・ソートの戦いもおもしろい。

そう、クルマビジネスは、実は進化というキーワード以上に「バトル」が重要なのだ。国産車VS欧米車、それこそトヨタVS日産VSホンダVSエトセトラと数限りなくある。戦いこそ自動車開発の歴史と言っていいかもしれない。そしてそこの勘どころを、自ら自動車デザインで四苦八苦してきた布垣館長だからこそよく分かっている。特にデザインのコピー合戦であり、インスパイア合戦は言いたいことが山ほどあるに違いない。

そして、実車じゃ表現できない自動車の進化の歴史の集大成が、昨年4月にできた「クルマ文化資料室」である。館長曰く、裏テーマは「自動車150年のタイムトンネル」だとか。

実車だけでなく、クルマにまつわるさまざまな分野にも歴史がある。ミニカー、ポスター、広告、エンブレム、オモチャやゲーム。こういった副産物も150年分の歴史があり、戦いがあり、切磋琢磨がある。それらが体育館ひとつ分ぐらい、トヨタ博物館の全体の数分の1くらいのスペースで、イッキに見られるのだ。これまた布垣流の真骨頂。館長がいかにクルマを愛し、クルマを文化として捉え、そのおもしろさをみなさんに分かりやす〜く見せたいと思っているかがよく分かる展示だと思う。

そこにあるのは危機感だ。クルマという偉大な人間の生産物がまた大きく変貌しようとしている今、正しく理解し、正しく成長してほしい。中でも日本車が世界の競争の中で正しく戦ってほしいと思っているに違いない。みなさんもぜひ今のトヨタ博物館に足を運んでほしい。

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おざわこーじ◎バラエティ自動車ジャーナリスト。
1966年神奈川県横浜市生まれ。「NAVI」編集部を経て、フリーに。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『ドライブ上達読本』『クルマ界のすごい12人』など多数。TBSラジオ「週刊自動車批評 小沢コージのCARグルメ」出演中。