「写真をもっと上手く撮りたい」……。日々切磋琢磨する写真愛好家へ、
Harmonyで活躍中のカメラマンが実践的なテクニックを指南します。

Harmony 2016年4月
本格派のための写真講座

生花の撮影

文/写真・坂本道浩

第3回は生花を美しく撮影するコツを伝授。切り花を2次元の世界へ写しとり、柔らかい空気感に仕上げます。重要なポイントは光(光源)のとり方です。逆光、半逆光、サイド光、順光と光の方向性を理解して光を自由自在に操ることです。

準備

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    ISO感度を高感度設定にすれば手持ちも可能ですが、ここでは三脚を使用し、ISO200〜400でじっくりと撮影に臨みます。用意するものは、
  • 三脚
  • レンズは標準系ズーム、接写レンズ、マクロレンズなど
  • スチレンボード。ホームセンターなどで購入可能。今回はA3サイズの片面が粘着式のものをレフ板代わりに使用(作例6を参照)。粘着側に黒紙を貼り白黒両面使用できるように製作。軽くて外での撮影にも重宝します
  • 背景に使用可能な色紙。これもホームセンターなどで購入可能

切り花撮影

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室内で切り花を撮影する時は、撮影条件の良い場所を探し、構図や光線具合を調整します。今回は、自宅のリビングや書斎の窓から差し込む太陽光を主光源に撮影をすすめていきます。自宅で一番美しく光が差し込む場所と時間帯を覚えておくと、撮影準備など段取りよく行えます。

被写体を照らす光源の方向には、順光、サイド光、半逆光、逆光とさまざまな角度がありますが、花を上手に撮影するには、サイド光と半逆光を使いこなすことが重要です。

さて、窓側に適当な台やテーブルを用意します。そして盤面でサイド光・半逆光となる所を探します。その場所が被写体を置く位置です。あとは構図の調整をしながらカメラを構えます。花の色に合わせて色背景紙を組み合わせると表現の幅が広がり、創作性が格段に上がります。絞り優先モードで露出補正は、淡く白っぽい花の時は+側へ、濃い色の花の時は−側へ補正して撮影、モニター確認しながら微調整します。

1輪をクローズアップ撮影する場合はピント合わせ作業が重要になります。表現したいイメージで合わせる場所がさまざまですが、花の中心のしべに合わせると自然に仕上がります。チューリップなど、しべが確認しにくい花は手前の花びらに合わせると良い結果になります。

今回のキーワード「光の照射方向」

被写体に対してどの方向から光が当たるかによって写真から受ける印象が大きく異なります。窓から差し込む太陽光を花に照射してみました。逆光、順光、半逆光レフ板なし、半逆光レフ板ありを見比べてください。どれが正しいかではなく、表現したいイメージに最適かで使い分けていきます。好みの照射角度をマスターすれば、それが自分のスタンダードとなります。是非さまざまな光源の角度を試してください。

[逆光]輪郭にハイライトが当たるが花の手前は暗い印象、色も再現できない。
[順光]均一に照射するため陰影がなく、色は鮮明だが、立体感は乏しい。
[半逆光レフ板なし]片側輪郭がはっきりして奥行きが表現できる。
[半逆光レフ板あり]レフ板なしでは花の右側反面が暗い印象。そこを補う位置にレフ板をセット、程よく立体感も表現できる。

さかもと みちひろ◎東京都生まれ。写真家。広告、エディトリアル、企業PR誌等で臨場感のある旅取材撮影を得意とし、これまで30数カ国に渡航。情感を捉えた写真に定評がある。