「写真をもっと上手く撮りたい」……。日々切磋琢磨する写真愛好家へ、
Harmonyで活躍中のカメラマンが実践的なテクニックを指南します。

Harmony 2016年6月
本格派のための写真講座

スイーツをおいしそうに撮る

文/写真・坂本道浩

第4回は、スイーツを撮影するコツを伝授。おいしそうな見た目、彩り、柔らかい質感までも写真に残す重要なポイントは光の質を知ることです。逆光の柔らかい面光源で撮影します。

作例1:スイーツをおいしそうに撮る

作例1:スマートフォン内蔵ライトをディフューズして面光源として撮影。シャッタースピード2.5秒、絞りf4、ホワイトバランスはオート。

準備

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  • 三脚
  • レンズは標準系ズーム、接写レンズ、マクロレンズなど
  • スチレンボード。ホームセンターなどで購入可能。今回はA3サイズの半面が粘着式のモノを枠取り(くりぬく)、ディフューザーを自作
  • 不織布、ビニール傘(乳白色)など

Step1:自然光

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窓側の明るい場所にあるテーブルまたは台にスイーツを置き、アングルを決めていきます。窓や光源と真正面に向き合い被写体手前側に影がおちる場所、これが逆光で撮影する位置関係です。逆光はスイーツ上部にハイライトを作りだし、シズル感を演出してくれます。

次は光の質を調整します。光が硬い点光源はコントラストが強く、柔らかい被写体側面の質感をうまく写し撮れません。影を見ながら光を柔らかい面光源にしていきます。窓から間接光が差し込んでいる場合はそのままの面光源を、直射光の点光源の場合はレースのカーテンをしめて光を面光源に変えて撮影しましょう。レースのカーテンは光を拡散してくれます。レースのカーテンがない場合は窓に市販の不織布をかけます。拡散された光は陰影を弱くし、コントラストを低くしてくれます。この光で撮影すれば優しいほんわかした雰囲気の写真になります。

逆光での撮影は被写体手前が暗くなるためレフ板を使い、光を調整しましょう。ホワイトバランスは“太陽光”、絞りは“開放”にセットします。日の出編で説明したように明るい部分が画面にある場合は、露出は+側に適時補正します。縦位置フレーミングは奥行、さらに空気感ある写真作りができます。テーブル周りの小物を小道具として使うと臨場感を演出できます。

室内灯

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続いて室内灯でスイーツを上手に撮影する方法です。夕食時のデザートを目の前に撮影したくなった時に役立ちます。移動式の小型の照明などを使うと撮影しやすいです。今回はスマートフォン内蔵ライトを使用します。カメラを三脚に固定し、アングルを調整しましょう。逆光となる場所へスマートフォンライトをセットします。ライトの手前に自作の不織布枠を置きます。これがレースカーテンと同じ役目を果たし、人工灯でも柔らかい面光源を作り出せます。

準備ができたら他の室内照明を消して、移動式ライトだけで撮影します。光源となるライトをひとつにすることでホワイトバランスはオートでも良いです。正しい色が出ていない場合は“電球光色”またはカスタマイズで好みの色に合わせます。自然光の主光源が移動式ライトに変わった以外、設定などは[Step1]と同じように考えて、応用できます。

今回のキーワード「光の質」

撮影光源には直射、拡散、間接があります。直射光は雲ひとつない空からの直射日光や照明器具からの直接被写体にあたる硬い光、点光源と言います。拡散光は太陽が雲に隠されて届く光、窓からのレースカーテン越しの光、柔らかい光で、面光源と言います。間接光は壁や床、天井に一度反射した光、バウンス光などと言います。とても柔らかい光です。撮影現場で大きなアンブレラを目にするのがそれです。被写体との相性により照明機材や自然光をコントロールしていきます。今回のスイーツは拡散された柔らかい光で撮影すると良い仕上がりになります。

[直射光]直接被写体に光をあてる。色は正確に出るがコントラストが強く影も濃い点光源である。
[拡散光]光源にレースカーテンや不織布をセットし、光をディフューズした状態。適度なコントラスト、色も出やすい。写真撮影に適した面光源。
[間接光]白い壁に光をあてた状態。とても柔らかい光源になり、コントラストも弱く、影も淡くなる面光源。
[間接光+不織布越しの光源]影がほとんど目立たなくなり非常に大きい面光源。

さかもと みちひろ◎東京都生まれ。写真家。広告、エディトリアル、企業PR誌等で臨場感のある旅取材撮影を得意とし、これまで30数カ国に渡航。情感を捉えた写真に定評がある。