「写真をもっと上手く撮りたい」……。日々切磋琢磨する写真愛好家へ、
Harmonyで活躍中のカメラマンが実践的なテクニックを指南します。

Harmony 2016年10月
本格派のための写真講座

建築撮影で心がけたい
陰影やパース

文/写真・坂本道浩

第6回は観光名所に多くある、神社やお寺などの建築物の撮影方法です。

準備

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  • 三脚
  • 単体水準器、なければカメラ内蔵のものでも可

基本撮影

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寺社を撮影する時は、決められたルールを守ることを念頭におきます。三脚使用禁止、フラッシュ撮影禁止、そもそも撮影自体を禁止している寺社も多くあります。事前にリサーチできる情報はなるべく集めておきます。私の場合、到着後、まずは両手をあわせ心を静めて参拝をします。

さて撮影開始です。寺社は歴史ある建築物も多く、時間経過や重厚感を表現するのはとても難しいものです。空を見上げて太陽に小さな雲が近づき僅かな時間でも日陰になりそうであれば、柔らかい光のその時をねらって撮影、ぬくもりのある落ち着いた写真に仕上がります。太陽光が強く照りコントラストがきつくなってしまうと、軒下や破風(はふ)の下が真っ黒につぶれてしまいます。ただし、その光の力強さを利用することで、被写体をシルエット気味に見せ、ドラマチックに表現することもできます。

カメラによってはHDR機能を使用するのもよいかもしれません。この機能は明暗差のある写真数枚を瞬時に合成する機能で、つまりいいとこ取りの合成写真です。そのため、可能であれば三脚を使用しましょう。

使用するレンズは被写体との距離がとれる場合、なるべく望遠側のレンズを使用することで建物のゆがみが減り、自然な見え方になります。カメラによっ ては、モニターにグリッドラインを表示できるものがあるので、横に長い建物は水平ラインを、縦に長い建物は垂直ラインをグリッドラインに合わせると被写体の水平垂直がとれるので便利です。建物全体を見た通りに撮影するには、被写体に近寄りすぎないよう注意してください。

画像処理

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場所によりどうしても広角側のレンズを使用せざるを得ない時があります。その場合、手前部分が大きく強調され、さらに建物の垂直ラインがくずれ上部がすぼまってしまい不自然な仕上がりになります。こんな時は専用のシフトレンズを使用しなくても撮影後の画像処理により、補正できるアプリが数種あります。やむを得ず被写 体との距離を保てず広角レンズを使用した場合などに重宝します。ただし、画角が実撮影より狭くなるので上下左右余裕をもって撮影します。建物内を撮影した時にも応用できるので、左右対称の美しい和の空間を表現するのに役立ちます。

さかもと みちひろ◎東京都生まれ。写真家。広告、エディトリアル、企業PR誌等で臨場感のある旅取材撮影を得意とし、これまで30数カ国に渡航。情感を捉えた写真に定評がある。