気になるトヨタ車トヨタが導入を計画している次世代のEV、TOYOTA bZシリーズとは? Text:Daisuke Katsumura

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トヨタは電動車のフルラインアップ化の一環として2025年までにEVを15車種に拡充すると発表。中でも新シリーズであるTOYOTA bZシリーズは、7車種をラインアップする計画だそうです。そのbZシリーズの第一弾として発表されたTOYOTA bZ4Xとはどんな車両なのでしょうか? 次世代のEVの姿を探ってみましょう。

提供:トヨタ自動車株式会社

EV専用のプラットフォームで独自の進化を遂げるbZシリーズ

世界各国が2050年に向けたカーボンニュートラルを目指す宣言を打ち出していますが、その実現のためには、再生可能エネルギーや充電インフラなどのエネルギー政策に加えて、電池リサイクルシステムなど産業政策の一体的な運用が欠かせません。そこでトヨタはライフサイクル全体でCO2を削減するべく、自動車メーカーとして自動車の電動化を推進していくと発表しました。そんな活動の一環として2025年までに順次導入を予定している次世代の新しいEVシリーズがbZシリーズです。

bZシリーズはEVの需要や再生可能エネルギーによる電力供給が多い中国や米国、欧州地域に向けた新しいEVシリーズで、既存の自動車をベースとせず、EV専用のプラットフォームをベースとしています。トヨタでは2025年までにbZシリーズ7車種を展開。選択の幅を広げることで、よりEVを身近に感じてもらえる世の中を目指すそうです。ちなみにbZは「beyond Zero」の略。単なるゼロエミッションを超えた価値を提供するという想いが込められています。

ユーザーの幅広いニーズに応じて、さまざまな車格やスタイルの異なるEVを短い期間でラインナップすることは、トヨタの独力で実現することは不可能です。そこでbZシリーズはさまざまな得意分野を持つパートナー企業と共同で開発を進めています。今回紹介されたbZシリーズの第一弾となるbZ4Xは、SUBARUとの共同開発によるSUVタイプのEVとなります。電動化を得意とするトヨタと優れたAWD技術を持つSUBARUがお互いの得意分野を持ち寄ることで、より魅力的で、走りを楽しめるEVとなっています。

bZシリーズはこれまでのEVとどう違うのか?

既存のガソリン車とは異なり、SUBARUと共同開発したe-TNGA EV専用プラットフォームを採用するbZ4Xは、車格に対してオーバーハングが少なくロングホイールベース化することで、スタイリッシュなSUVかつ、Dセグメントセダン並みの室内空間を実現しています。またSUBARUと共同開発したEVのための新AWDシステムを採用。電動車ならではの素早いレスポンスと高い走破性を実現しています。ルーフにはソーラー充電システムを搭載し、停車中にも充電を行うことで航続距離も伸ばす工夫が施されています。

続けて室内を見てみましょう。bZ4Xはフロントにエンジンを持たないため、ダッシュの位置が低く、前方の視界が広いことが判ります。これは車高の高いSUVでは視覚を減少し、安全な運転に大きく貢献しています。独特なシェイプのステアリングは、操舵時に持ちかえる必要がなく、メーターの視認性も向上。またステアバイワイヤを採用することでステアリングを持ちかえることなく右左折やコーナリングが出来るスムーズなドライビングが可能です。

ホイールベースを広く採ったことで、リアシートも想像以上に広く快適です。bZシリーズの大きな特徴である「EVならではの開放的で自由度の高い室内空間」は、リアシートの快適性という形でも具現化されています。

bZ4Xはコンセプトカーが今年4月の上海モーターショーでお披露目されたばかりで、まだまだ詳細は発表されていませんが、各部を見るとすでに市販を見据えた作り込みがなされていることが判ります。ちなみにbZ4Xは日本と中国で生産され、2022年にはグローバルで発売されるのだとか。今後たった1年でこのクルマを実際に購入できる未来がやってくる、そう考えるとなんだかワクワクしてきませんか?

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