TOYOTA Museumトヨタ博物館のクルマ文化資料館が面白い Text & Photographs:Daisuke Katsumura
トヨタ博物館というと、140台の実車が展示されている自動車博物館という印象が強いですが、トヨタ博物館をしっかりと楽しみたいなら、クルマ館の隣にある文化館を堪能しない手はありません。以前にも紹介した企画展などが行われている文化館2Fには、ミニカーや紙モノ資料を集めたクルマ文化資料館があり、自動車史の草創期から現在までの様々な資料を展示しています。今回はそんなクルマ文化資料館を紹介します。
クルマ館で実車を見た後は文化館で楽しく歴史を学ぼう
愛知県長久手市にあるトヨタ博物館は、14000坪という広大な敷地の中に建つクルマ館と文化館という二つの建物から構成されています。クルマ館にはトヨタ車だけでなく世界中の自動車が常時約140台展示され、自動車の誕生から近代までの自動車史を実際の車両を見ながら学ぶことができます。そしてこのクルマ館から渡り廊下を渡った先にあるのが文化館です。文化館は企画展示を行っているほか、レストランショップなどを併設しています。
今回紹介するのは。そんな文化館2Fにある「クルマ文化資料館」という施設です。トヨタ博物館では国内外の自動車関係の資料をなんと20万点以上収集しており、その中から「移動は文化」をテーマに約4000点を展示しているのです。まずは中央にあるショーケースの中にある約800台の1/43スケールのミニチュアカーが目に飛び込んできます。これらは時間軸に沿って並べられており、自動車の進化の足跡をたどることができます。
続けて奥の壁面に目を移してみましょう。こちらに展示されているのは、なんと約150冊に及ぶ新車当時のカタログや、世界中で創刊された約60冊の自動車雑誌です。若い頃に憧れたクルマや最初に乗った一台など、カタログを眺めているだけで時間を忘れてしまいます。ちなみにここには世界初の自動車雑誌と言われる「La Locomotion Automobile」も展示されています。
資料館中央のパネルに展示されているのは、世界中から集めたカーバッジです。自動車誕生当時は世界中で数多くの自動車メーカーが創業し、ピーク時には欧米でそれぞれ500社ほどあったそうです。その後1929年の世界大恐慌で本文以上のメーカーが消滅してしまいます。そのため展示されている約400点のカーバッジの中には、現在存在しない自動車メーカーのものも数多くあります。そんな歴史を感じることもできるカーバッジも必見です。
カーバッジの隣に展示されているのは、世界中で発行されている自動車がデザインされた切手のコレクション。自動車切手は現在までに世界中で1万5000種以上が発行されているそうで、こちらの資料館ではその中から約1200点が展示されています。中には日本車がモチーフとなっている海外の切手もあり、見応え十分です。
最後に紹介したいのが、世界各国のナンバープレートです。ナンバープレートは各国が独自に発行しているため、ベースの色や文字色、形状、文字数などがバラバラでみているだけでも楽しめます。また日本のご当地プレートや特殊なナンバーも展示されており、楽しみながら勉強もできる展示になっています。
訪れたらこんなところにも注目してほしい!
さて、そんな展示物の中でも是非ともチェックしてほしいポイントをご紹介しましょう。資料室内に展示されている約130点のカーマスコットの中でも、フランスのガラス工芸家ルネ・ラリックが製作したガラス製マスコットは、全部で29種類をコレクションしており、一同に見ることができる場所は世界的にも珍しいそうです。
そしてミニカー展示の中にいる隠れキャラクターにも要注目です。その一例がトヨタが1997年に発売したプリウスです。プリウスは発表時に鉄腕アトムをCMキャラクターに起用し、「21世紀に間に合いました」のキャッチコピーが有名となりました。そんな逸話にちなんでプリウスの隣にはアトムが立っているのです。他にも数点こういった隠れキャラクターがいますので、是非とも会場で発見してみてください。
DATA
住所:愛知県長久手市横道41-100
Tel:0561-63-5151(代表)
開館時間:9:30~17:00(入館受付は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
入場料:大人1,200円、シルバー(65歳以上)700円、中高生600円、小学生400円、未就学児無料(いずれも一般料金、税込み)
※文化館1階、3階は、どなたでも無料で入場できます。
※TS CUBIC CARDを提示し、カードでお支払いいただくと入場料を200円(小学生100円)引きいたします。
https://toyota-automobile-museum.jp/