World Rally Championship/Rally Japan 2023WRCがアツい!第13戦ラリージャパンの期待とTOYOTA GAZOO Racingの今
閉鎖されたサーキットだけでなく、アイスバーンからサンドダートまであらゆるステージで争われるラリー競技。TOYOTA GAZOO Racingがシリーズ参戦しているWRC(世界ラリー選手権)の魅力と、今シーズンの戦績をおさらいすることで、今年11月に日本で開催される最終戦、ラリージャパンをより楽しむことができるはず!
・世界中の道で争われるWRCの基本をおさらい
・使用マシンは2022年シーズンに引き続きハイブリッドのGR YARIS Rally 1 HYBRID
・昨年のシリーズタイトル獲得に続いてシーズン優勝を目指す
・WRC最終戦は今年も日本で開催。ラリージャパンを見逃すな!
世界中の道で争われるWRCの基本をおさらい
まずはWRCについておさらいしておきましょう。WRCはWorld Rally Championship(世界ラリー選手権)というラリー競技の頭文字で、1973年の発足以来、約50年の歴史を誇る人気のモータースポーツです。世界中を転戦しながら世界のあらゆる道を戦いの舞台にレースを続けてきました。有名なレースとしては、WRC発足以前からの長い歴史を持つラリーモンテカルロやサファリラリー、1000湖ラリー(現ラリーフィンランド)などがあります。
レースはSS(スペシャルステージ)と呼ばれる一般車両を通行止にしたクローズドコースを使ったタイムアタックと、SSとSSの間の公道を一般車両とともに移動するリエゾンで構成されるのが特徴です。またサーキットレースとは異なり、4日間にわたって15~25本のSSを走る長丁場のレースとなるのが特徴で、大会によってはリエゾンとSSを含めて1000km以上走ることもあります。
使用マシンは2022年シーズンに引き続き
ハイブリッドのGR YARIS Rally 1 HYBRID
今シーズンを戦うレースカーは2022年から引き続きFIA Rally 1技術規則に準拠した車両で、TOYOTA GAZOO Racingも、昨年同様GR YARIS Rally 1 HYBRIDで参戦します。1.6L直噴ターボエンジンに全社共通のハイブリッドシステムを組み合わせ、最高出力は500PS以上、最大トルクも500Nm以上を発揮します。また使用される燃料は通常のガソリンではなく、合成燃料とバイオ燃料を混合した非化石燃料由来のサステナブル燃料に統一されるなど環境にも配慮されています。
基本スペックは変わらないとはいえ、2023年モデルは2022年のレースで収集したデータやノウハウを活かして、ボディサイドのエアダクトの形状を変更による冷却効率&空力の最適化、デフのセッティング変更によるトラクション向上、エンジン吸気系の変更によるトルク向上など細かな改善が数多く行われており、戦闘力は確実に向上しています。
昨年のシリーズタイトル獲得に続いてシーズン優勝を目指す
GR YARIS Rally 1 HYBRID初投入となった2022年シーズンは、最終戦のラリージャパンを待たずに第12戦ラリースペイン終了時点でTOYOTA GAZOO Racingが二年連続でマニュファクチャラーズタイトルを獲得。さらに69号車をドライブするカッレ・ロバンペラ選手は第11戦ラリーニュージーランド優勝によってWRC史上最年少記録でドライバーズタイトル、同じく69号車のコドライバーのヨンネ・ハルットゥネンもコドライバーズタイトルを獲得。チームはRally1初年度に三冠を獲得し、順調に滑り出しました。
こうしてスタートした2023年シーズン。初戦のラリーモンテカルロでは17号車オジエ選手が優勝し1-2フィニッシュ、第3戦ラリーメキシコでは17号車オジエ選手が優勝、第4戦クロアチアラリーでは33号車エバンス選手が優勝、第5戦ラリーポルトガルでは69号車ロバンペラ選手が優勝、第7戦サファリラリーケニアでは17号車オジエ選手が優勝し1-2-3-4フィニッシュ、第8戦ラリーエストニアでは69号車ロバンペラ選手が優勝、そして先日行われた第9戦ラリーフィンランドでも33号車エバンス選手が優勝、と怒涛の快進撃を続けています。当然ですが、現時点でのポイントランキングではマニュファクチャラーズタイトルで首位。ロバンペラ選手がドライバーズタイトルで首位とシリーズタイトルも期待できるレース展開となっているのです。
WRC最終戦は今年も日本で開催。
ラリージャパンを見逃すな!
そんなWRCの2023シーズンを締めくくるのが、2023年11月16日~19日に愛知県や岐阜県で開催される第13戦ラリージャパンです。日本におけるWRCは2010年の北海道道央地方での開催以来しばらく途絶えていました。その後、ようやく中部地方での開催が決定したもののコロナウイルス感染拡大の影響によって2020年、2021年と連続して開催は中止。2022年はまさに待望のラリージャパン復活の年となったのです。そして今年も昨年に引き続き最終戦として開催が決定したことで、地元では早くも大いに盛り上がっています。
レースは愛知県豊田市や岡崎市、新城市、設楽町、そして岐阜県の恵那市、中津川市でSSを開催。市街地の特設ステージはもちろん、山間部の舗装路、林道などさまざまなコースを4日間で駆け抜けます。
勝敗を競うSSも見どころですが、それ以外にも見どころは多数あります。ラリージャパンは比較的都市部に近い場所で争われるため、SSとSSの間を移動するリエゾン区間にも地理的に簡単にアクセス可能です。リエゾン区間では世界中で戦う本物のレースカーが日本の街並みを走り抜ける光景を比較的間近で見ることができます。またSSを走行している際よりレースマシンやドライバーを近くで見ることができ、ファンにとっても嬉しい機会。ラリーを観戦する際はぜひともリエゾン区間にも注目してみてください。
大会の中心となる豊田スタジアムも見どころ満載です。スタジアムではセレモニアルスタートや表彰式が行われるほか、スタジアム脇にはサービスパークを設置。スタジアム内に設置された特設コースをラリーカーが走るSSSが開催されたり、大会期間中を通じて各種イベントが行われるなど、豊田スタジアムはラリージャパンの中心地となります。TOYOTA GAZOO Racingでは開催期間中に豊田スタジアム内にTGRブースをオープン。GRカローラモリゾウエディションやGR MNヤリスなどの貴重な車両を展示するほか、各種トロフィーの展示、ユハ・カンクネン氏、トミ・マキネン氏のサイン会なども開催を予定しています。
一般的なサーキット内で行われるレースとは異なり、ラリーの場合はSSだけでなく色々な楽しみ方があるのです。すでに各SSでの観戦チケットや豊田スタジアム内の特設会場の入場チケットなどが発売されています。ぜひこの機会にWRCラリーの迫力を味わってみてはいかがですか?
最新情報や観戦チケットなどはラリージャパンオフィシャルサイトをチェック!
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