Local efforts in Yufuin 03暮らす土地を愛することが
「由布院ならでは」を体験できる場につながる
【PART3】
Text:PONCHO
Photo:Tomoharu Hirose
日本有数の温泉地、由布院。コロナ禍の影響で賑わいは少ないですが、この土地に移住して暮らす人達は変わることなく、愛する由布院ならではの体験を提供し続けています。PART3では、由布院の旅を盛り上げるJR九州の取り組みをご紹介します。
my routeで由布院の旅を
日本の旅をもっと楽しく
一人ひとりの移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて、検索・予約・決済などを一括で行う『MaaS(マース)』。スマホアプリを用いて、旅先でもツーリストが望む移動手段を提供し、訪れるべき観光案内なども表示できるサービスです。
これまでバラバラに情報収集せざるを得なかった移動手段と観光情報をひとつのアプリで手軽に入手できるので、観光地の活性化を促進させるサービスとして全国各地で実証実験や導入が続いています。
大分県由布院エリアもそのひとつで、今年2月1日からスタートしました。使用されるアプリは、トヨタファイナンシャルサービスが開発・提供するマルチモーダルモビリティサービス『my route』です。
公共交通の連携によって
新たな旅の提案が可能に
そこで、由布院観光において多くのツーリストを出迎えるJR九州・由布院駅長の実藤さんと、由布院地区におけるMaaS実証実験実行委員会委員長を務めるJR九州・経営企画部モビリティサービス推進室長の木下さんに、MaaS実証実験後の現在、my routeの可能性を伺いました。
―― MaaSに期待することは、どんなことでしょうか?
木下 日本を代表する観光地として、この先進的な取り組みの実証実験ができたことをうれしく思います。MaaSは、お客さまの利便性の向上と街づくりの両方に貢献できるもの。由布院での結果が、これから九州全体へ展開するときのキーになると考えています。ですから由布院での活用への期待度は、大きいです。
実藤 これまで、鉄道会社にとってバス会社さんやマイカーは、正直ライバルでした。しかしMaaSの取り組みによって、これからはシームレスに連携する仲間です。トヨタさんが開発したmy routeを軸に、少子高齢化、そして労働人材の確保という課題克服に協調する大きな転換点になると思います。ただ残念なことに、サービス開始直前に新型コロナウイルスまん延防止等重点措置が適用された影響で人出が減り、MaaSの評価自体は、じつはまだ難しい状況です。
――ではアフターコロナに向けて、my routeをどのように活用していきたいですか?
木下 一番は地域のコンテンツとのつながりです。その先駆けとして今回、my route内で弊社と亀の井バスさんが連携して、交通乗車券と対象エリアの観光施設・店舗などで使える特典クーポンがセットになった『ゆふいん1dayレール&バスチケット』というデジタルチケットを販売。お客さまの移動手段の広がり、周辺スポットへのご案内が可能になりました。
実藤 由布院への観光客は、由布院がゴールという方が大半。でもmy routeでレール+バスが利用しやすくなると、由布院を拠点に旅をスタートし、大分市や別府市を回遊する新たな旅の提案もできます。また、my routeでは、カーシェアやレンタカーなどの予約も可能なので、スマホ1つで公共交通とパーソナルモビリティが繋がり、新しい移動の形を楽しむことができますね。
木下 そのためにも、my routeがあれば便利でおトクという「由布院モデル」を確立。オール九州で活用できる種まきを着実に行っていきます!
由布院の観光は「my route」で!
『my route』で現在地から由布院までのルートを検索すると、「到着が早い」「料金が安い」「乗換が少ない」ルートが表示され、しかも飛行機、新幹線、バスなどのチケットの予約・購入もできます。さらに、ガイド開始ボタンを押すと案内もしてくれて、マップ上に知りたい周辺情報も表示。由布院ではmy routeでしか購入できないデジタルチケットもあるので、おトクに楽しく旅をしたければ、このアプリを使うのが一番!
JR九州 由布院駅
住所:大分県由布市湯布院町川北8-2
https://www.jrkyushu.co.jp/railway/station/1191928_1601.html