Toyota Virtual Plant Tour自宅にいながら特等席でクルマの製造工程を眺められる
トヨタバーチャル工場見学
トヨタ自動車が創業当初から行ってきた「工場見学」が大きな転換期を迎えています。2023年5月にスタートして話題となっている、自宅にいながら特等席で工場を見学できる新しい試み「トヨタバーチャル工場見学」を紹介します。
自動車が完成するまでの工程を
動画や詳しい解説とともに知ることができる
トヨタが新たにチャレンジするバーチャル工場見学とは?
トヨタ自動車は、創業当初から60年以上、豊田市内にある元町、高岡、堤という3つの工場を中心に、見学者に公開する工場見学ツアーが開催されつづけてきました。ちなみに近年は海外の見学者も多く、毎年13万人もの来場者があり、これまでの累計見学者数はなんと1330万人にものぼります。ところが新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2021年7月以降工場見学の中止を余儀なくされてきました。これは長い歴史の中でも異例のことだそうです。
そこでトヨタ自動車では、多くの見学希望の声に応えるべく、オンラインでの工場見学を企画し、ついに先日「トヨタバーチャル工場見学」というサイトを立ち上げました。
これまでの工場見学では安全の確保やさまざまな理由から組み立て工程を離れた場所からしか見学することができませんでした。もちろんそれでも実際に自動車が組み立てられていく光景は一見の価値があるのですが、「トヨタバーチャル工場見学」ではより近い視点で臨場感のある映像を楽しむことができるのがもっとも大きな特徴です。
https://global.toyota/jp/company/plant-tours/
数字でひも解く組み立て工程の秘密
そんな新しい「トヨタバーチャル工場見学」本編は是非ともご自身で確認してもらうとして、今回はそんな組み立て工程にまつわる数字をいくつか紹介していきましょう。
■その1「20」
これは何の数字かというと、1台の車両に使用されている鋼板の種類です。使う場所によって、硬い素材や変形しやすい素材を使い分けることで、乗員を保護する強靭なキャビンと潰れることで衝撃を吸収するクラッシャブルゾーンをあわせ持つ安全な車体を作り出すことができるのです。
■その2「4000」
これは車体を作成する際に必要となる溶接の箇所です。自動車の車体は前述の通り異なる性質の鋼板をプレスし、それぞれを溶接で接合して組み立てていきます。この組み立ての際に4000カ所も溶接をする必要があるのです。
ちなみに現在主流となっているモノコックボディは、この溶接によるパネルの接合によってボディの強度を確保しています。つまりこの溶接技術が非常に重要となるのです。
■その3「3000」
こちらは何の数字かというと、組み立て工程で車体に取り付ける部品の点数です。つまり自動車はおおよそ3000点の大小さまざまな部品によって構成されているということなのです。
約3000点もの部品が使用されていることにも驚かされますが、組み立てラインではその3000点の部品を正確に、指示書通りに組み付ける必要があります。これらのうち、ひとつでもしっかりと取り付けられていない部品があれば、即トラブルに直結してしまう重大な問題となります。そんな精密な作業にも驚かされますね。
■その4「1500」
こちらの数字は組み立てたあとの完成検査の際にチェックしなくてはならない項目の数だそうです。ちなみにこのチェック項目は車種によって異なるため、1500カ所はあくまで最低ラインでもっと多い車種もあります。
この検査工程は、資格を持った専門の検査員が行います。正しく部品が組み付けられているかのチェックはもちろん、塗装に傷はないか、メーターやライトは正しく動作するか、オイル漏れなどの不具合はないか、など多岐にわたります。この検査をしっかりと行うことで、オーナーの元にやってきたあとの車両のトラブルを防ぐことができるのです。
完成した車両は工場から出荷され、日本各地はもちろん、車種によっては海外にも旅立っていきます。
■その5「10000以上」
こちらは、国内の工場で完成し1日に出荷される台数です。つまり毎日10000台の車両が作られているということになります。こうしてみていくと1台の車両に数多くの作業員が関わっていて、多くの人の手で作り上げられていることがよくわかると思います。
「トヨタバーチャル工場見学」ではこのほかにも、工場内でのさまざまな数字が取り上げられています。そんな数字を気にしてみてみると、より一層バーチャル工場見学を楽しむことができると思います。是非とも自宅で楽しんでみてください!