TOYOTA KAIKAN MUSEUMトヨタ会館へ行ってみよう! 家族でもひとりでも楽しめる見どころ徹底ガイド
愛知県豊田市にあるトヨタ会館は、トヨタ自動車の本社に隣接し、無料で入場・見学できる展示施設です。ここでは、夏休みシーズンはもちろん、通年楽しめるトヨタ会館の楽しみ方を紹介します。
・トヨタ自動車本社に隣接した歴史ある展示施設
・最先端の環境性能と最新のエコカーを学ぶ
・いざという時の安全技術を学ぶ
・工場内で行われていることを学ぶ
・トヨタ自動車が目指す未来の姿を学ぶ
・館内には他にも展示スペースがいっぱい
・トヨタ車を自由にゆっくりと眺めて
・ミュージアムショップでお土産を
トヨタ自動車本社に隣接した歴史ある展示施設
トヨタ自動車の本社がある愛知県豊田市には、その名もトヨタ町という場所があります。そこはトヨタ自動車の本社や本社工場などが密集する、まさにトヨタ自動車の中枢部。今回紹介するトヨタ会館は、そんなトヨタ町のなかにあります。
トヨタの“今”を丸ごと、無料で楽しめる!
トヨタ自動車は、各地にさまざまな展示施設を所有していますが、トヨタ本社の脇にある展示施設はここトヨタ会館のみ。「会館」と聞くと、もしかすると少し堅い印象をもつかもしれませんが、ゆっくり見て回ると半日以上かかってしまうくらい驚くほど充実した展示内容で、老若男女問わず楽しめるスポットなのです。
元々、トヨタ自動車の40周年を記念して1977年に建てられた施設で、本社工場内で行われる工場見学の発着拠点という役割がありました。現在は、コロナ禍ということもあり工場見学はストップしていますが、かつては本社建物前のバス駐車場から工場へと見学者を運ぶバスが頻繁に行き来している光景を見ることができたそうです。
施設の広さはなんと22万7000㎡もあり、上空から見ると中央に中庭を持つロの字型をした、2階建ての建物です。さらに驚きなのは、トヨタ会館は入場料だけでなく、駐車場の利用料も無料なのです。
建物内に入ると、正面に吹き抜けの広いスペースが広がり、その中央に新型アルファードが展示されていました。ちなみに取材に訪れたのは、新型のアルファード/ヴェルファイアが発表された翌日のこと。まだまだ各ディーラーでも見ることができない最新モデルの展示とあって、来館早々ドアを開けて中を熱心にのぞいている人が数多く見られました。
新型アルファード、ヴェルファイアについてはこちらから。
・新型「アルファード」「ヴェルファイア」を発売
トヨタ会館内には、4つのテーマに沿った展示と子供向けの展示、さらにトヨタ、レクサス、GR(TOYOTA GAZOO Racing)というそれぞれのブランドの新型車両が展示されています。そして、記念グッズなどが買えるミュージアムショップや、話題のC+walkの試乗体験(要予約)もあり、見どころがあふれています。
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それでは、順路に沿って館内を進んでみましょう。
最先端の環境性能と最新のエコカーを学ぶ
最初のエリアは、「環境と感動(Eco & Emotion)」。その名の通り、最先端のエコカーやその仕組みなどを紹介するとともに、地球環境に優しいクルマ作りなどを考えるコーナーです。
エリアに入るとまず目に入るのが、2019年の東京モーターショーでお披露目されたLQの原型でもあるConcept-愛iの展示です。また、その奥には新型プリウスなどの車両展示と、プリウスに搭載されているハイブリッドシステムを解説する展示も行われていました。
奥を見ると、水素を燃料に動く燃料電池車MIRAIやBEVであるbZ4X、C+podなどトヨタ自動車がラインアップするエコカーを展示しつつ、それぞれが採用する方式の違いやメリットなどを解説しています。災害時にBEVから家庭に給電する仕組みなども詳しく解説されていました。
注目したいのは、MIRAIのボディを外し、水素タンクや燃料電池などを搭載したシャシーのみの展示。普段絶対に見ることができない水素タンクや駆動系パーツの配置などがわかる貴重な展示ですので、是非ともチェックしてみてください。
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いざという時の安全技術を学ぶ
次のエリアは、「安全と自由(Safety & Freedom)」がテーマ。ここでは最先端の安全技術やプリクラッシュセーフティなどの運転支援技術を紹介しています。
まず目に入ってくるのは、白い車体と白い背景が組み合わされた展示スペースです。こちらではプロジェクションマッピングを使って、投影された映像を見ながら、安全運転をサポートするさまざまな技術を解説しています。また、実際の車体をカットし、エアバッグや衝撃吸収エリアなどを紹介するコーナーもあり、自動車の安全技術を多角的に、わかりやすく学ぶことができます。
エリア内にあるセーフティシミュレーター体験コーナーも注目です。ドライビングシミュレーターを使用し、普段体験することができないトヨタの最新の安全運転支援技術がどうやって動作するのかをバーチャルで体験することができます。
シミュレーター体験は当日予約が必要ですが、無料で体験可能です。危険な状況をあえてシミュレーターで再現することで、実際の道路上では経験できないプリクラッシュブレーキが作動する瞬間を体験できる貴重な機会と言えるでしょう。
トヨタ工場内で行われていることを学ぶ
次のエリアのテーマは「生産と創造(Production & Creation)」です。このコーナーでは実際の自動車製造工場の中で行われている「プレス」、「溶接」、「塗装」、「組立」の4つの工程を紹介しています。
エリアに入るとすぐ目にするのが、地面に塗られたグリーンのラインです。これは実際の工場内にもあるもので、安全に移動することができるエリアを表しています。ここではこのグリーンラインの通りに歩くことで、順番に解説を見ることができる仕組みとなっています。
製造工程を解説する動画はマルチリンガルに対応しており、日本語のほか、英語、中国語でも解説動画を見ることができるようになっています。ちなみに動画だけでなく、館内の展示に添えられた解説文も基本的に日本語、英語、中国語が併記されており、多くの人に楽しんでもらえるようになっています。実際、取材時にも外国から訪れた来訪者が数多く訪れていたのが印象的でした。
また、トヨタの工場見学といえば、今注目をあつめているのが「トヨタバーチャル工場見学」です。トヨタ会館に訪れる際には、事前にこちらをチェックしておくとより深く楽しめるでしょう。
・自宅にいながら特等席でクルマの製造工程を眺められるトヨタバーチャル工場見学
トヨタ自動車が目指す未来の姿を学ぶ
4つめは「企業と社会(Company & Society)」をテーマとしたエリアです。ここではトヨタが目指す将来の姿やそれに向けた取り組みなどを、巨大スクリーンに投影された映像とともに紹介しています。
具体的な取り組みはもちろん、トヨタ自動車がサポートするスポーツアスリートやその活動を紹介するコーナーもあり、トヨタ自動車が行っている社会貢献についても幅広く学ぶことができます。
館内にはその他展示スペースもいっぱい
親子でワクワクできる展示スペース
1階の見学を終えたら、車両展示エリアに行く手前の階段から2階に行ってみましょう。ここではこども向けにクルマの仕組みや、クルマができるまでの工程説明、そしてリサイクルの取り組みなどをわかりやすく紹介しています。
展示物は見るだけでなく、実際にスイッチを押して動かしたり、クイズに答えたりしながら自動車の仕組みを学ぶことができるようになっており、こどもはもちろん、大人もついつい夢中に。夏休みの自由研究にも最適な内容となっており、親子で一緒に楽しみながら学ぶことができます。
トヨタ車を自由にゆっくりと眺めて
そして、最後に紹介するのが、車両展示エリアです。トヨタ、レクサス、そしてGRの各ブランドで販売されている車両が常時14〜15台展示されています。ここの展示車両の一番の特徴は、触ってもドアを開けても、そして運転席に座ってもOKということ。デビューして間もない車両はディーラーに行っても展示されているケースは少ないため、じっくり車内をチェックしたり、座り心地を試したりすることはなかなかできません。
今回の取材時には、トヨタ・センチュリーやレクサス・LCコンバーチブル、そして品薄状態が続いているランドクルーザーも展示されていました。こんな高級車でもドアを開けてシートに座ることができるのです。購入を考えている人はもちろん、クルマ好きにとってもたまらない空間ですね。
展示車両は常に入れ替わっていますが、最新の展示車両はトヨタ会館の公式サイト内に掲載していますので、気になる車種がある人は確認してみてください。
ミュージアムショップでお土産を
車両展示エリアを見下ろす2階部分にはミュージアムショップがあり、お土産やステッカー、キーホルダーなどのグッズが販売されています。
ここトヨタ会館でしか購入できないオリジナルグッズなどもあるのですが、なかでも注目は、ディーラーなどに色見本として置かれている実車同様に塗装されたカラーサンプルカーと呼ばれるミニチュアモデルです。あまり入手できないレアなモデルも、運がよければ入手できるか……!? エントランス付近ではなく2階にあるため、見逃しがちですが、訪れた際にはぜひチェックしましょう。
最後に、建物の中庭に面したガラス窓に気になる絵を発見したので紹介しましょう。
実はこれ、エイブル・アートと呼ばれるもの。障がいのある12人のアーティストが、「誰にでもスポーツを楽しめるように」という想いを込めて描いた絵で、中庭から差し込む陽の光に照らされて輝いていました。エイブル・アートは館内の複数の場所に展示されていますので、訪れた際はこちらも探してみてください。
トヨタ会館は、クルマで来館の場合、東名豊田ICより20分、伊勢湾岸道豊田東ICより10分とアクセス良好。併設された駐車場には無料で駐車することが可能です。電車の場合、愛知環状鉄道三河豊田駅よりバスやタクシーで5分程度、名鉄三河線土橋駅よりタクシーで10分程度となります。
愛知県豊田市トヨタ町1
電話番号:0565-29-3345
開館時間:9:30~17:00
休館日:日曜日、年末年始、ゴールデンウィーク、夏期休暇等
入場料:無料
https://www.toyota.co.jp/jp/about_toyota/facility/toyota_kaikan/
まだ行ったことがないという人はもちろん、行ったことがある人も何度も訪れてほしいトヨタ会館。これからの夏休みシーズンだけでなく、いつ誰と行っても楽しめる名スポットにぜひ足を運んでみてください。