Summer taste huntingスマホ&カメラを持ってでかけよう!
夏に行きたい「映え味覚狩り」の魅力

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味覚狩りといえば、春のイチゴや秋のキノコなどをイメージする人が多いでしょう。しかし、ゴールデンウィークから夏にかけては、桃やブドウなど、春や秋に負けず劣らずの魅力ある食材が旬を迎えます。今回おすすめするのは、収穫するだけではない“映え味覚狩り”。華やかな風景、おしゃれなカフェなど、スマホやカメラを持って行きたくなる味覚狩りスポットをご紹介します。夏の抜けるような青空を背景に、フルーツ狩りや美味しい料理を撮影すれば、旅の楽しさも倍増するはずです。

夏のフルーツ狩りは「品種ごとの味わい」を楽しめる

桃だけで100品種以上!? フルーツ狩りをしながら自分の好みを見つけよう

夏は各地で桃、ブドウ、梨などが収穫を迎えます。味覚狩りができる農園にもよりますが、多彩な品種を扱っていて、食べ比べができるのが大きな魅力といえます。「桃はやっぱり白鳳」、「ブドウはピオーネが美味しかった」など、産地に足を運ぶことでフルーツに関する知見も深まります。

またお盆期間などは、各地でさまざまなイベントが開催されています。足をのばしてイベントに立ち寄り、その土地のよさを堪能するのもよいでしょう。

夏は以下のようなフルーツが味覚狩りの旬となります(品種やエリアによって時期は異なります)。
・メロン(4~8月)
・マンゴー(4~7月)
・ブルーベリー(4~8月)
・さくらんぼ(5~7月)
・桃(6~9月)
・ブドウ(7~10月)
・梨(7~10月)
※出典元:「果実ナビ」https://www.kudamononavi.com/calendar/

ランチやお買い物はもちろん、夜は宿泊まで。数日間楽しめる味覚狩りスポット

味覚狩りにでかけたら、周辺のアクティビティやショッピングも見逃せません。旅の思い出になるグルメ情報や観光スポットなどの見どころも、あわせてご紹介します。

■山梨で桃狩りのあとは、絶品桃パフェ&大パノラマのヒマワリ畑へ

<おすすめ時期>
桃:6月中旬~9月中旬
ブドウ:5月下旬~10月下旬

(公社)やまなし観光推進機構

なぜ、山梨はフルーツの一大産地なのでしょうか?山梨は年間の日照時間が全国平均より高く(気象庁データより)、フルーツの甘みの元となるでんぷんが盛んにつくられること、また昼と夜の気温差が大きく、糖がフルーツの中に蓄えられること、年間の降水量が少なく土壌の養分の吸収率がよいことなどが挙げられ、甘くて美味しいフルーツが収穫される理由となっています。

とくに桃とブドウの生産量は随一で、最盛期の7~8月に収穫時期を迎えます。各地の観光農園では、フルーツ狩りを開催。桃の主な収穫体験エリアは山梨市、笛吹市、甲州市、南アルプス市。ブドウは甲州市、山梨市、笛吹市、甲州市、南アルプス市です。

山梨では、夏のフルーツの収穫時期に合わせて期間限定で農園カフェがオープンします。『桃農家カフェ ラ・ペスカ』(6月にオープン予定)もそのひとつ。桃農家・ピーチ専科ヤマシタが育てた新鮮な桃を使ったメニューが人気です。

看板メニューは、自家製の桃ジェラートと桃をまるごと一個使ったパフェ「ピーチ・ジュエル(1,680円)」。桃は適度に熟した柔らかさとジューシーな食感が好評で、毎年行列ができるほどの人気。農園では50品種以上の桃を育てていますが、そのときに最も美味しい品種をパフェに使うそう。また、コーヒークリームを使ったパブロバがたっぷりのった、桃とブドウによるプチパフェのコンビネーション「桃と葡萄のプレート(1,450円)」も、不動の人気を誇ります。

ピーチ・ジュエル
桃と葡萄のプレート

「桃は皮を剥くものと思われていますが、新鮮なものは身が締まっているので、産地では皮ごと食べるのが一般的です。果肉は皮に近いほど甘いのでそのままお召し上がりいただけます」とは、桃農家・ピーチ専科ヤマシタの担当者。なお、敷地内では採れたての桃を販売する直売所があります。

フルーツ狩りの帰りは、県北西部に位置する北杜市へドライブしてみてはいかがでしょうか。日本有数の日照時間の長さを誇る北杜市では、40万本のヒマワリを360度の大パノラマで楽しめる『北杜市明野(あけの)サンフラワーフェス』が、毎年7月下旬~8月下旬に開催されています。

会場では、4.3ヘクタールにもおよぶヒマワリ畑を自由に散策できるほか、出店やパフォーマンスなども行われます。壮大な山々を背景に、太陽に向かって一斉に花を咲かせるヒマワリはまさに圧巻。夏の記憶に残る絶景となるでしょう。

開催期間中は、Instagramを通じて「ほくとサンフェスフォトコンテスト」が実施され、入賞作品には北杜市農産物詰め合わせなどの景品が贈呈されます。いろいろな表情のヒマワリを撮影して、ぜひコンテスト入賞を目指しましょう!

<フルーツ狩りが体験できるエリア>
桃(ちよひめ、夢しずく、日川白鳳、白鳳、浅間白桃、一宮白桃、川中島白桃、黄桃など)
主な収穫体験エリア:山梨市・笛吹市・甲州市(石和・勝沼・西沢渓谷エリア)、南アルプス市(富士川流域・南アルプスエリア)
料金:施設により異なる
観光農園検索:https://www.yamanashi-kankou.jp/fruits/peach/index.html

ブドウ(デラウェア、巨峰、ピオーネ、ベリーA、ネオ・マスカット、甲斐路、甲州、ロザリオビアンコなど)
主な収穫体験エリア:甲州市(甲府・昇仙峡エリア)、山梨市・笛吹市・甲州市(石和・勝沼・西沢渓谷エリア)、南アルプス市(富士川流域・南アルプスエリア)
料金:施設により異なる
観光農園検索:https://www.yamanashi-kankou.jp/fruits/grape/index.html

桃農家カフェ ラ・ペスカ
山梨県山梨市正徳寺1131-1
電話番号:0553-34-5359
営業期間:毎年6月中旬~9月末頃(桃・ブドウの収穫状況によって変動あり)
営業時間:10:00~16:30(L.O)
休み:月曜(祝日の場合は翌日)
駐車場:24台
アクセス:中央自動車道・一宮御坂I.C.から車で約13分
https://www2.momo-net.co.jp/

北杜市明野サンフラワーフェス
メイン会場:山梨県北杜市明野町浅尾5664
農村公園会場:山梨県北杜市明野町上手13811
電話番号:0551-42-1112(北杜市明野サンフラワーフェス実行委員会)
開催期間:7月下旬~8月下旬(2024年は未定)
入場料金:無料
協力金:車1台1,000円
駐車場:あり(各会場)
アクセス:中央自動車道・韮崎I.C.から車で約18分
https://hokutosunfes.com/

■ブドウを収穫して、ワイン醸造を見学。はままつフルーツパーク時之栖(ときのすみか)

<おすすめ時期>
桃:6月中旬~7月下旬
ブルーベリー:7月中旬~8月中旬
ブドウ:7月中旬~8月下旬
リンゴ(つがる):8月上旬~8月下旬
梨:7月中旬~10月下旬

浜松市浜名区都田町に位置する『はままつフルーツパーク時之栖』は、東京ドーム約9個分の広い敷地を有する農業公園です。120種4,300本の果樹を栽培する果樹園のほか、レストランやバーベキュー場、キャンプ・グランピング施設、ワイナリー、子ども用アスレチック施設などがあります。

年間で約15種類ものフルーツが収穫できる果樹園では、1個から摘み取りをして購入できるので、たくさんの種類を少しずつ楽しみたい方におすすめ。夏は桃、ブルーベリー、ブドウ、梨などがメインですが、晩夏には珍しいイチジクの収穫も体験できます。また夏にも関わらず、冷涼な地域と比べて1カ月ほど早くリンゴが収穫でき、ひと足早く秋の味覚を感じられます。

はままつフルーツパークには、浜松市で唯一ワインの醸造を行う『トロピカルワインカーヴ』があります。

「当施設ではオリジナルワイン『フルーツパークワイン』を醸造しています。白ワインはグレープフルーツやライムのような酸味がかった香りで、豊かな酸味があり、さわやかな味わい。赤ワインは甘い果実や花のような華やかな香りで、果実味が豊かで酸味が少ない辛口ワインです。そのほかにも、世界中のさまざまなワインを取り揃えていますので、ぜひお立ち寄りください」とは、はままつフルーツパーク時之栖の広報担当者。

食事時はバーベキュー場へ。緑に囲まれたバーベキューガーデンがあり、新鮮な肉や国産野菜を楽しむことができます。屋内なので強い日差しが避けられるのもうれしいところ。園内ではほかに、本格的な釜焼きピザを食べられるピザ工房やランチバイキングを開催するレストランもあります。

夜はキャンプ場に宿泊してみるのはいかがでしょうか。テントを設営できるだけでなく、グランピング施設も用意されているので、キャンプ経験がない人も気軽に泊まれるのが魅力。ランタンの灯に包まれたキャンプ場の夜景は、シャッターチャンスとなります。場内には高濃度炭酸泉が沸く大浴場があり、檜の浴槽で心ゆくまでリラックスでき、所定の場所であれば手持ち花火も楽しめます。

8月下旬には納涼祭が予定されています。公式サイト・SNSの発表を確認してみてください。

はままつフルーツパーク時之栖
静岡県浜松市浜名区都田町4263-1
電話番号:053-428-5211
開園時間:9:00~18:00(果樹園ゾーンは17:00まで)
※季節によって変動
休み:無休
入園料:
高校生以上:730円
小学生以上:360円
未就学児:無料
駐車場:800台(無料)
アクセス:新東名高速道路・浜松浜北I.C.から車で約20分
https://hamamatsu-fp.co.jp/

<フルーツ狩りの利用料金>
桃(ちよひめ、ちよまる、八幡白鳳、あかつき、大和白桃、夏っ娘、大紅蟠桃など)
110円/100gあたり(参考価格:1玉約300円)

ブルーベリー
380円~/100gあたり(参考価格:1パック約400円)

ブドウ(ルビーオクヤマ、ピオーネなど)
温室310円~、露地220円~/各100gあたり(参考価格:温室1房約1,600円、露地1房約880円)

リンゴ(つがる)
62円~/各100gあたり(参考価格:1玉約120円)

梨(幸水、豊水、静喜水、あけみず、筑水、愛甘水、長十郎、菊水、新高、豊月、愛宕、新雪)
温室130円~、露地60円~/各100gあたり(参考価格:温室1玉約450円、露地1玉約200円)

■野菜たっぷりランチに温泉まで! 道の駅・神戸フルーツ・フラワーパーク大沢

<おすすめ時期>
桃:7月下旬~8月上旬
ブドウ:8月上旬~9月上旬
梨:8月中旬~9月中旬

六甲北有料道路近くにある『道の駅・神戸フルーツ・フラワーパーク大沢(おおぞう)』は、西日本随一の広さを誇る道の駅です。遊園地やゴーカート、温泉、バーベキュー場、ドッグランなど、ここだけで一日中遊べるのが魅力。入園料は無料です。

敷地内には広大なフルーツガーデンがあり、7月下旬~11月上旬にかけてフルーツ狩りが楽しめます。夏季に収穫できるのは、桃(白鳳)、ブドウ(紫玉、ピオーネほか)、梨(豊水、幸水)など。特にブドウの紫玉、ピオーネは、甘味が強くてジューシーな品種。皮が剥がしやすく食べやすいので、初秋のデザートにぴったりです。

2023年までは、桃狩りの際は人数や時間の制限が行われていましたが、2024年は解除される予定です。ここで味覚狩りを楽しんだ後は、地元の食材をたっぷり使ったレストラン『FARM CIRCUS SHOKUDO』へ。平日限定で開催される「農家ビュッフェ」が好評で、1,500円で10種類以上の惣菜を好きなだけ楽しめます。

旬の食材を使ったヘルシーなメニューが多く、日頃の野菜不足を補えるのがうれしいところ。土・日祝日は、手づくりの『北神みそ』が自慢の味噌汁や、地元産のお米を使った「季節の農家ごはん」をいただけます。

ランチの後は、お土産を買いにマーケットに立ち寄ってみましょう。近隣農家から採れたての野菜やフルーツを仕入れているので、地元の新鮮な食材が手頃な価格で手に入ります。生鮮食品以外も充実しており、神戸が発祥と言われるウスターソースは、現地にある7社すべてのメーカーを揃えるなど、食品・食材が常時700種以上も並びます。

敷地内のホテル「神戸ホテルフルーツ・フラワー」の館内には温泉施設があり、宿泊をしなくても日帰りで入浴が楽しめます。関西エリアを代表する有馬温泉と同じ泉質である神戸大沢温泉は、腰痛、関節痛、疲労回復などによいといわれています。金色に輝くお湯は、源泉かけ流しの天然温泉。ゆっくりと日頃の疲れを癒しましょう。

パーク内を散策するのもおすすめです。「フラワーパーク」の名の通り、園内では四季折々の花を楽しめます。夏にはヒマワリはもちろん、サルビア、ペンタス、アンゲロニアなどが、暑さに負けじと咲き誇る姿は見事です。

ほかにも、収穫体験やジャム作りなど、夏にはさまざまなイベントが用意されています。事前に公式サイトを確認することをおすすめします。

道の駅神戸フルーツ・フラワーパーク大沢

兵庫県神戸市北区大沢町上大沢2150
フルーツ狩りについての問い合わせ:078-954-1010(神戸農政公社:問い合わせ時間は9:00~17:00)
フルーツ狩り開園時間:10:00~16:00(予約不要。受付は 15:00 まで)、土・日祝日10:00~16:30(予約不要。受付は 15:30 まで)
休み:無休
駐車場:道の駅駐車場560台、障害者用12台
アクセス:六甲北有料道路・大沢I.C.から車で約7分
https://fruit-flowerpark.jp/

<フルーツ狩りの利用料金>※令和6年度から価格改定あり
梨(豊水、幸水)
利用料金:大人1,800円、子ども1,200円
おみやげ:80円/100gあたり

桃(白鳳)
利用料金:大人2,000円、子ども1,500円
おみやげ:150円/100gあたり

ブドウ(紫玉、ピオーネほか)
利用料金:大人2,000円、子ども1,500円
おみやげ:200円/100gあたり
※上記のほか、ハサミの保証金(500円/本)が別途必要。保証金はハサミ返却時に返金

リンゴ
利用料金:大人1,000円、子ども800円
おみやげ:60円/100gあたり

服装や持ち物はどうすべき?
夏の味覚狩りの心得とは

熱中症対策が第一! 履き物に気をつけて虫除け対策も行おう

夏に味覚狩りに行く際に、どのようなことに気をつけるべきでしょうか。

夏の装いは肌の露出が多くなりがちですが、味覚狩りの際は枝などで腕が傷つかないよう、薄手のパーカーやカーディガンを羽織ることをおすすめします。また下半身は、脚を伸ばしたりかがんだりすることが多いので、ゆとりのあるズボンを穿き、虫刺され対策として半ズボンは避けましょう。

はままつ味覚パーク時之栖・広報担当者は「第一に熱中症対策をお願いします。タオル、帽子、飲み物は必須になります。またサンダルなどではなく、歩きやすいスニーカーがベターです」と話します。また、道の駅神戸・フラワーパーク大沢の担当者さまが「雨の後は長靴の持参をおすすめします」というように、汚れてもいい長靴や履き替え用のスニーカーを車に入れておくのがいいでしょう。

さらに、ベストショットを狙うために一箇所にとどまる場合は、虫除けスプレーや日傘、ポータブル扇風機、レジャーシートなどもあると便利です。特に虫除けは味覚狩りにおいても必須。最近では防虫加工を施したパーカー、ソックスなども発売されているのでチェックしてみてください。

暑さ・虫刺され対策に気をつけながら、素敵な“映え味覚狩り”で夏を堪能しましょう。

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