水耕栽培のすすめ――室内で育てた野菜を食する水耕栽培で始める 野菜のある、ていねいなくらし

自分の手で愛情を込めて育てた野菜やハーブで、日々の食卓を彩る。そんなていねいな時間を過ごせたら、きっとくらしはもっと豊かになるはずです。今大注目の「室内ミニプランター」は、広いベランダや庭がなくても室内で手間なく清潔に楽しめる、“新しい家庭菜園”スタイル。初心者にもおすすめの水耕栽培キットとともに、“育てるくらし”の魅力をご紹介します。
Text:Reico Watanabe
Edit:Yasumasa Akashi(pad)
土を使わず野菜を育てる
都市部や集合住宅では、土の管理やスペースの確保が難しく、家庭菜園を始めたくてもなかなか一歩を踏み出せない方も多いかもしれません。土を使わず野菜やハーブを育てる水耕栽培は、手間もほとんどかからず衛生的で、インテリアとの相性も抜群。現代のライフスタイルに合った家庭菜園として、人気を集めています。
今回、広く家庭用水耕栽培キットを扱う専門店「エコゲリラ」に、水耕栽培について色々と教えてもらいました。
コロナ禍のおうち時間で一気に注目が集まった家庭での水耕栽培ですが、意外なことに、40代以上の男性ユーザーが増えつづけているというのも特徴とのこと。単なる健康志向にとどまらず、“野菜を育てる”という行為には、「くらしを整える」「自然とのつながりを感じる」など、日々時間に追われる現代人の心を満たしてくれる要素があるのかもしれません。

水と光で育てる水耕栽培には、さまざまな栽培キットが用意されているので初心者でも始めやすく、管理方法もいたってシンプルです。最近では、デザイン性に優れた室内用プランターも増え、リビングやキッチンの一角に置くだけで癒し効果が得られます。季節の変化に左右されにくいので、年中通して楽しめるのも室内栽培の魅力です。
水耕栽培に最低限必要なもの
・栽培容器:お好きな容器やトレーでOK!専用のものだとより育てやすいです。
・培地:種から育てる場合は、水と酸素を保持するスポンジを使用します。
・種子:農薬を完全に使っていない有機種子を使いたいですね。
・液体肥料:土から取れない栄養素を補います。
そして、水と日の光です。自然光の目安は6時間以上。夏場、強すぎる直射日光は葉が焼けることもあるので、その場合は遮光ネットなどで調整しましょう。

参考価格:3,520円(税込み)
「エコゲリラ」で一番人気のエントリーキット。最低限必要なものがセットになっています。約1カ月で食べることができるサイズまで成長します。

参考価格:999円(税込み)
もっと手軽に始めてみたいならこちら。ブロッコリースプラウトは成長が早く、栄養も豊富。手軽さとコスパのよさで、初心者に最適です。
水耕栽培の主なメリット
・清潔で手間が少ない:土を使わないため、虫がわきにくく掃除も簡単です。
・省スペースで楽しめる:キッチンやリビングの一角にも置けます。
・収穫が早い:土の抵抗がない分、根がよく育ち、成長もスピーディー。
・無農薬で育てやすい:土からくる病害虫のリスクが少ないため、農薬いらずで安心。
・連作もOK:土と違い、洗えばすぐ次が育てられます。
さらに、LEDライトを活用すれば、日当たりの少ない室内でも十分に栽培が可能。現代の住環境やライフスタイルに即した、新しい“育てるくらし”が叶います。
初心者にも育てやすい野菜 葉物野菜・ハーブ・スプラウト
水耕栽培では、葉物野菜やハーブ類、芽野菜(スプラウト)などが特に人気とのことです。比較的短期間(最短で1週間程度)で収穫できるので、料理に使いやすい種類を選べば日々の楽しみも広がります。さらに、子どもや孫と一緒に野菜を育てることで、「これってどんな味かな?」「葉っぱが伸びてきたね」と食育や会話のきっかけになるだけでなく、野菜が苦手な子どもでも自分で育てた野菜なら「美味しい」と感じ、自然と「残さず食べよう」という気持ちになり、苦手を克服できるケースも多いのだとか。
●人気の葉物野菜(成長が早く、失敗しにくい)
・ベビーリーフ
・水菜
・青しそ
・小松菜

●人気のハーブ類(香りがよく、インテリアにもおすすめ)
・バジル
・ミント
・パクチー
・チャイブ
●人気の芽野菜(栄養価が高く、成長も早い)
・豆苗
・ブロッコリースプラウト
・アルファルファ

小さな芽が出る瞬間、葉がふわりと広がる様子、収穫して食卓に並ぶ喜び――。ひと鉢ひと鉢の中に、想像以上の“豊かさ”が詰まっています。
くらしに馴染む、おすすめの水耕栽培キット4選
ここからは、「エコゲリラ」おすすめの、デザイン性や機能性に優れた人気の水耕栽培キットをご紹介します。いずれも、家庭菜園デビューにピッタリのモデルです。
1|「LED 水耕栽培キット Akarina01RN(アカリーナ OMA01RN2)」
参考価格:36,080円(税込み)

サイズ:高さ約35センチメートル×直径約32センチメートル
2|「LED 水耕栽培キット Akarina05(アカリーナ OMA05)」
参考価格:17,380円(税込み)

サイズ:高さ35.2センチメートル(取手部分を寝かせた状態)×幅47センチメートル×奥行き17.3センチメートル
3|「水耕栽培キット ホームハイポニカ MASUCO(マスコ)」
参考価格:20,350円(税込み)

サイズ:高さ約26.3センチメートル×幅約40センチメートル×奥行き約39.6センチメートル
4|「水耕栽培キット ホームハイポニカ PLAABO(プラーボ)」
参考価格:11,880円(税込み)

サイズ:高さ約53センチメートル×幅約80センチメートル×奥行き約24センチメートル
育てることで、毎日が少しだけ豊かになる
野菜を育てることは、単なる趣味や食材の確保のみに留まらず、「食への意識が変わる」「家族との会話が増える」「成長を見守る楽しみができる」など、日々のくらしにメリットをもたらしてくれます。デスクや食卓の片隅にグリーンを添えるだけで、空間の空気もやわらぎ、気持ちもおのずと整うこと請け合いです。
「野菜を育てるのは難しそう」「手間がかかりそう」と尻込みしている方にこそ、この“新しい家庭菜園スタイル”をご提案します。特別な知識や庭は必要ありません。まずはお気に入りのキットをひとつ手に入れ、そばに置いてみる。水を足し、葉の成長を見守る。そして大切に育て無農薬の野菜を美味しくいただく。その小さな積み重ねが、いつしか欠かせないルーティンになることでしょう。ぜひ、あなたの毎日に“育てるよろこび”を取り入れてみてはいかがでしょうか。
※今回ご紹介した商品はすべて水耕栽培専門店「エコゲリラ」で購入可能です。参考価格(税込み)は2025年8月時点での同ショップでの価格になります。
取材協力
水耕栽培専門店「エコゲリラ」
URL:https://eco-guerrilla.jp/