豊かな生態系が育まれている場所山梨県北杜市白州町にサントリーが守る豊かな森を訪ね、美味しい水の秘密を探るドライブ旅へ

ミネラルウォーター市場で圧倒的なシェアを誇るのが、「サントリー天然水」。良質な地下水を育み、美味しい天然水をつくるために、サントリーが水源エリアで行っているのが、森と生物多様性を保全・再生する「サントリー 天然水の森」活動。今回は山梨県のサントリー天然水 南アルプス白州工場を訪ね、「サントリー天然水〈南アルプス〉」を育む緑豊かな森を歩きました。山の自然を感じるドライブスポット情報とともにお届けします。
Text:Kiyoshi Shimizu(lefthands)
Edit:Shigekazu Ohno(lefthands)
Photo:Takao Ota
「ユネスコエコパーク」に登録された自然豊かな土地
「サントリー天然水〈南アルプス〉」は、南アルプスの麓にある山梨県北杜市白州町のサントリー天然水 南アルプス白州工場(以下、天然水工場)で生産されています。標高3,000メートル級の山々が連なる南アルプスは、2014年に生物圏保存地域「ユネスコエコパーク」に登録された自然豊かな土地。その山々に降った雨や雪が森の大地に深く染み込み、花崗岩層でゆっくりと磨かれ、20年以上の歳月をかけて天然水になります。

まろやかで飲みやすく、ウイスキーを割ったり、お出汁にしたり、あるいはお米を炊いても美味しくなるといわれていますが、その秘密はカルシウムとマグネシウムの含有量を表す硬度にあります。「サントリー天然水〈南アルプス〉」の硬度は約30mg/Lの軟水。水道水の平均的な硬度が約49mg/Lなので、かなり軟らかな水といえますが、それを育んでいるのが南アルプスの山々なのです。

南アルプスの山々を形成する花崗岩は、地下深くでゆっくりと冷やされて固まったものなので、結晶が大きく、風化しやすいという特徴を持っています。風化した部分は水を通すため、地下水を育む力はとても大きいのですが、その反面、もろく、斜面崩壊が起きやすいという欠点もあります。また、花崗岩の風化によって地表がむき出しになっている場所では、表面の砂がサラサラと流れ落ちてしまい、周囲から飛んでくる種などが定着せず、植物も育ちません。森を、健全な状態で維持することが難しい地質であるといわれています。

天然水を育む豊かな森づくり
そこで、サントリーは2008年から天然水工場・白州蒸溜所の周辺の森、合計約180ヘクタールを「サントリー 天然水の森 南アルプス」として指定し、現在までに約2,000ヘクタール以上の森林整備活動を行い、天然水を育む豊かな森づくりに取り組んでいます。
活動の主な目的は、水源涵養と生物多様性の向上。水源涵養機能とは、森林が水資源を蓄え、育み、守る働きのこと。森林に降った雨の一部は植物の根から吸い上げられ、土壌に浸透して地下水になります。しかし、森が荒れて水源涵養機能が低くなると、水は地下に浸透しにくくなり、川に流れてしまった水が土砂災害を引き起こす一因にもなってしまいます。サントリーでは専門家や地域の方々の協力を得て、健全な森を育て、保護するための活動を行っているのです。

フカフカな土が美味しい水の源
今回、「サントリー 天然水の森 南アルプス」の一部を、特別に歩かせていただきました。案内してくださったのは、天然水にかかわる仕事に長年携わっている日下部 健さんです。スタート地点は、神宮川に沿った山道の入口。天然水工場のすぐ裏手でありながら、そこはすでに深い森の中でした。清冽な流れを見下ろし、至るところに大きな花崗岩が鎮座している森を歩きながら、日下部さんが教えてくれたのは、「いい水をつくるためにもっとも大事なのは、森のフカフカな土」ということ。そのため、定期的に山を調査し、山肌が崩れている場所はないか、間伐が必要な森はないか、どんな種類の木を新たに植えたらいいかなどを検討し、手を入れているのだといいます。さまざまな種類の木が生えた森では多様な落ち葉が堆積し、土壌生物や微生物の力によって雨水が浸透しやすい土壌になるからです。森の土を触ってみるとしっとりとした感覚が伝わり、しっかりと肥えたミミズの姿も。土が元気な証です。
陽ざしが降り注ぐバードサンクチュアリ

森が元気であれば、それを糧とし、寝ぐらとする生き物も多様になり、安定した生態系ピラミッドができあがります。サントリーは野鳥が「環境のバロメーター」であると考え、生息調査を行い、そのデータを森林整備のひとつの指針として活用する愛鳥活動を行っています。さらに、白州蒸溜所内に野鳥の保護区「バードサンクチュアリ」を設け、野鳥の観察路が巡らされています。この森にはルリビタキ、オオルリ、カワセミ、シジュウカラ、フクロウなど年間50種類以上の鳥が訪れ、運がよければ森の生態系の頂点に君臨するオオタカの姿を見ることもできるそうです。

鳥のさえずりを聞きながら森を歩いていると、日下部さんが拾って見せてくれたのは「森のエビフライ」。何かと思ったら、リスが松ぼっくりの「かさ」の内側の種子を食べ、芯の部分を地面に落としたものだそう。確かに、どことなくエビフライに似ています。
長い年月をかけ、多くの人の手によってより豊かな生態系が育まれている白州の森。日下部さんは「我々は森の成長を少しお手伝いしているだけです」と笑顔で話してくれました。
サントリーが行っている「サントリー 天然水の森」プロジェクトは2025年現在、全国16都府県の26カ所に拡大し、総面積は12,000ヘクタールを超えています。そして驚いたことに、全国の「サントリー 天然水の森」では、国内工場でくみ上げる地下水量の2倍以上の水が育まれているといいます。

衛生管理を徹底させたサントリーの天然水工場
森を歩いたあとに、天然水工場を見学させていただくことに。24時間稼働する広大な工場内には、人の姿がほとんどありません。衛生管理を徹底させるために、工程によっては人の出入りを極力抑えているとのこと。しかし、最後は水のエキスパートが厳しい品質検査を行い、「美味しい水」を守っているといいます。

ペットボトルは、PET樹脂のペレットからつくられる小さな試験管のような形をしたプリフォームを材料に、高圧空気と熱を用いて膨らませて成形するもので、ペットボトルに比べ、輸送するトラックの台数を1/10にまで減らし、環境負荷を削減することができるといいます。

20年という長い年月をかけて森が育んだ天然水は、飲料水として私たちの喉を潤すだけでなく、世界的にも評価の高いシングルモルトウイスキー「白州」の製造工程では、仕込水(マザーウォーター)として使われています。皆さんも、この美味しい水のふるさとである白州の森を歩き、守るべき自然について一緒に考えてみませんか。
見学ツアー
サントリー天然水 南アルプス白州工場では、見学ツアーを随時受け付けています。
なお、2025年11月5日(水)から、施設メンテナンス工事のため、工場見学は休止。再開のスケジュールについては、決まり次第ホームページで公開されます。詳しくはホームページ、もしくはお電話でご確認ください(※工場への入場にはご予約が必要となります)。
サントリー天然水 南アルプス白州工場
住所:山梨県北杜市白州町鳥原2913-1
電話番号:0551-35-2211(電話受付時間:9時30分~16時30分)
営業時間:9時30分~16時30分(最終入場16時)
休業日:年末年始・工場休業日(臨時休業あり)
アクセス:中央自動車道・小淵沢I.C.から約20分
駐車場:あり
URL:https://www.suntory.co.jp/factory/water/
※20歳未満の方のみでのご来場はお断りしております。
※飲酒運転・20歳未満の飲酒は法律で禁じられております。お車・バイク(同乗者含む)・自転車を運転してご来場の方、20歳未満の方はお酒を召しあがることができません。
足を延ばして訪れたい、白州近隣のドライブ&観光スポット
ここまで白州の森を紹介してきましたが、せっかくなら足を延ばすついでに訪れたい、近隣のドライブスポットについてもお伝えしましょう。雄大な自然に抱かれて、大人も子どもも楽しめるスポットや、歴史に触れる街並み、ゆったりくつろげる温泉宿など、魅力あふれる場所がいくつもあります。
尾白の森・名水公園べるが

サントリーの天然水工場から、わずか5キロメートル足らず。山梨県北杜市にある「尾白の森・名水公園べるが」は、「名水・森・人」をテーマにした発見型自然公園として、大人から子どもまでが自然に触れ合いながら思い切り遊べる多種多様な施設を揃えています。
「日本名水百選」にも指定される尾白川の清らかな水と豊かな森に囲まれた敷地に点在するのは、キャンプ場、噴水公園、レストラン、BBQ場、グランピング場、貸切テントサウナ、日帰り温泉「尾白の湯」など。露天風呂からは八ヶ岳や南アルプスの山々を望むことができ、運転の疲れを癒しながら、心まで解放されるウェルネスなひとときが味わえます。

温泉施設内のお食事処や、軽食とパンとカレーの店「Le Alpi」でゆっくり食事を楽しむのもいいですし、テイクアウト専門店「どんぐり」で、人気のソフトクリームを買って、またドライブを続けるというのもいいでしょう。季節によってさまざまな体験イベントも実施しているので、ぜひ事前にホームページを確認しておきましょう。
尾白の森・名水公園べるが
住所:山梨県北杜市白州町白須8056
営業時間:9時~17時(総合案内所、売店)
※施設によって営業時間が異なります。
定休日:水曜日(※水曜が祝日の場合は翌木曜休み )
利用料金:施設によって異なります。
アクセス:中央自動車道・須玉I.C.から約20分
駐車場:あり
URL:https://www.verga.info
台ヶ原宿

こちらもサントリーの天然水工場から5キロメートル足らずの近場にある、人気の観光スポット。「尾白の森・名水公園べるが」から、少し山を下った辺りにあるのが、江戸時代に甲州街道の宿場として栄えた「台ヶ原宿」です。
昔にタイムスリップしたかのような感覚が味わえるのは、当時のたたずまいを今に伝える酒蔵や和菓子店といった老舗が立ち並ぶ景色のおかげ。そぞろ歩きしながら、まだクルマがなかった時代の旅人の姿や旅のスタイルに想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
台ヶ原宿
住所:山梨県北杜市白州町台ヶ原
電話番号:0551-42-1471(白州総合支所地域振興課)、0551-42-1351(北杜市役所観光課)、0551-30-7866((一社)北杜市観光協会)
アクセス:中央自動車道・小淵沢I.C.より約20分
駐車場:あり
URL:https://www.hokuto-kanko.jp/spot/daigaharajuku/
グランドメルキュール八ヶ岳リゾート&スパ

サントリーの天然水工場から北東におよそ17キロメートル。八ヶ岳連峰の最高峰として知られる赤岳(標高2,899メートル)の麓にたつ温泉リゾートが「グランドメルキュール八ヶ岳リゾート&スパ」です。

標高およそ1,000メートルの高地に位置することもあり、空気の清らかさと眺めのよさは抜群。ホテル7階からさらに階段を上がった屋上にある「八ヶ岳SoRaデッキ&天体ドーム」では、日中は八ヶ岳や富士山、南アルプスの絶景が眺められるほか、夜には満天の星に包まれる体験も。


エレガントな内装と、周囲の山々に包まれるかのような眺めが魅力のレストラン。地元山梨県産の食材などを使った和洋中さまざまな料理が、朝晩ともにビュッフェスタイルで楽しめます。フリーフローで提供される、アルコール類も含めたドリンクも人気の的です。

山の清らかな空気と眺めにも癒される露天風呂で、美人の湯として知られる「ナトリウム炭酸水素塩泉」を堪能したら、広さ36平方メートル以上のゆったりした空間が魅力の客室で、山の景色に包まれながらの心安らぐひとときを。翌朝には長距離運転の疲れがすっかり取れていることでしょう。
四季折々の自然が私たちを魅了する、山梨県白州エリア。ぜひ、家族や大切な人と一緒のドライブ旅で、ただ楽しいだけでない、知的好奇心をも満たす体験にであってみませんか。
グランドメルキュール八ヶ岳リゾート&スパ
住所:山梨県北杜市大泉町西井出8240-1039
アクセス:中央自動車道・長坂I.C.から約15分
駐車場:あり
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