マスターズ連覇マキロイのアイアンスイングをAIで解析! タイガーと共通する「右足ベタ足」のインパクトが高い再現性を生んでいた
スイング動画をAIによる3D解析技術でデータ化することができる、コーチ専用のゴルフスイング解析アプリ「スポーツボックスAI」。このアプリを活用しているゴルフコーチ・北野達郎氏に、「マスターズ」で見事に連覇を成し遂げたローリー・マキロイのアイアンスイングを解説してもらった。
こんにちは。スポーツボックスAI 日本アンバサダーの北野達郎です。今回はゴルフの祭典「マスターズ」で、ジャック・ニクラス、ニック・ファルド、タイガー・ウッズに続く史上4人目の連覇を成し遂げたローリー・マキロイ(以下、マキロイ)の後方からのアイアンスイングをスポーツボックスAIのデータと共に解説させていただきます。
今回注目するのは、マキロイのアイアンスイングの特徴の中で、「右足ベタ足のインパクトで、骨盤の位置が変わらない」点。2001年~2002年に連覇を達成しているタイガー・ウッズ(以下タイガー)やアマチュアとの比較もあわせて解説していきます。
右足ベタ足のインパクトで、骨盤の位置が変わらないのはタイガーとの共通点
まずはマキロイとタイガーのインパクトを比較してみましょう(タイガーのスイングは2000年代前半の全盛期のスイングです)。
両者に共通しているのは「右足かかとが浮かずにベタ足でインパクトしている」点です。右足かかとが浮かずにインパクトすることで、骨盤の位置が変わりにくくなります。
「Pelvis Thrust」(以下、骨盤の前後の位置)は、骨盤がアドレスの位置から前後にどれだけ移動したか?の距離を表します(マイナスは背中側へ、プラスはボール側へ。アドレスの位置を0とします)が、インパクトでの骨盤の位置を比較すると、マキロイがマイナス0.1センチメートル、タイガーがマイナス1.2センチメートルで、両者とも骨盤の位置がほとんど変わらないのがわかります。
スポーツボックスAIが独自で調査した、インパクトでの骨盤の前後の位置の海外男子ツアーレンジは、マイナス2.3センチメートル〜プラス4.3センチメートルですので、両者とも骨盤の位置の変化が少ないタイプであることがわかります。骨盤の位置の変化が少なくなると、それだけ打点のズレも減り、インパクトの再現性が高まる効果があります。
なぜ、骨盤が前に出ると良くないのか?
続いて、アマチュアとマキロイを3Dアバターで比較してみましょう。 画像左のアマチュアはインパクトで右足かかとが浮いて、骨盤の前後の位置はプラス9.2センチメートルと、画像右のマキロイに比べて骨盤の位置の変化が大きいことがわかります。
それでは、「なぜ骨盤が前に出ると良くないのか? 」を解説します。1番の理由は、「骨盤が前に出ることで手元が浮き上がり、インパクトでのライ角の変化が大きくなる」からです。
「Shaft Angle DTL」(以下、シャフト角度)は、インパクトでの後方からのシャフトの角度を表します(地面と平行が0度、地面と垂直を90度とします)。
画像左のアマチュアのシャフト角度は59度に対して、画像右のマキロイは56度で、アマチュアに比べてマキロイは手元の位置が低く、シャフト角度もよりフラットであることがわかります。
骨盤が前に出て手元が浮き上がることでインパクトでのシャフト角度の変化が大きくなるほど、シャフトの「トウダウン」も増えますので、トウヒットやヒールヒットといった「左右の打点のズレ」も起きやすいことに加えて、クラブの最下点も不安定になり、ダフリやトップといった「上下の打点ズレ」も起きやすくなります。
マキロイやタイガーのように「右足かかとがインパクトまで浮くのを抑える」ことで、骨盤の位置や打点のズレも少なくなる効果を期待できますので、この点はアマチュアの方も是非、参考にしてみて下さい。
