ゴルフ情報の収集に余念がないゴルフ大好きライター鶴原弘高が、
同好の士にお薦めせずにはいられないコトやモノをお伝えします。

2016年10月記
ゴルフコラム 第7回

ジャパンメモリアルゴルフクラブ

文/写真・鶴原弘高

ゴルファー垂涎の地、兵庫県三木市。なかでも好立地にあって訪れておくべきなのが、過去8回にわたって「サントリーレディスオープン」を開催していたジャパンメモリアルゴルフクラブだ。

ゴルファーに自分の至らなさを気付かせ、ワンランク上に引き上げてくれる

本文を読む

兵庫県三木市は、ゴルファーには垂涎の地である。市内に数多くのゴルフ場が造成されていて、どのコースでプレーすべきか悩ましい。そのなかでも好立地にあって訪れておくべきなのが、1990年に開場したジャパンメモリアルゴルフクラブだ。

好立地というのは、高速道路のICから近いというだけではない。関西にはトリッキーな山岳コースが多いが、こちらは比較的なだらかな丘陵コース。適度な高低差があってゴルフコースを造成するにふさわしい地形に、かのジャック・ニクラウスが設計した18ホールが自然と共生するように横たわっている。

過去8回にわたって「サントリーレディスオープン」を開催。近年では「日本プロゴルフシニア選手権」、「ミュゼプラチナムオープンゴルフトーナメント」の戦いの舞台にもなったコースは、いかにもニクラウスらしさを味わえるホールレイアウトになっている。では、ニクラウスらしさとは何か。

本文を読む

僕は日本とアメリカで、これまでにいくつかのニクラウス設計コースをラウンドしている。ゴルフコースというのは造成される時代によって、デザインの流行や潮流が反映されるものだが、ニクラウスのコースには一貫したデザイン哲学があるように思う。彼が造ったコースは、とてもフェアなのである。

僕がジャパンメモリアルGCを訪れた日は、朝からあいにくの雨模様。聞けば、春にはコース内の随所に植えられた花がゴルファーの目を癒し、秋には紅葉が美しいという。ジャパンメモリアルGCのフェイスブックのウェブページには晴天の美しい写真が掲載されているので、ぜひご覧になっていただきたい。少し残念なのは、いくつかのホールで送電線が目に入ることだが、日本の山間に造成されているコースにおいては致し方ない。もちろんプレーには支障がなく、コースに対峙していればさほど気にはならない。

本文を読む

全体的にフェアウェイの幅が狭めになるように芝が刈り込まれているが、ホール自体は広めである。ティショットはフェアウェイバンカーにさえ気を付ければ、さほどプレッシャーを感じずに打っていける。ジャパンメモリアルGCは右サイドにOBラインが多く、フッカーのほうが攻めやすいのも特徴のひとつ。グリーンが極端に大きくないのは、いかにもニクラウスの設計らしいところ。いくつかのグリーンにはスプーンでえぐったような傾斜があるが、キャディのアドバイスどおりに攻めれば避けることができるはずだ。

ニクラウスが設計するコースは、しっかりとしたコースマネジメントを持つショット巧者が良いスコアを出せるように造られている。ニクラウス自身がショットメーカーであり、スコアを決めるのはパッティングではなく、計算された正確なショットだと考えているからだろう。ここジャパンメモリアルGCでも、悪いショットが結果的にナイスミスになるようなことはないし、スキルがあっても調子が悪いプレーヤーが打ったボールは、2打目でグリーンを狙いづらいバンカーに吸い込まれるように入っていく。たとえグリーンに乗せることができても、難しい傾斜のパッティングを強いられる。

本文を読む

ゴルフは、ミスのゲームである。自分の思いどおりの完璧なショットを打つことができるのは、プロでもせいぜい1ラウンドに1打か2打だという。アマチュアにおいても、どうすればミスを最小限に抑えて次のショットに臨めるか、そして自分のミスをちゃんと受け入れられるかどうかが、ゴルフ上達やスコア向上のカギになると僕は思っている。

この日、雨のラウンドが苦手な僕のティショットは、左右によく曲がった。期待どおりのスコアではラウンドできなかったが、コースに対して嫌な印象は残っていない。むしろ「次こそは!」と清々しい気分になれた。良い結果が得られなかったのは、すべて自分のミスのせいである。ジャパンメモリアルGCは、そう強く自分に認識させてくれるコースだった。

とてもフェアで、ゴルファーに自分の至らなさを気付かせ、ワンランク上に導いてくれる。そんなニクラウス設計の良さが、ジャパンメモリアルGCのコースにも備わっている。

ジャパンメモリアルゴルフクラブ(兵庫県)

つるはら ひろたか◎ゴルフライター。1974年、大阪府生まれ。フリーランスのライターとして男性誌などで活動後、30歳のときにゴルフの面白さに気づき、ゴルフ専業のライターに。最新クラブの試打評、ゴルフ場のレビュー記事など多岐にわたる分野で執筆を行っている。HDCPは7。