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TOYOTA WRC STORYWRCの軌跡をトヨタ博物館から学ぶ Text & Photo:Daisuke Katsumura

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トヨタ博物館では「激走!!2.5次元 ヴゥオオーン!! - WRC日本車挑戦の軌跡」という企画展が行われ、過去に活躍したレースカーが数多く展示されています。そこで今回は、トヨタのラリー参戦の歴史を振り返るとともに、この企画展で紹介されているレースカーにもスポットを当てて紹介していきましょう。

2022年シーズンからはハイブリッド車も参戦
WRCもサステナブルな時代に

昨年までトヨタはWRC(世界ラリー選手権)にヤリスをベースとしたレースカー「ヤリスWRC」で参戦していましたが、2022年シーズンは大きな変革の年となりました。これまでトップカテゴリーだったWRカーに替わってハイブリッドユニットを搭載したRally 1というカテゴリーが最上級クラスの車両となったのです。トヨタもこのカテゴリー変更に合わせて、2022年シーズンからハイブリッドユニットを搭載したGRヤリスRally 1を投入。早速第1戦であるラリーモンテカルロでセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組が総合2位を獲得。順調な滑り出しとなりました。

ちなみにこのRally 1は、ハイブリッド機構を搭載するだけでなく、レースで使用する燃料も合成燃料とバイオ燃料を混合した100%サステナブルな非化石燃料が使用されるなど、サステナブルなモータースポーツを推進する技術が数多く採用されています。

トヨタのラリーの歴史は
65年前のオーストラリアから

トヨタがラリー競技に関わるようになるのは、WRCが発足する遥か昔のことでした。今から65年も前の1957年にオーストラリアで開催された豪州一周ラリーに、観音開きドアが特徴的なRSD型トヨペットクラウンで参戦し、17,000kmという途方もない距離を走りきり、見事完走を果たすのです。これがトヨタ初の国際モータースポーツ競技への参戦となります。

ちなみに最初のラリー参戦の場にオーストラリアを選んだのは、同じ左側通行の国であったためだと思われますが、この参戦には競技としてはもちろん、国際親善や貿易振興の役割もあったそうです。その証拠に1960年代~70年代にはオーストラリアに多くのクラウンが輸出され、彼の地で大活躍したのです。

その後さまざまなラリー競技が各国で開催され、トヨタも参戦していましたが、1973年にFIA傘下の団体として、WRC(世界ラリー選手権)を創設。ラリーは国際競技として開催されるようになりました。WRC発足初年度に、トヨタはTA22型セリカ1600GTで参戦。11月に開催されたRACラリーではクラス優勝も果たしています。その後一時期TE27型カローラレビンが活躍しますが、その後は歴代セリカがラリーで長年活躍することになります。

歴史的なレースカーが一堂に会した
トヨタ博物館の企画展

2022年4月17日(日)まで、現在愛知県長久手市のトヨタ博物館では「激走!!2.5次元 ヴゥオオーン!! - WRC日本車挑戦の軌跡」と題した企画展が行われています。WRCで活躍した日本車が集められ、タイトルの通り、臨場感たっぷりの2次元背景とともにディスプレイされるという興味深い展示となっています。ちなみに背景画は漫画家の川下晴子さんが書き下ろしたものだそうです。

エントランスに立ってまず目に入るのが、2次元の背景に半分ボディを突っ込んだTA64型セリカをベースにしたグループB仕様のラリーカー、通称「セリカツインカムターボ」です。4T-Gをベースに排気量を拡大してターボを搭載したレース用エンジンを搭載。326psを発生しました。後輪駆動ながら好成績を収めたこのセリカツインカムターボはサファリラリーにも参戦し、1984年から1986年まで3連覇を達成しています。

会場の中に進むと、背景画の反対側に顔を出したTA64セリカツインカムターボが見えます。その隣に並ぶのは、1988年にデビューしたST165型セリカGT-FOURのレースカーです。このST165型セリカGT-FOURは、その後も熟成を重ね、1990年には日本の自動車メーカーとしては初となるシリーズタイトルに輝いた記念すべき車両となります。ちなみに展示されているのは1990年のサファリラリーで優勝した車両だそうです。セリカはその後もST185型、ST205型とラリーマシンを投入し、1995年までWRCで活躍します。

一番手前に見えるのは、それまでのセリカで培ってきたターボエンジン+4WDシステムをFF車であるAE110型カローラに詰め込んで1997年にデビューを飾ったWRカー「カローラWRC」です。トヨタはこのカローラWRCで1997年から1999年までWRCに参戦し好成績を収めますが、1999年シーズンの終了を持って、いったんWRCへのワークス参戦を終了することになるのです。

WRCの各年代を彩った
名車が勢揃い

今回の企画展ではトヨタ車だけでなく、スバルレガシィ、スバルインプレッサ、日産ダットサン240Z、日産バイオレット、三菱コルトランサー、三菱ランサーエボリューション、マツダRX-7、ダイハツシャレード、スズキSX4といった日本の自動車メーカー各社をベースとしたラリーカーが一堂に会して展示されました。

改めて、トヨタ博物館での企画展「激走!!2.5次元 ヴゥオオーン!! - WRC日本車挑戦の軌跡」は、4月17日(日)まで開催されています。WRCで活躍した国産のレースカーがこれだけ一度に見れる機会はめったにありません。興味のある人はぜひともトヨタ博物館に足を運んで、自分の目で迫力のレースカーを見てください。

住所:愛知県長久手市横道41-100
Tel:0561-63-5151(代表)
開館時間:9:30~17:00(入館受付は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
入場料:大人1,200円、シルバー(65歳以上)700円、中高生600円、小学生400円、未就学児無料(いずれも一般料金、税込み)
※文化館1階、3階は、どなたでも無料で入場できます。
※TS CUBIC CARDを提示し、カードでお支払いいただくと入場料を200円(小学生100円)引きいたします。

https://toyota-automobile-museum.jp/

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