ACADEMIE DU VIN赤ワインに使われるブドウの品種には何がある?

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ワインは使われた品種によって味わいや香り、色が大きく変わります。せっかくワインを楽しむのであれば、ワインの品種ごとの特徴も知っておきたいですよね。そこで、赤ワインに使われるブドウ品種の種類、特徴、産地について紐解いていきますので、これを参考にワインを楽しんでみてください。

〇赤ワインはブドウの果汁・果皮・種子のすべてを使って造られる
〇赤ワインに使われるブドウ品種には何がある?
〇ブドウ品種の特徴と代表的な産地とは
・カベルネ・ソーヴィニヨン
・メルロー
・カ・ベルネ・フラン
・ピノ・ノワール
・ガメ
・シラー
・グルナッシュ
〇ワインには単一(ヴァラエタル)ワインとブレンドワインがある
〇ブドウ品種ごとの味わいを知りたいなら新世界のワイン

赤ワインはブドウの果汁・果皮・種子のすべてを使って造られる

赤ワインは、果汁と果皮、種子のすべてを使って造られます。
白ワインと比較して、赤ワインにタンニン(渋味成分)が多いのは、果皮や種子も使っていることにあるのです。
また、一概には言えませんが、このタンニンの強いものほど長期熟成に向いている重めのワインになる傾向にあります。
赤ワインには必ず黒ブドウが使われます。
白ブドウを混ぜて造ることもありますが、あの赤い色は黒ブドウの果皮からきているものですので、黒ブドウなしで赤ワインを造ることはできません。

赤ワインに使われるブドウ品種には何がある?

赤ワインに使われるブドウ品種のうち代表的なものをご紹介します。

<代表的な赤ワインのブドウ品種>

・カベルネ・ソーヴィニヨン
・メルロー
・カ・ベルネ・フラン
・ピノ・ノワール
・ガメ
・シラー
・グルナッシュ

各ブドウ品種名につけたリンク先では、そのブドウ品種の特徴と代表的な産地を紹介しています。

ブドウ品種の特徴と代表的な産地とは

先ほどご紹介した赤ワインに使われるブドウ品種について、その特徴と代表的な産地についてご紹介します。

カベルネ・ソーヴィニヨン

Cabernet Sauvignon カベルネ・ソーヴィニヨン

■代表的な産地

<カベルネ・ソーヴィニヨンの代表的産地>
・フランス南西部のボルドー地方
・アメリカのカリフォルニア
・オーストラリア
・チリ

■カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴

ピノ・ノワールとともに「二大高貴黒ブドウ」と呼ばれています。
色が濃く、タンニン(渋味成分)が非常に強いのが特徴。
先ほどもお伝えしたようにタンニンが強いワインほどワインの寿命が長くなり、長期熟成に向いたワインとなります。
長期熟成した良質なワインはタンニンと酸味が絶妙なバランスになります。
香りはカシスやブラック・チョコレート、鉛筆の削りかす、葉巻の箱、杉のようなにおいと形容され、品があるとも言われます。

メルロー

Merlot メルロー

■代表的な産地

<メルローの代表的産地>
フランス南西部のボルドー地方
アメリカのカリフォルニア

■メルローの特徴

渋味は中庸、酸味は穏やかで、果実味に富んだ丸みのあるワインになります。
カベルネ・ソーヴィニヨンよりもタンニン(渋味成分)は少なめで、コクがあるのにソフトな味わいが特徴。
赤ワインの中でも飲みやすいタイプです。
香りには確たる特徴がなく、カベルネ・ソーヴィニヨンに似ていることからも、ブラインド・テイスティングで分かりづらい品種の1つです。

カベルネ・フラン

Cabernet Franc カベルネ・フラン

■代表的な産地

<カベルネ・フランの代表的産地>
スペインのバスク地方
フランス南西部のボルドー地方
フランス北部のロワール地方

■カベルネ・フランの特徴

カベルネ・ソーヴィニヨンと風味は似ていますが、酸味やタンニン(渋味成分)は少ないのが特徴です。
そのため、ワインにやわらかな味わいを与えます。
カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどとブレンドされることも多く、産地によって主役になったり脇役になったりします。
香りは全体に華やか。青野菜やピーマン、ジャガイモの皮などと表現されることもあります。

ピノ・ノワール

Pinot Noir ピノ・ノワール

■代表的な産地

<ピノ・ノワールの代表的産地>
フランス中部のブルゴーニュ地方
フランス北部のシャンパーニュ地方
アメリカのカリフォルニア

■ピノ・ノワールの特徴

カベルネ・ソーヴィニヨンと並び、「二大高貴黒ブドウ」と呼ばれています。
渋味は穏やかで酸味が強いため、しなやかで官能的なワインを生み出します。
タンニン(渋味成分)が少ないため、寿命はどちらかというと短め。
ですが、ロマネコンティのような最高級品であれば熟成します。
香りはラズベリーやイチゴ、チェリーなどの果物に例えられますが、熟成が進むと腐葉土やきのこ類などの香りも加わります。

ガメ

Gamay ガメ

■代表的な産地

<ガメの代表的産地>
フランス中部のブルゴーニュ地方
アメリカのカルフォルニア

■ガメの特徴

日本で広く知られるボージョレのワインを造る品種で、ピノ・ノワールの子供に当たります。
酸味は強く、渋味は穏やかです。
軽やかでフルーティーな若のみタイプのワインになります。
香りとしては、イチゴやチェリーなどに例えられるほど、果実の風味豊かなものになっています。

シラー

Syrah シラー

■代表的な産地

<シラーの代表的産地>
フランス南部のコート・デュ・ローヌ地方
フランス南部のプロヴァンス地方
オーストラリア

■シラーの特徴

アルコール度数が強く、タンニン(渋味成分)も強いという特徴のあるブドウです。
タンニンが強いことからも分かるように、長期熟成が可能な品種です。
ブレンドでも、単一でもワインが造られています。
香りには胡椒などのスパイシーなニュアンスが強く感じられます。
また、ラズベリー、ブラックカラントなど果実の風味、香辛料、なめし皮などとも表現される野性的な香りです。

グルナッシュ

Grenache グルナッシュ

■代表的な産地

<グルナッシュの代表的産地>
フランス南部のコート・デュ・ローヌ地方
フランス南部(ラングドック地方、ルーション地方、プロヴァンス地方)
スペイン

■グルナッシュの特徴

色はさほど濃くなく、タンニン(渋味成分)もほどよい強さです。
アルコール度が高めで濃厚ですが、グルナッシュを使って造られるワインはまろやかな味わいになるという特徴があります。
香りとしては胡椒やハーブなどに例えられる、スパイシーな品種です。また、その中にもラズベリーのような果実の風味も含まれています。

ワインには単一(ヴァラエタル)ワインとブレンドワインがある

ワインには1つのブドウ品種しか使わない単一(ヴァラエタル)ワインと、複数のブドウ品種を混ぜて造られるブレンドワインがあります。
ワインのエチケット(ラベル)を見ると、ブドウ品種が書かれていないものがあることに気づくはずです。
この何も書かれていないのがブレンドワインです。

ブドウ品種ごとの味わいを知りたいなら新世界のワイン

ワインの産地は大きく2つに分けられ、1つは古くからワインを造っている旧世界。
もう1つは比較的に最近ワインを造り始めた新世界があります。
フランスやイタリア、スペイン、ドイツなどの旧世界では、ブレンドワインが主流です。
その一方、アメリカやチリ、オーストラリア、日本などの新世界では単一ワインが主流となっています。
ブドウ品種ごとにワインの味わいを知りたいというのであれば、新世界のワインを試してみるとよいでしょう。

まとめ

以上、赤ワインに使われるブドウ品種の種類、特徴、産地についてご紹介しました。
使われるブドウによって色や味わい、香りが変わります。
まずは新世界を中心に単一ワインで品種ごとの特徴をつかみ、理解してきたところで旧世界を中心にブレンドワインを楽しんでみるとよいでしょう。
ここに紹介した内容を参考にして品種ごとのワインの特徴を味わってみてください。


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