TOYOTA AUTOMOBILE MUSEUMトヨタ博物館の魅力とは?車両展示だけじゃない進化と歴史のミュージアム

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愛知県長久手市にあるトヨタ博物館にはトヨタ自動車の車両だけでなく、ガソリン自動車の誕生から現在に至るまでの自動車の進化の歴史が詰まった国内随一の自動車の展示施設です。今回はそんな魅力あふれるトヨタ博物館のすべてをご紹介します。

・世界中の自動車を動態保存する魅惑の展示施設
・展示スペースではトヨダAA型がお出迎え
・クルマ館だけでなく文化館2階も見所多数
・圧巻のコレクションは実車だけにあらず!
・文化館には他にも知られざる施設がいっぱい

世界中の自動車を動態保存する魅惑の展示施設

世界のクルマとその歴史を学ぶことができる展示施設

トヨタ博物館は、愛・地球博の会場となり一躍名前が知られるようになった愛知県長久手市にあります。開館は今から約35年前となる1989年4月、トヨタ自動車創立50周年事業の一環として建設されました。

通称グリーンロードと呼ばれる県道60号線沿いにあり、名古屋瀬戸道路の長久手ICもすぐそばにあるため、アクセスは良好。公共交通機関で訪れる際は、リニモの芸大通駅から徒歩で5分ほどの場所になります。敷地面積はなんと1万4000坪と広く、そのなかにメインの建物となるクルマ館と文化館が建っています。もちろん無料の駐車場を完備しているので、愛車で訪れても大丈夫です。

メインとなるクルマ館のなかに入ると、エントランスホールが広がります。ここでチケットを購入し、展示スペースのなかに入ります。

取材時はエントランスホールに1971年式のメルセデスベンツ280SLが展示されていました。このエントランス展示は、定期的に変更され、9月上旬からは1971年式のロータスヨーロッパS2が展示されているそうです。

展示スペースではトヨダAA型がお出迎え

さっそく車両展示を見ていくことにしましょう。最初に目に入ってくるのは、エスカレーターホールに展示されたトヨダAA型です。

このクルマはトヨタ自動車の前身である豊田自動織機製作所の自動車部が開発し1936年(昭和11年)に市販を開始した車両で、その後自動車部がトヨタ自動車として独立し、現在に至るきっかけとなった記念すべき1台です。トヨタ博物館の開館に合わせて、1986年に残存資料から製作された復元車です。デビュー当時世界の流行の最先端であった流線型のボディはもちろん、木材や組紐などを使った豪華な内装もしっかりと再現されています。

まずはエスカレーターで2階に上がったら、左斜め前の部屋に寄ってみてください。ここは「クルマづくり日本史」という2022年に完成した新しいコーナーです。

日本の自動車メーカーの発展の歴史や、創始者の人物像などが「ヒストリーロード」、「物語」、「人物」、「系譜」、「数字」という5つのパートに分けて紹介されています。ここを見るだけで、日本の自動車メーカーがどのようにスタートし、発展し、現在に至るのかを学ぶことができます。

いよいよ2階フロアの車両を見ていきます。ここは、自動車が誕生した当初から本格的な国産乗用車が登場し始める1950年代までの自動車がまとめられています。

最初に登場するのは、1886年にドイツで誕生したベンツ・パテントモートルヴァーゲンです。諸説ありますが、現在ではこの車両が世界初のガソリン自動車とされています。ちなみにこの車両は復元車ですが、実際にエンジンをかけて時速15キロで走行が可能だそうで、イベント時には敷地内を走行することもあるとのことでした。

2階を一周し終えたら、再びエスカレーターで3階に移動しましょう。このフロアでは1950年代から現代までの自動車の進化を紹介しています。館内に並ぶ自動車もようやく身近なクラシックカーとなってきます。1950年代後半に栄華を極める、巨大なテールフィンを車体後部に配したアメリカ車や、ヨーロッパのコンパクトカー、そしてようやく一般大衆向けに製造され始めた国産車などが年代順に並びます。

館内を進むと徐々に年代が新しくなっていき、馴染みのある車両が顔を出します。中には若い頃に乗ったことがある車両を見つけることもできるでしょう。こうして一周した最後には、2014年に登場したトヨタのMIRAIが展示されています。こうやって見てみると、この半世紀強で自動車は猛烈な進化を遂げたことがわかると思います。

館内を歩き疲れたらここでランチを楽しもう!

140台の車両展示をくまなく見て回ると、開館と同時に来館しても、あっという間にお昼になってしまいます。そこでランチブレイクにおすすめしたいのが、館内にあるミュージアムレストラン「AVIEW」です。

洋食を中心に幅広いメニューを用意していますが、トヨタ博物館ならではのメニューも見逃せません。名物のトヨタ博物館カレーや2000GTドッグなどはリピーターも多い人気メニューです。ランチだけでなく軽食やカフェも充実しているので、時間を気にせず訪れることができます。

クルマ館だけでなく文化館2階も見所多数

クルマ館を見終わったら、レストラン脇にある入り口からエスカレーターに乗って渡り廊下へ進みましょう。この渡り廊下を渡った先にあるのが、文化館です。文化館はトヨタ博物館開館10周年を記念して追加された建物で、こちらの文化館だけでも約820坪、延床面積では約2500坪の広さがあります。後ほど紹介する文化館の1階と3階は無料で訪れることができます。その場合は渡り廊下ではなく、直接1階のエントランスからも入ることができます。

渡り廊下を渡って文化館に入ると、最初に到着するのが2階の企画展示室です。ここでは年間を通じてさまざまな企画展やイベントが開催されるスペースです。企画展はクルマ館の常設展示とは異なり、企画趣旨にあった車両がその都度集められるため、開催のタイミングでしか見ることができない珍しい車両やユニークな車両ばかりが展示されています。ちなみに現在は「トヨタ博物館でSDGsを考える 第3弾~クルマとゴミとカーボンニュートラル~」を開催中です。

圧巻のコレクションは実車だけにあらず!

企画展示室を抜けると、趣深いシックな空間に入ります。ここはクルマ文化資料館と呼ばれる場所です。トヨタ自動車博物館が収蔵している20万点を超えるミニチュアモデルや紙モノの資料、さらにはエンブレム、カーマスコットなどの収蔵資料のなかから約4000点を展示しています。

ちなみに、古い時代に自動車の先端に備わっていた約130点の金属製のカーマスコットのコレクションも圧巻ですが、フランスのガラス工芸家ルネ・ラリックが製作した全29点のガラス製のカーマスコットコレクションは、世界的にもかなり珍しいといわれています。

圧巻なのは、資料室の中央に設置された巨大な3つのディスプレイケースのなかに収められた1/43スケールの模型のコレクションです。このディスプレイケースには、自動車が誕生した18世紀中頃から現代までを第一次世界大戦前、第一次世界大戦後〜第二次世界大戦前、第二次世界大戦後の車両がそれぞれ収められ、手前から日本、アメリカ、ヨーロッパに分けて合計約800台が展示されています。

これほどの模型車両を体系的に展示した施設はかなり珍しいはず。このディスプレイに釘付けになっているクルマファンも多く、皆さん童心に戻って楽しんでいます。

文化館には他にも知られざる施設がいっぱい

トヨタ博物館の付帯施設として意外に知られていないのが、文化館3階にある図書館です。自動車関連の書籍を中心に、クルマ文化資料室に展示しきれない新車当時のカタログも収蔵。また多くの自動車雑誌などもバックナンバーを含めて見ることができ、自動車について広く学ぶことができる場所となっています。

自動車関連の書籍をこれほど収蔵している施設は珍しく、調べ物をする際にも非常に便利です。ただし館外への貸し出しや複写サービスなどは行っていないので、館内での閲覧のみとなっています。

文化館1階に降りたら館外に出る前にミュージアムショップを訪れてみましょう。ここでは一般的なお土産はもちろんですが、博物館のガイドブックや各種ミニチュアモデルなどが販売されています。人気の商品を伺うと、なんと館内のレストランでも提供されるトヨタ博物館カレーのレトルト版が人気だそうです。訪れた際はこちらも忘れずに!

ミュージアムショップの隣には、カフェ「CARS & BOOKS」が併設されています。ここではこだわりのコーヒーや紅茶、軽食を楽しむことができるだけでなく、誰でも閲覧可能なクルマ関連の書籍が揃っています。一日中歩き疲れたらここでゆったりと本を片手にカフェブレイクを楽しんでみてはいかがでしょうか。クルマ好きの仲間と談義に華を咲かせるのも楽しいですね。

<トヨタ博物館>

愛知県長久手市横道41-100
電話番号:0561-63-5151(代表)
開館時間:9:30 〜17:00(入館受付は16:30まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
入場料:大人1,200円、シルバー(65歳以上)700円、中高生600円、小学生400円、未就学児無料(いずれも一般料金、税込)
※文化館1階、3階は、どなたでも無料で入場できます。
※TS CUBIC CARDを提示し、カードでお支払いいただくと入場料を200円(小学生100円)引きいたします。
https://toyota-automobile-museum.jp/

トヨタ博物館を訪れる際は、TSキュービックカードをお忘れなく。当日エントランスで提示すれば、入館料の割引を受けることができます。

また、年会費を支払って「ト博Love(トはくらぶ)」の会員になることで、1年間入館無料で訪れることができるだけでなく、会員限定のイベントに参加できたり、館内施設での利用割引サービスを受けることもできます。

さらに、2023年8月31日までなら、トヨタ博物館と富士モータースポーツミュージアムにそれぞれ1回ずつ入館できる共通券を販売中(有効期間:2023年7月1日~2024年9月30日)。夏休みや秋の行楽シーズンに訪れるなら、ぜひご活用ください。

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