Go see the spectacular viewSNSでは伝わらない感動へ。
一生に一度は見ておきたい「春絶景」を目指して
モノトーンの冬景色から、一転して美しい色彩にあふれる春。頬をなでる風も心地よく、おでかけ機運も高まります。そんな日には、都市部からクルマで1~2時間程度の場所にある絶景を見に行くことをおすすめします。ここでは、春~夏のタイミングに見ごろを迎える絶景スポットを厳選してご紹介。スマホ画面で見るよりもはるかに心に響く、感動の景色へ会いに行きましょう。
春がもっとも美しい!
息を呑むような絶景を求めて
自然に癒され最高の臨場感も味わえる、関東屈指の絶景とは
時間がなくて遠出ができないという方も、1~2時間ほどクルマを走らせれば特別な景色に出合うことができます。東京から日帰りで行ける絶景をご紹介します。
■大山千枚田(千葉)
おすすめの時期:4~5月、10~1月
おすすめの時間帯:早朝
32,000㎡の広大な急傾斜の地に、375枚もの田んぼが並ぶ棚田(たなだ)が階段状に並ぶ大山千枚田(おおやませんまいだ)。房総半島の中心部にあり、東京からはクルマで1時間半程度と、アクセスのよさで知られています。
棚田とは、傾斜が多く生産条件が不利な地域において、急斜面に開発された水田のこと。その歴史は古く、江戸時代以前から存在していた可能性もあるといわれています。棚田は耕作放棄されて失われつつあるところが多いのですが、この大山千枚田は盛んな保全活動により整備が行き届いており、優れた景観であることから、「日本の棚田百選」に選ばれています。
春の田植え前のシーズンには水を張った鏡のようになり、空を美しく反射します。夏は日差しを浴びた稲が生命力いっぱいに成長する様子、秋は黄金色の稲穂が揺れる光景、冬は雪景色なども見られ、四季を通じて異なる表情を楽しめるのが魅力です。また毎年10月に行われるライトアップイベントでは、LEDキャンドルで棚田全体をライトアップ。幻想的な世界が広がります。
大小さまざまな田んぼが段々に連なる千枚田の景観は、まさに日本の農村の原風景。カントウタンポポやサンショウウオなどの絶滅危惧種も見られるといいます。棚田を見下ろす丘の上には交流施設「棚田倶楽部」があり、体験プログラム(10名以上で実施)などを行っています。
大山千枚田(棚田倶楽部)
千葉県鴨川市平塚540
電話番号:04-7099-9050(NPO法人 大山千枚田保存会)
営業時間:9時~16時
休み:火曜
駐車場:20台
アクセス:館山道「鋸南保田I.C.」から車で約20分
https://senmaida.com/
■不動滝(神奈川)
おすすめの時期:4~5月、11月中旬~12月上旬
おすすめの時間帯:いつでも
温泉街で有名な神奈川県湯河原町。湯河原は火山が侵食を受けた深い谷あいにあり、大小さまざまな滝が随所に存在しています。中でも不動滝は、湯河原駅から奥湯河原へと向かう途中にあり、その力強さから湯河原五大滝のひとつとされています。
不動滝の落差は約15m。小ぶりながらも水量は豊富で、迫力満点の姿を堪能できます。滝の崖は、溶岩や凝灰岩など湯河原火山の噴出物からできているそう。滝の前に橋が架かっているので、間近まで迫ることも可能です。周囲は木々に囲まれており、夏でもひんやりと涼しく癒されます。
滝の左側には身代わり不動尊が、右側には出世大黒尊が祀られています。滝の名は、この不動明王に由来するそう。その名の通り、厄除けや出世を祈願できます。この不動滝は、夏目漱石の未完の作品『明暗』にも登場します。漱石はリウマチ治療のためにこの付近の宿に滞在して執筆していたことから、主人公が不動滝へと向かう場面を登場させたようです。
滝の麓には、和の情緒あふれる茶屋があります。新緑や紅葉の季節に、源泉かけ流しの足湯に浸かるのもよさそうです。
不動滝
神奈川県足柄下郡湯河原町宮上750
電話番号:0465-64-1234(湯河原温泉観光協会)
駐車場:あり
アクセス:真鶴道路「福浦I.C.」から車で15分
https://www.yugawara.or.jp/sightseeing/646/
■奥四万湖(群馬)
おすすめ時期:4~5月、10月中旬~11月上旬
おすすめ時間帯:午前中
穏やかな泉質で「草津の上がり湯」として知られる四万(しま)温泉。その最奥に位置する奥四万湖は四万川ダムによりつくられたダム湖で、神秘的な青い湖水「四万ブルー」で知られています。
この四万ブルーが生まれる理由は諸説ありますが、一説には、湖水に含まれている微細粒子に太陽光が当たることで、波長の短い青い光が散乱するため青く見えるのだとか。特に、雪解け水が流れ込む春は美しいブルーを堪能できます。非常に透明度が高いのですが酸性が強いため、魚は生息していません。
春の新緑や秋の紅葉と、季節ごとにさまざまに表情を変える様子は、見る者を感動させます。また、夜も周囲には明かりがないため星がきれいに見えます。奥四万湖は外周4km。湖の周囲には周遊道路(一方通行)があり、クルマで周回できます。
近辺には、栂(つが)の広場や稲包(いなつつみ)せせらぎ公園、赤沢やすらぎ広場といった展望エリアが整備され、いずれも奥四万湖を一望できる絶好のフォトスポット。テーブルやベンチが設置されているので、休憩を入れてもよさそうです。
奥四万湖
群馬県吾妻郡中之条町大字四万
問い合わせ:0279-64-2321(四万温泉協会)
駐車場:あり
アクセス:関越自動車道「渋川伊香保I.C.」から1時間10分
春の桜から初夏のお祭りまで。中部~関西圏の絶景へ
定番のお花見も楽しみだけれど、人と違う場所にも行ってみたい。そんな方に、中部~関西圏の定番・穴場スポットをご紹介します。
■沢田公園露天風呂(静岡)
おすすめの時期:すべて
おすすめの時間帯:16時~19時
伊豆半島の西側、駿河湾に面した沼津市、伊豆市、西伊豆町、松崎町は「西伊豆エリア」と呼ばれています。表情豊かなリアス式海岸が美しい地域で、複雑な海岸線と点在する島々が美しい風景を織りなし、すべてを紅に染める夕陽も加わって、名画のような光景を生み出します。
西伊豆のなかでも随一の景勝地として知られるのが、奇岩に彩られた堂ヶ島です。そこに設けられているのは、町営温泉施設「沢田公園露天風呂」。断崖絶壁にある岩風呂の露天風呂で、入浴しながら駿河湾を見下ろすという貴重な体験ができる穴場です。泉質は、ナトリウム・カルシウム硫酸塩泉。浴室は男女ともに岩風呂で、それぞれ4~5人が入浴できる広さがあります。
入浴におすすめの時間帯は、やはり夕暮れどき。水平線に沈む夕陽を背景に、すぐ下を遊覧船や漁船が行き来する様子は、言葉で言い表せない感動があります。
このエリアに知見のある西伊豆町役場の担当者は、「近隣には、国指定天然記念物の天窓洞『青の洞窟』、干潮時にのみ海岸と三四郎島を結ぶ道が浮かび上がる『堂ヶ島のトンボロ』、駿河湾越しの富士山を鑑賞できる黄金崎などがあります。ぜひ立ち寄ってみては」と話してくれました。
洞窟巡りの遊覧船で天窓洞の天井から光が降り注ぐ様子を見たあとに、馬の頭にそっくりな岸壁がある黄金崎で眺望を堪能。最後に露天風呂で夕陽を眺める・・・、そんな1日はいかがでしょうか。
沢田公園露天風呂
静岡県賀茂郡西伊豆町仁科2817-1
電話番号:0558-52-2400
営業時間:【3~5・9月】9時~19時 【6~8月】9時~20時 【10~2月】9時~18時
※最終受付は終了の30分前まで
休み:水曜日(水曜日が祝日の場合は翌日)
料金:大人600円 / 6歳以上12歳未満200円
駐車場:あり
アクセス:東名高速道路「沼津I.C.」から車で1時間50分
https://www.nishiizu-kankou.com/spa/sawadapark
■天王川公園(愛知)
おすすめの時期:4月下旬~5月上旬、7月
おすすめの時間帯:いつでも
愛知県西部に位置する津島市。名古屋市のベッドタウンとして知られています。その西にある天王川公園は、12ヘクタールの土地に「丸池」と呼ばれる池と、そこに浮かぶ中之島、古民家、芝生広場などがあり、市民の憩いの場となっています。
天王川公園で有名なのは、毎年4月下旬~5月上旬にかけて行われる「尾張津島藤まつり」。面積5,034㎡にもおよぶ藤棚では、可憐な藤と甘い香りを存分に堪能できます。期間中の夜はライトアップも行われ、幻想的な雰囲気。かつて「藤浪の里」と呼ばれていた津島を懐古するひとときとなるでしょう。
日本三大川祭りのひとつに数えられる「尾張津島天王祭」も見逃せません。7月第4土曜日の「宵祭」と、翌日の「朝祭」の2日間にかけて行われます。天王祭は長い歴史があり、桶狭間の戦いの2年前に、織田信長が夫人とともに朝祭を見物したという記録が残されています。
宵祭の見どころは、約500個の提灯を飾った5隻の「まきわら船」が天王川を運航するところ。朝祭では、能人形の置物を載せた祭船が古楽を奏でながら進み、鉾持(ほこもち)たちが船から飛び込みます。この「尾張津島天王祭の車楽舟(だんじりぶね)行事」は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
天王川公園
愛知県津島市宮川町1
電話番号:050-8887-2386(平日9時~17時)
駐車場:321台(イベント時有料・駐車場の利用時間は5時~22時)
アクセス:東名阪自動車道「弥富I.C.」から車で15分
https://tennogawa-park.com/
■吉野山(奈良)
おすすめの時期:4月上旬~下旬
おすすめの時間帯:いつでも
※3月中旬~4月中旬は18時~22時にライトアップを行う
大峯連山の北端から南にわたる約8kmの尾根で、日本屈指の桜の名所として有名な吉野山。谷や尾根を埋める桜は3万本ともいわれています。麓から順に開花し、山をピンク色に染め上げます。吉野の桜はシロヤマザクラを中心に約200種3万本。一面に咲き揃う様子は圧巻です。
多くの桜の名所が「花見」を目的として植栽・管理されているのに対し、吉野の桜は山岳宗教と密接に結びついた信仰の桜です。1,300年前、吉野は神仙の住む理想郷と考えられていました。修験道の開祖と呼ばれる役小角(役行者)は、山上ヶ岳に深く分け入り、蔵王権現を感得、桜の木に刻んで吉野山に祀ったとされています。それ以降、蔵王権現や役行者に対する信仰の証として桜の木が植えられてきたのです。
桜の時期は4月上旬~下旬。吉野山は主に、麓から以下のエリアに分けられています。
- 下千本(標高約230m~350m)
最初に開花するエリア。世界文化遺産の蔵王堂、下千本展望所や昭憲皇太后御野立跡が有名です。 - 中千本(標高約350m~370m)
世界遺産・吉水神社から観る景色は「一目千本」と呼ばれ、中千本と上千本の桜を同時に見られます。 - 上千本(標高約370m~600m)
眼下に上千本、中千本、蔵王堂を見下ろせ、金剛山・葛城山・二上山を遠望できる花矢倉展望台が有名です。 - 奥千本エリア(標高約600m~750m)
もっとも山奥のエリア。歌人・西行法師が晩年を過ごした西行庵があります。
開花がもっとも遅い奥千本エリアの見頃は、開花がもっとも早い下千本エリアに比べて10日ほど遅れるのが一般的です。吉野山には駐車場があり、クルマを置いて徒歩で桜の名所を巡ることができます。またロープウェイやシャトルバス(桜のシーズンは変則運行)もあるので、あわせて利用が可能です。
吉野山
奈良県吉野郡吉野町吉野山
電話番号:0746-32-1007(月・水・金曜9時~16時)
駐車場:400台
アクセス:南阪奈道路「葛城I.C.」から車で約1時間
https://yoshinoyama-kankou.com/
■竹田城跡(兵庫)
おすすめの時期:4月上旬~中旬、9~11月
おすすめの時間帯:早朝
雲海に包まれた姿が「天空の城」、「日本のマチュピチュ」と評される竹田城跡。標高353.7mの古城山山頂に位置する山城遺構で、虎が臥せているように見えることから「虎臥城(こがじょう)」とも呼ばれています。
現在は天守などの建物はなく石垣だけが残っていますが、その規模は南北約400m、東西約100mにもおよびます。自然石をほとんど加工せずに積み上げられた堅牢な石垣は壮観で、「日本100名城」にも選定されています。廃城となっても石垣が壊されず、現在まで残されている理由は謎だそう。城跡内にはソメイヨシノ、山桜、霞桜など30本以上の桜があり、春には満開の桜を見ようと毎年多くの人が訪れます。
竹田城跡から天守台や石垣、麓を眺めるのはもちろんですが、竹田城跡の向かいにある朝来山(あさごやま)の中腹にある自然公園・立雲峡も抜群の展望スポットです。春は「但馬吉野」とも呼ばれる、近畿随一の桜の名所でもあります。
雲海が発生しやすいのは、9~11月(特に晩秋)の明け方~8時頃の早朝。湿度が高く十分な放射冷却があること、よく晴れていることなどが条件に挙げられます。雲海を見に行く際は、懐中電灯や防寒具が必須です。
竹田城跡
兵庫県朝来市和田山町竹田古城山169
電話番号:079-674-2120
営業時間:
[春]3月1日~5月31日8時~18時 [夏]6月1日~8月31日6時~18時 [秋]9月1日~9月22日6時~17時 [秋]9月23日~11月30日4時~17時 [冬]12月1日~翌年1月3日10時~14時 ※最終登城は終了の30分前まで
※例年1月4日~2月29日は冬季閉山
休み:気象警報が発令された場合などは登城を制限
料金:大人500円 / 中学生以下無料
駐車場:あり
アクセス:北近畿豊岡自動車道「和田山I.C.」から車で約25分
https://www.city.asago.hyogo.jp/site/takeda/