おすすめアクティビティアウトドアの達人が語る“自然”で遊ぶ醍醐味

Lifestyle

秋本番、アウトドアを満喫するためのさまざまなスポーツが花盛りです。そこで、各スポーツの達人たちにプレイの魅力や、ご自身ならではの楽しみ方などを伺いました。初めて挑戦する人も、経験者も、達人たちのコメントを参考にしながら、ぜひトライしてみましょう。

  • 僕らの主役はやっぱり「波」
    その「波」との調和が大切なんです

    Photo/Pak Oksun
    達人01

    細川哲夫 TETSUO HOSOKAWA

    <プロサーファー>

    1966年東京都文京区生まれ。サーフィン歴は約40年。これまで世界各地でサーフィンを中心にさまざまな波乗りを体験。プロとして活躍する傍ら、後進の指導も熱心に行う。一般社団法人 日本プロサーフィン連盟(JPSA)理事長。JPSA公認プロサーファー

    Photo/Naoya Kimono
    Photo/Pak Oksun

    常夏の島、ハワイを発祥とし、海に囲まれた島国であるここ日本でも人気のスポーツとして知られるサーフィン。スポーツの祭典オリンピックの新競技として加わったこともあり、それを機にサーフィンをはじめようと思っている人は少なくありません。

    サーフィンの魅力は何といっても大自然に身を任せる一体感、そして波のうえをボード1枚で疾走する爽快感でしょう。「伯母が茅ヶ崎に住んでいて、小学生のころ、家族で海に遊びに行った際に初めてサーフィンに興味を持ちました。実際にはじめたのは中学3年生の時。高校受験が終わった後、親を説得しました。それが、ちょうど1980年代のサーフィンブーム真っ盛りのころです。以来、今でも週に2〜3回はサーフィンを楽しんでいます」。と語るのは日本プロサーフィン連盟の理事長を務める細川哲夫さん。サーフィン40年の彼にとってのサーフィンの魅力をたずねてみました。

    「主役は波なんです。その波にサーファーは乗せてもらっていて、波の力を利用して滑るので僕らは波との調和が大切なんです。波は自然の産物なので、日々そして一瞬一瞬で状況は変わります。状況に応じてボードを選ぶことで、あらゆる種類の波を楽しむことができます。コロナ禍においては、一般社団法人 日本サーフィン連盟(NSA)が定める安全にサーフィンをするためのガイドラインにのっとって皆さま楽しんでいます」。

    [新たな]サーフィンのルール「一般社団法人 日本サーフィン連盟(NSA)」

    http://www.nsa-surf.org/wp/wp-content/uploads/2020/05/surfin-guide-line_A4_1.pdf

  • 自分の力でフィールドを広げ
    限界まで追い込むことができる

    Photo/sonokotanaka
    達人02

    別府史之 FUMIYUKI BEPPU

    <プロサイクリスト>

    1983年神奈川県生まれ。ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャの三大自転車レースや5つの「モニュメント」レースを走破。北京オリンピック、ロンドンオリンピックに出場。ヨーロッパでプロサイクリストとして16年間現役で走っている

    フランスを拠点として、ヨーロッパをはじめ100年以上もの歴史を誇る自転車の世界大会などを、いくつも走破してきたプロサイクリストの別府史之さん。ロードレーサーに乗りはじめたのは、9歳のころ。それまでは山道を駆け抜けるマウンテンバイクに乗っていましたが、徐々に風やスピードを追い求めるようになっていったのが、彼のロードレース人生の原点。

    「ロードレースは、自分の力で自分のフィールドを広げていけることが最大の魅力です。また他のスポーツと異なり、自転車に乗れる人なら誰でも自分の限界までからだを追い込めることも、そのひとつだと思います」。レースの種類も多彩で、250km以上の距離を一気に走るレースや、21日間で1日200km前後を走破するレースなど、ただ長い距離を走るだけではないのが、ロードレースの面白いところ。どのコースも平坦な道ではなく、石畳の道もあれば厳しい斜度の山岳コースもあります。雨や風などで体感も変わります。自然に近い場所を走ることで、過酷を極めるのがロードレースです。

    「自転車はランニングとは違い長い時間乗ることができるので、有酸素運動として脂肪の燃焼効果も高まります。ダイエットにもとても効果的ですよ。ただ、交通ルールをしっかり守り、ヘルメットを着用したり、整備点検などを怠らないようにして、事故やけがを回避しましょう。また、クルマに自転車を積載し、景色のよい場所でサイクリングを楽しむのもおすすめですね」。

  • 同じ山でも季節や登るルートが
    異なれば表情がまるで違う

    達人03

    杉村航 WATARU SUGIMURA

    <山岳写真家>

    1974年兵庫県生まれ。信州大学人文学部卒業後、出版社に勤務。スタジオアシスタントを経て、2000年よりフリーランスとして活動を開始。ドラマティックな山岳写真の他、山岳スキーや源流釣行を追いかける信州登山案内人。北アルプス北部遭難対策協議会に所属し、全国釣り団体協議会(JOFI)公認フィッシングインストラクターとしても活躍する

    Photo/Wataru Sugimura

    「国土の約75%が山地といわれている日本。山登りは運動としても、自然と触れ合う手段としても最適で、ダイナミックな景観の中、岩稜のクライミング、縦走の他、森や沢の美しさ、里山の歴史や文化に触れる山旅も味わい深さがあります」と話すのは、山岳写真家として活躍する傍ら、信州登山案内人としても活動中の杉村航さん。

    山登りは独りでも楽しむことができ、また家族や仲間たちとともに登る楽しみもあり、山地の多い日本において身近なレジャーのひとつといえます。また、都会の喧噪から離れ、大自然に身を置くことで非日常感を味わうことができ、自分自身と向き合う貴重な時間を過ごすことができるのも大きな魅力でしょう。

    「同じ山でも季節や登るルートが異なれば、まるで表情が違う景色になるのは、山登りの特徴のひとつです。天候の変化も目まぐるしいので、その移り変わりを感じるのも素晴らしい体験だと思います。また、山頂を目指すだけではなく、写真を撮ったり、草木や花々をめでたり、渓流釣りをしたりと、楽しみ方のバリエーションもさまざま。例えば、快適な場所を見つけてゆっくりとコーヒーを淹れ、テントで小説を読んだりするのも幸せです。もちろん、自然を相手にしているので、高い安全意識の下、救助が必要な事態を招かないように、ゆとりを持った山行計画を心掛けていただくことも重要です」。

  • 釣りは自然、そして生き物と
    “対話”する遊び

    達人04

    大本英則 HIDENORI OMOTO

    <SALT WORLD 編集長>

    1974年東京都生まれ。現在まで都内在住も、小学生から父親の影響で船での釣りを楽しみ、一時はフライフィッシングに没頭するも、その後ルアー(疑似餌)を使った船釣りの世界に。船からルアーで魚を釣る雑誌『SALT WORLD』の編集部に20年以上所属し、現在は編集長を務める

    「釣りは季節によって釣れる魚や旬の魚こそ変わるものの、1年間を通して楽しむことができる趣味。狙う魚によって釣り方も異なり、何を狙うか、どうやって釣るか、どこに行こうか……など、釣りは自然、そして生き物と対話する遊びです。

    釣り場へ訪れる度に同じプレイ内容になることがないからこそ、奥深さがあります」と語るのは、船釣り専門雑誌『SALT WORLD』の編集長を務める大本さん。
    幼少期から東京都在住ながら、父親の影響で釣りへと親しみ、仕事でもプライベートでも釣りを楽しむ大本さんに、その魅力を教わりました。

    「川や湖、陸からの海釣りも楽しいですが、大海原に出て行けば、大物に出合う確率も高くなり、何よりも夢があります。もちろん自然界を相手にするわけで、狙った魚種が確実に釣れるという保証などありませんが、より釣れるようにと対策を練るのも楽しみのひとつです。また、遠方への釣りは“未知の海を体験する旅行”という側面もあります。そんな釣り中心のライフワークなので、一度はまってしまったらそうカンタンには抜け出せないもの。釣りのスタイルにこだわらなければ、からだが動く限り、一生楽しめる趣味だと思っています」。

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